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つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

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リベンジ 14

陽のあたる非常階段。
隣には花沢類。
「あ~、平和だね~」
束の間の平和を貪るように、柵にもたれて弛緩する。
ぐんにゃり。

クックック・・・・
さっきから全然笑い止まない。
肩を震わせた花沢類がこっちを見る。
「『牧野と行く、思い出巡りツアー』ぷっ、くくく・・・はははははっ」
「ちょっと、笑いごとじゃない!一体何なのあいつは。昨日なんてね!
いきなりカナダに連れて行かれそうになったんだよ!その前はほら、別荘。
夏に行った南の。それからNYも。何なのよ、もう!いきなり海外なんて行けるかっつーの!」
「海外じゃなきゃいい訳?」
透明な瞳で、覗き込んでくる花沢類。

うあ

もう好きとかときめくとか考えるまでもなくなった花沢類だけど、不意打ちのこの視線は反則。
「そそそそういうことじゃなくて」
「くくくくくっ。海外はあんた、いい思い出ないもんね」
「や、そういう事でもなくてっ!」
死ぬとこだったカナダ。
アイツを悲しませたあのリゾート。
アイツに追い返されたNY。
ま、確かに。
いい思い出はない。
っていうか、アイツとのいい思い出って・・・あら出てこないじゃんよ。

「仕方ないじゃん。俺らの知ってるのってそれくらいだし。厭なら
司と牧野、2人しか知らない思い出の地でも行けば?」
「やだよ。大体何で思い出の地巡りとかしなきゃいけないんだか。あのアホが」
「あんたが頑固者だからでしょ」
呆れたように花沢類が頭をつつく。
「何が不満?」
「何って・・・」
「司、確かに牧野のこと忘れてるけど、また好きになったんじゃん。
牧野は何が不満なの。嬉しくないの?」
「・・・・・花沢類に言われるとは思わなかった」
「うん。俺はさ、司の事ずっと許せなかった。
あんたを死ぬほど泣かせてさ。ゴネて騒いで、俺から取ってったくせにって。
でもさ、牧野、司んち行ってから笑ってんだもん、全開で。悔しいけどさ、
牧野の一番いい顔引き出せるのってやっぱ司なんだよね」
「・・・そんなことないよ」
「牧野はさぁ」
俯いた顔を覗きこんでくる邪気のない瞳を避けようと、頭を巡らす。

「拗ねてるだけでしょ?」

にっこり、とか笑わないでよ。
視線がつかまって、図星を指されて、顔が熱くなった。
「違うよ」
「あんたの事忘れて、冷たくして、他の女とくっついてるとことか見せられて、拗ねてんだよね」
「違うっ!だって、もうアイツの事なんか好きじゃないしっ!」
「ははは、ヘンな顔っははっ」
「花沢類っ!!」
振り上げた拳をパシッと受け止められて、バランスを崩して倒れ込む。

ドサリ

倒れた花沢類に抱きつく形になって、甘える気持ちが顔を出す。
「・・・・・あたしはわかんないよ。自分の気持ち・・・・・どうしたらいいのかわかんない」
そのまま目を閉じる。
「重い牧野」
「うるさい。からかった罰」
一体どうして。
花沢類と過ごす時間はこんなに穏やかなんだろう。

この人は。

あたしをあったかいものでくるみ込んでしまうんだ。



ガチャ。
「うっわ~!お邪魔~?」
「シゲルさん・・・どっ!道明寺っ!!」
ガラス扉が大きく開いて、楽しそうな滋さんと陰のオーラを背負った道明寺が現れて。
「なぁにやってんだよ、てめぇらは」
地の底から湧きあがるような声で威嚇してくる。
「目ぇ離すと2人でいちゃいちゃいちゃいちゃ!あったまくんなぁ」
目がっ!
目が怖いんですけどっっ!!
「司にはカンケーないじゃん。牧野の彼氏でもあるまいし」
うわ、する~っと言っちゃう花沢類も大概・・・・。
素なのかケンカ売ってんのか微っ妙~・・・・・・。
アワアワしながら頭の中ではめまぐるしく思考が飛び交い、あたしはがばっと起き上がると
「どっ、どうしたの2人揃って」
慌てて話をそらした。
シゲルさんはパアッと笑って
「温泉行こうよ。ほら、4人で行った事あるじゃん。うちの別荘。類くん今日ヒマ?一緒に温泉行こ?」
「行く」
「花沢類っ!即答すんなッ!道明寺っ!あんたが言いだしたんでしょ!
シゲルさんまで巻き込んでんじゃないよっ!あたしは行かない。絶対行かないからね!」
「行くんだよてめーも」
まだ怒ってるのかひっくい声で唸るみたいに言う。
「てめぇと類のイチャコラ見てんのも限界だぜ。とっとと思いだして、ホントに俺の女にしてやる」
ツカツカ近づいてくると、地面にぺたんと座ったままだったあたしの腕を捕らえた。
「行くぞ」
「行・か・な・い!」
「シゴトだろ?お目付け役」
刺すような視線のままニヤリと笑う。

