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つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

リベンジ 18

1年前にも見た光景がそこにある。

あたしは一つ溜め息をつくと、黒バラをがんじがらめに縛ったロープを解きはじめた。
昼間、お祭りコンビに言った感謝の言葉をどうやったら回収できるか考えながら。

「てめ八つ当たりしてんじゃねーよ!スカタンって何だよ!ヘンな英語喋んじゃねーっ!」
「英語じゃないっつーのっ!!スカタンって言うのはねっ・・・・
あんたみたいな抜け作の事を言うのよっ!」
「訳の分んねー事ばっか言うな!」
「はぁー・・・・・もう!あんたね、あんたは覚えてないかもしれないけど、
去年もあの二人に拉致られて、縛り上げられて、ここに閉じ込め
られたんだからっ!もうもうもう!何回おんなじ事されりゃ気が済むのよ!」
椅子の後ろに座り込んで、キツイ戒めを解く。
ああああもうこのロープったら!
団子結びすんなっ!
爪が痛くなってきたじゃないのよっ!
「知らねーよっ!!寝てたらいきなり縛りあげられたんだよっ!」

パラリ

ロープが緩んで長身が立ち上がる。
「くそっ!手錠までかけやがって!」
身体の前でまとめられた手首を、本物っぽい手錠が拘束している。
「手錠まではさすがに・・・」
と言ってから、気づいた。

『おうじさまをかいほうするカギなのよ』
絵夢ちゃんが言って、くれた小さな鍵。
あたしの首から下がっているのは。
多分この手錠のカギ。
ちら、と道明寺を横目で見る。
カギは、あるけど。
ここでこの野獣を解放しちゃったら・・・・
密室だし。
2人きりだし。

・・・・・・・・・・・・・・危険

あたしは急いで鍵を服の中にしまい込んだ。
ちょっと可哀想だけど、仕方ない。
あたしの身を守るためだし。
「ははははははは」
「・・・・・・・何でいきなり笑いだしてんだよ」
「えっ?やっ!こっ!困ったなと思って!もう笑うしかないって言うか、あ、あはははは」
我ながら怪しい・・・
「ふ~ん」
道明寺はすっと目を細め、こっちに屈みこんだ。
「ち、近いよ」
目の前に長い睫毛。
綺麗に弧を描く眉。
真っ黒な瞳。
う。
なんだってこんなに目つきが色っぽいのよ、コイツは。
男のくせに。
瞳に映るあたしは、明らかに動揺している。
ごくん。
緊張を飲み込んだ動きで、ほんの少しだけ顔が仰向いた。

ちゅっ

「なっ・・・・・!!!!!」
一瞬合わせられて、小さく音を立てた唇。
「なにすんのよ~~~~!!!!」
「お、スッゲ。真っ赤。ははははは」
「はははじゃねーっ!!!」
振り上げたコブシは、悔しい事に一瞬で捕まった。
そのまま左手も重ねて捕らわれる。
「は、はなっ、離してよっ!」
「カギよこしたらな」
ニヤニヤしながら見下ろす視線に固まる。
「持ってんだろ?」
「ももも持ってないよ?」
「ホントかよ」
「ホントだよ」
「へー」
道明寺が一歩前に出た。
押されて下がるあたし。
そのまま押されて押されて、気づいた時にはすぐ後ろがベッドだった。
相変わらずの、フリルてんこもり。

どうしよう。
この状況、すごくヤバくない?
ああ、でも道明寺は手が使えないから大丈夫かも?
隙を見て逃げ出して、あのお風呂場の窓から脱出すれば・・・
頭の中では忙しく、大脱走計画を立てていたのに。

くんっ

追い詰められてだんだんのけぞっていくあたしの足を、道明寺の長い足が引っ掛ける。
ボフン
「ぎゃあっ!!」
視界が反転してベッドに沈んだ。
「重いっ!重い重い重いってばっ!!バカっ!」
気付いた時には、両手は頭の上に押しつけられていて。
大きな身体がウエイトをかけて乗っかってきてて、正に手も足も出ない。

「出せよ、カギ」
耳を震わせる低い声に力が抜けた。
「ないったらないってば!もうっ!重い~~!!」
やっと絞り出した声は我ながら全然迫力がなかった。



***

すっっっっげぇ良くね?
この状況。

眠っていたところをいきなり押さえつけられて拉致られた上に、ロープで
縛られて手錠まで掛けられた時はマジであの2人をブッ殺すつもりだったが。

なかなかいい企画じゃん。

別にヘンな事したいわけじゃねぇ。
欲しいのは牧野と一緒の時間。
すぐにどっか逃げてく牧野が逃げらんねぇ、状況。
コイツと同じ場所に居てぇ。
それで、話しして。
でかい目に俺だけ映して。
俺の名前を呼ばせて。