やなヤツ。
やなヤツやなヤツやなヤツっ!!!
もう、あったまきた!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・わかったよ」
どうせ言うこときかされるんなら。
「その代り、別荘行く前にあたしの行きたいところもつき合って」
「どこ」
「あんたとあたしの楽し~いメモリアルスポット」
にっこり、罠をかけた。



***

「牧野・・・・・・俺は今、すっげー後悔してる」
耳まで赤くなって。
頭を抱え込む男、一名。
ふ・ふ・ふ・ふ・ふ。
キャラメルパフェをつつきながら、シゲルさんと声を殺して笑う。
「る・・・・類くんは、あんま違和感ないのよ。くっくっくっく・・・・」
「ね?シゲルさん!すごいでしょ。この背景に道明寺!ぷぷぷぷぷぷ」
「ほんと!ご、合成写真みたい・・・」
「ね?ね?ぷ、ぷぷぷ・・あははは!」
「きゃはははは!」

壁にかかったドライフラワーとか。
カウンターに置かれたウサギのぬいぐるみとか。
チェックのランチョンマットとか。
ファンシーなことごとくが、道明寺とはミスマッチで。
そうだなぁ、例えるなら、お花畑の中のパワーショベル。

「ぶっ!お・・・可笑しい・・・あはははは」
「てめぇら!笑ってんじゃねぇっ!!」
「司、なんかスゴイ違和感。キモチ悪い」
「るせぇっ!早く出んぞ!さっさと喰えっ!」
真っ赤になってる道明寺が、何か可愛い。
ん?あたし今、うっかりヘンな事考えなかった?
可愛い?可愛いって?

ゲッ

ドキンと心臓が鳴って、それをごまかすように道明寺をからかった。
「いいのかな~?思い出のうさぎ屋なのに~」
「うさぎだかネズミだか知んねーが、恥ずかしすぎんだろっ!!ざけんなブス!
類、お前も何か言ってやれ!」
「俺、別にやじゃないけど。でも、これちょっと甘すぎじゃない?」
「ぜんぜんおいしいよね~?」
「ね~?」
シゲルさんとにっこり笑いあうと、ふてくされた道明寺がギロリと睨んできた。
「ほんとに2人で来たことあんのかよ」
「あるよ~?しかもあんたが誘ったんだよ~?」
あはははと笑うと
「なんだ司の趣味か」
ぽつりと呟く花沢類。
んな訳あるか~!と、怒鳴る道明寺。
ゲラゲラ笑うあたしとシゲルさん。
何て言うか・・・・。
楽しい。
とっても楽しい。


「あ~、美味しかった~。・・・ねぇ、ほんとに行くの?シゲルさんの別荘」
居心地悪そうな道明寺を横目にパフェを最後まで食べて、お店を出る。
お店の前にすでに車が横付けにされていて、道明寺はあたしが逃げない
ようにか手首をつかんで離さない。
「行く」
「あのさ、はっきり言ってあそこにはいい思い出とかないんだけど」
ねぇ?
と、シゲルさんを見ると
「私は大丈夫だよ」
と笑う。
「っていうか、行きたい。辛い思い出だからこそ、いい思い出で上書きしないと。
司の記憶の事は置いといてさ、一緒にご飯食べて一緒にお風呂入って
一緒に寝ようよ~。つくし~!」
そのままギュウウッと抱きつかれる。
「シゲルさん・・・」
なんでそんなにいい女なのよ~!
「シゲルさん、好きっ!大好き~っ!」
ギュウウッと抱き返すと涙が出そうになった。

「レズってんじゃねーよ」
とか言う道明寺は無視無視。
所詮このトーヘンボクに女子の気持ちなんかわかるまい。
ホワンとあったかくなった気分に浸っていたら。

「牧野と俺が一緒に寝るんじゃないの?」

「へ?な、何言ってんのよ花沢類」
「だって、前の再現すんでしょ。それなら俺と牧野が一緒の部屋だよ」
「花沢類!」
眉間に深いシワが寄り、凶悪な表情になってきた道明寺を横目で見ながら、
花沢類の口を塞ごうと手を伸ばす。
花沢類はそれをやんわり掴みながら爆弾を落とした。

「手、繋いで眠ったよね」

ドッカーンッ!!

「はなざわるいっっっ!!!!」
も~う~や~め~て~!!!!
「だってあの時は・・・ぎゃあぁぁぁ!!!」
後ろからウエストに手が掛けられ、すごい力で花沢類から引っぺがされた。
バフン!
そのまま車の中に放り投げられ、文句を言おうと起き上ったら。
ヒィィッッ!!!
ものすごいおっかない顔で睨まれて小さく隅に丸まった。



                15へ


0574.gif


コメント
お・ん・せ・ん❤
あぁ~~温泉!

司が、滋ちゃんにおそわれてた温泉だぁ~~
あの時は、本当にぃもうだめかなぁ・・って思ったもんね。
すれ違い?
するにもホドがある!

つくしが悪い!って思ったもん。
いぢっぱりでぇ。
滋もそのころは、ひっこんどれ!!とか思ってたなぁ。

手、つないでたねぇ。
いっそのこと今回は、司と類で手をつないで寝る・・・わきゃないかぁ~(;⌒▽⌒A

キモいこと考えちゃった・・・・

うさぎ屋さんの合成写真。
欲しい・・・
キャラメルパフェたべる、類が違和感無いっていうの
なんか納得ぅ!

で?ダレとダレが一緒になるの???
気になるぅ~~~
2009/10/11(日) 20:10 | URL | ちふゆ #-[ 編集]
心のオアシス
3日の連休更新はないのか…!待っていました。2話分も有難うございます。このところ疲れる仕事から帰ってPCに一番に座りこみケラケラ笑って、またにやにやしながら疲れを癒している私です。お忙しいと思いますが本当に楽しみにしておりますので宜しくお願い致しますね。
2009/10/11(日) 20:58 | URL | #-[ 編集]
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このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009/10/11(日) 22:47 | | #[ 編集]
ちふゆさま
ああ~。
私はあの頃は司が悪いっ、て思ってたんですよ~。
いくらつくしを諦める為とは言っても他の女とつき合うなんて~e-269
つくしも滋さんもかわいそう。
滋さんの特攻失敗した時は、よっしゃ!って思いましたが。
気になるのは、そのあとのシーン、類とつくしが布団の上でじゃれてる時、めっちゃバラ描いてありませんでした?
類×つく?
2009/10/12(月) 14:17 | URL | とば #-[ 編集]
Re: 心のオアシス
お仕事お疲れ様です!
そして、お疲れのところ、コメントまで頂いてありがとうございます。
連休ですね。旅行を計画してたんですけど、諸事情によりポシャってしまって、今このようにPCの前に座っております(泣)ははは。
楽しみにして下さっているとのお言葉、ホント嬉しいです。
頑張ります。
2009/10/12(月) 14:24 | URL | とば #-[ 編集]
いろはさま
4人相部屋、いいですね!
そしたら誰がつくしの横で寝るか壮絶なバトルが・・・
坊ちゃんと滋さんがめっちゃ闘っている横で、類がすーっと持っていきそうな気がします。

2009/10/12(月) 14:29 | URL | とば #-[ 編集]
こんばんは!!

厭がりながらも楽しんでるじゃない、つくし。

類と滋さんも入ってややこしい思いで巡り?

    では、また・・・。e-463
2009/10/12(月) 16:43 | URL | magenta #-[ 編集]
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