好きだって言わせたい。

両手は手錠が掛かってるし?
活きのいい牧野の身体を押さえつけてるし?
自由になるのは口ぐらい。
ちゅっ
と、一瞬だけ合わせてすぐ離した。
「・・っやっぁ・・・」
ビクンと跳ねる身体を押さえつけて、唇から喉元へ。
「どいてよバカ!潰れちゃうっ!」
ぎゃあぎゃあ喚く唇を一回だけ、強く吸って文句を飲み込んだ。
「出さねーんなら勝手に探すからな」
さっき、ちらっと見えた喉元のチェーン。
わざと避けるように、シャツの裾を噛んでそのまま捲りあげる。
「やあああぁぁっ!!!やだっっっ!!!」
白くて柔らかそうな腹が見えて、そのまま顔を突っ込んだ。

ぷに、みたいな。
ぽにょ、みたいな。

「ははははは」
思わず笑った。
腹筋とか、全くなくねぇ?
死ぬほど柔らかくて、死ぬほどすべすべして。
すげぇ気持ちいい。
女ってみんなこーなのか?
「やだっ!やだってば!!」
自由がきかない身体をよじって必死に逃げようとするのを見てたら。

もっと苛めてやりたくなった。

跳ねる身体が、却ってシャツをずらすのを助けて、白いブラが現れる。
牧野はあられもなくぎゃあぎゃあと喚き、殆んどパニック。
「・・・っやあっ!出すから!出すからもうやめてっっ!やだっやだやだやだ!」
真っ赤になって半べそかいて。
「かわいい。牧野」
聞いてんだか聞いてねーんだか。
「ここだろ、カギ。取ってやるよ」
胸元からちらりと覗くチェーンを舌でひっかけて取るふりして。
チェーンに沿ってつ・・・と鎖骨を舐める。
「や・・・だっ」
ビクッと反応する身体。
「取れねーな」
チェーンごと、柔い肌を含んで吸い上げる。
「や・・・・やあっ・・・」
胸元に紅く印がつく。
俺のしるし。
笑った形のまま、もう一度くちづけた。

単純に、嬉しかった。
牧野の身体が俺のする事にひとつひとつ反応を返してくること。
可愛くて。
夢中になって。
ふざけすぎた。

「こわい」
ちいさく漏らされた言葉にさえ気付かねーで。
急に嗚咽が聞こえてびっくりした。
「やだ・・・こわい・・・こわい・・・」
見上げると、顔をくしゃくしゃにして牧野が泣いていた。

バカか俺。

青くなって、慌てて身体を離すが。
愛しい女は怖い、怖いと泣くばかり。
やべぇ、やりすぎた。
「ごめん」
ものすげぇ後悔と罪悪感と自己嫌悪で、死にたくなった。

「泣くなよ・・・」
どうしていいかわかんなくて、手錠がかかったままの両腕にすっぽり入れて、抱きしめた。
「ヤダってゆったじゃん・・・」
ぽろぽろ泣きながら、それでも気丈に睨んでくる。
潤んで、ありえねーくらいにキラキラした瞳。
「悪かったよ」
「絶対許さない」
う~、とか言いながら俺のシャツの胸元でごしごし涙を拭きやがって。
怒ってんのかよ。
それとも煽ってんのか?

天然女は俺にもたれかかってしばらくヒクヒクしていたが、いきなり顔をあげると
「離してよっ!!」
と、俺を突き飛ばした。
が。
俺の腕の中にいるんだから、俺が倒れりゃお前も一緒だろーが。
「ぎゃあぁぁっ!!」
今度は牧野が上になって、重なる。
「ははは、バーカ。言っとくけど、お前が押し倒したんだかんな」
笑い飛ばすと、うるさいっと怒鳴られた。
「起きなよ。もう、どっか行って、あっち行って」
するりと腕の中から抜け出して俺の手をひっぱる。
わざと力を抜くと
「うう~~~重いっ!」
必死で引っ張るのが可愛くて、また笑った。
勢いよく起き上がると、反動で牧野がひっくり返り、素っ頓狂な顔でベッドに沈む。
「・・・・・!・・・・・!」
おかしくて声も出ねー。

全く何でこいつは。

「くっくっく・・・お前と居ると笑いっぱなしだな。前もそうだったのか?」
「・・・怒りっぱなしだったよ、あんたは」
牧野がうつ伏せに転がって、頬杖つく。
ぷいとそっぽを向いてるわりに、笑ってんじゃねーか。
「いっつも怒ってばっかりで。乱暴だし、意地悪だし、バカだし」
「おい」
「自分勝手でワガママで自信過剰でオレ様で、もうサイアク」
「お・い!」
「最初はだい・だい・だい・大嫌いだったんだよ」
「そこから、だいだい大好きにさせたんだろ。さすが俺」
「ばっ、ばか。あんまりしつこいから、可哀想になっただけだもんっ!!」
「しつこい言うな」
「ははははは」

ケラケラ笑ってる呑気な顔を見ると、俺も嬉しくなる。
「なあ、何か、めちゃくちゃ好きなんだけど」
笑いながら言うと一瞬で茹であがって目が泳ぐ。
更に爆笑。
多分こんなに笑ったことねぇ。

「よし!もう寝ちまうか」
「ね、ねるっ!?」
「バカ、構えんな。なんもしねーよ」
「あんたのそれ、全然信用できない」
じとーっと横目で睨んできやがって、すげーブッサイク。
だけど。

・・・・それでも可愛いと思っちまう俺って、すでに末期。




19へ



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コメント
坊っちゃん・・
坊っちゃん記憶をなくす前は、純情くんだったのに・・・今は、西門・美作も真っ青エロイ、エロイでも、とばさんが書くとエロイ場面も憧れちゃう位、奇麗大好きです!!   坊っちゃんの手錠は、外れるのかな??やっぱり、とばさんには、癒されます。。リベンジ最高
2009/10/16(金) 12:00 | URL | カスミ #-[ 編集]
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2009/10/16(金) 12:02 | | #[ 編集]
逆襲するは 抜けぬけコンビにあり!
こんにちは!!e-446

スカタンに続くは、抜け作かい!
そんなつくしは、抜け子?抜け代?

とばさんワールド全開!を楽しみました。

抜け、抜けコンビの明日に未来はあるのか?

司坊ちゃんの記憶とつくしからの素直な愛が
取り戻せる日が来るのは、いつになるのやら…(素直は、ムリ?)

記憶めぐりの旅(?)もこいつらにかかると、遊び?暇つぶし?
総二郎、あきらへの逆襲はあるのか?

     では、、また・・・。e-463
2009/10/16(金) 15:45 | URL | magenta #-[ 編集]
つくしちゃんは、学習したのねぇ~
でも、手錠をはずさなかったのは 逆効果?

記憶の無い司は、エロに拍車がかかっちゃってるからねぇ~、エンジンすぐかかるし?暴走するし?

ま、ブレーキがすぐ かかるのは、依然と一緒だけどねぇ。
つくしちゃんの、態度が少し軟化したかなぁ?
とりあえず、逃げてないかも。

いい傾向!

もうヒトイキかなぁ~v-218
2009/10/16(金) 21:42 | URL | ちふゆ #-[ 編集]
カスミさま
ぐはe-449
ありがとうございます。嬉しいです。
手錠プレイ。←プレイかよっつーか逆だろう。
今回は、書いてて一番ニヤニヤしたのは、なぜかつくしのハラでした(笑)
ぽにょ


2009/10/16(金) 22:36 | URL | とば #-[ 編集]
いろはさま
度々のコメントありがとうございます。
つくしといると嬉しくて仕方がない坊ちゃんって・・・ステキ・・・ほぅe-266
あっ!だから毎回暴走するんでしょうか。
はしゃぎすぎなんだ!
うんうんうんうん←違うと思います。
2009/10/16(金) 22:43 | URL | とば #-[ 編集]
magentaさま
寸止め・ザ・ワールドですね?
止まる坊ちゃんスゴイですね紳士ですね。
はい、男子の事情はまったく考えておりません。キッパリ。
だって坊ちゃんが、ヘンなことしたいわけじゃねぇとか言いながらヘンなことばっかりするのがいけないんだと思うんです。責任転嫁。
2009/10/16(金) 22:53 | URL | とば #-[ 編集]
ちふゆさま
そそそんなにエロくは…
だって、ちゅーして舐めってマーキングいっこ、しかしてないし。
全然!
って、何を焦っているんだか。
2009/10/16(金) 23:04 | URL | とば #-[ 編集]
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