FC2ブログ

つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

リベンジ 10

そうだ、なかった事にしよう。

日付が変わる頃、やっと決まった対応策。
「告白なんてされてない。キスなんてされてない。あいつは立場が危うい
乱暴者のバカ坊ちゃん。あたしはそのお目付け役。オッケー!」
ひとりのベッドの上で親指立ててGoサインを出す。
「あ~これで眠れる」
ばたりとベッドに倒れ込んだ。

しかし・・・・
舌まで入れんなよ・・・
つき合ってた時だってそんなんされたことないよ。
さっきの暴挙を思い出して・・・
「う・・・うわわわわわ!!!」
顔から火が出そうになった。
やばい。
眠れないかも。
とか思ってもぐりこんだベッド。
やっぱりっていうかなんて言うか・・・そんなのいらない心配だった。

「いっそ見事だよね、この良眠体質」
う~ん、と伸びをして、自分の心の中を探る。
チュンチュン、とか聞こえてくる爽やかな朝。
「大丈夫、いける」
身支度を整えて、道明寺の部屋に向かった。
そ~っとドアを開けて中を覗くと
「あれ?」
ベッドには誰もいなくて、使った形跡もない。
「あれ?あれ?」
ずんずん中に入って行くと、いきなりバスルームのドアが開いて道明寺が出てきた。
「びっ・・・・・くりした・・・・寝なかったの」
「・・・あぁ」
「起きてるなら、あたし行くね。ははは、それじゃ、後で」
もうちょっとで逃げ出せそうなところで
「待てよ」
と声がかかった。
「返事しろ」
さあ、正念場。
「返事って何の?」
きょとんとして聞き返すと道明寺が、はぁー?って顔でこっちを見た。
「何のって俺が昨日お前に」
「いやー、何の事だかさっぱり。ははは」
笑いながらじりじりドアに向かって後ずさると、道明寺が凶悪な顔で
近づいてきて、あたしの腕を掴んだ。
「や、いたいいたいいたい」
「とぼける気かよ、この劇団ひまわりが」
すごい力で引っ張られてベッドに投げとばされた。

「・・・った・・」
起き上がろうとしたところに道明寺が覆いかぶさって。
押しのけようとした両手をベッドに押しつけられた。
「痛いって!何であんたはそんなに乱暴なのよ!!」
「てめぇが逃げっからだろタコ」
「返事なら昨日したじゃん。あたしはあんただけは好きにならない!」
「なんで」
「何でって・・・」
「別れた男のせーかよ」
「は?別れた男?」
「俺にそっくりだっつー。だから嫌なんだろ」
「???」
・・・わけわかんない。
一体どーなってるの?
「三条が」
その時、遠くから聞こえる涼やかな声に天使を見たような気持ちになった。
ひきつり笑いで。
思い切り、息を吸いこんで叫んだ。
「きゃあ、お姉さん、助けてー!!」


***

「よお司。・・・・ご機嫌悪し、ね」
ヒールをぶち込まれてまだズキズキと痛む頭を巡らせてみると、あきらが呑気にこっちに来る。
「よお、あきら。ダメだコイツ。朝から不機嫌MAX」
「牧野となんかあったかよ・・・・・睨むなって。ったく自覚した途端これかよ」
あきらが呆れたように肩をすくめる。
「っつーか牧野知らねぇ?コレ返さねーと」
と、昨日の弁当箱を揺らして見せる。

「知らねーな。類、知ってっか?」
振り返る総二郎に
「わかると思う」
類が携帯を取り出した。
「おい、なんだよ、それ」
「え?これはGPS携帯っていって」
「んなこと聞いてねえ!何で類が牧野の居場所チェックできるよーになってんだよ」
「俺が牧野に携帯やったから」
「なんで」
「川に捨てたから」
「はぁ?わっけわかんねー」
立ち上がった俺の前に、あきらが割って入った。
「類、お前の説明全然わかんねーよ」
類は、心外だ、みて―な顔してポツポツ言った。
「去年、牧野がオチてた時、また漁村とかに雲隠れするんじゃないかと思った」
「・・・漁村?」
「だから牧野の携帯、わざと川に落としてGPS付きを弁償した。どっか行っても見つけられるように」
「まあ、雲隠れっつっても、そっちの心配はあんまなかったけどな」
「半病人だったもんな」
「でも牧野の行動って予想外だからさ」
「・・・それも別れた男のせいかよ」
「・・・・・・・・・・・・まあな」
「で、牧野の居場所知りたいんだろ?高等部みたいだけど」
俺も行こーとか言って類が立ち上がる。
結局4人で向かった。
さっきまでのイライラに、今はムカムカも追加されてる。
っつーか何なんだよ!
類と牧野。
思い返せば最初から2人でくっついていちゃいちゃいちゃいちゃ・・・
ムカつくんだよ!!
俺の入るスキがねーじゃねーか!

前を歩く類の背中を見ながら、独り言みてぇに口から出た。
「類と牧野、つき合ってんのか」
あきらが律儀に答える。
「つき合っちゃいねーよ。牧野に言わせると、王子様で、オアシスで、
『あたしの一部』なんだそーだ」
「わっけわかんねーだろ?あんなベタこらこいて」
総二郎も入ってきた。
「もうヤッちまえって感じだよな」
ニヤニヤしてこっち見やがって。
「まったく処女の考えることはわかんねーな」
2人がゲラゲラ笑ってんのを横目で見ながら、イライラからちょっと浮上した。

そっか。
処女なのか。

そっか。

「つかさ、なんか顔崩れてる」
振り返った類に言われたが。


***

昼休み、待ち合わせした桜子に会いに高等部に行ったら。
なぜかシゲルさんと優紀も揃っていた。
「どーしたの?2人・・・」
「私が連絡したんです」
黙っていれば、トゲが隠れているなんてわかるまい。
花のような笑顔で桜子が言った。

「つくし~!」
「シゲルさ~ん!」
体当たりで抱きついてきたシゲルさんを、条件反射みたいに受け止める。
「FF4緊急集会!だよ!」
「へ?」
「みんなこっちこっち」
手招きについていくと、中庭の芝生に青いチェックの布が敷いてあって・・・・
「お弁当、いっぱいあるから」
バスケットからサンドウィッチを出して渡してくれる。
「・・・・シゲルさん・・・?」
「赤毛のアンっぽくない?」
「ぽいけど」
「まあ座りましょうよ」
桜子に促されて、メルヘンなランチの席に入り込んだ。

うふふ、あはは
「おいし~♡」
「優紀さん、もっと食べて」
「ありがとうございます。でも、お腹いっぱいかも」
「天気良くて良かったねぇ」
「そうだねぇ」
うふふ、あはは

「・・・・・じゃなくてー!!!!」
「わ!びっくりした」
「何ですか先輩、いきなり」
「やっばい、今、頭ん中やられてた」
頭の中でアンを追いだすと、ダイアナと一緒にくるくる回りながら出て行った。
うふふ退場。
「よし!あのね桜子、なごんでる場合じゃないのよ!あたしあんたに聞きたい事が」
「私もありますよ?」
あたしの話を遮って、桜子がちらりと色っぽい流し眼をくれた。
「道明寺さん、もう先輩に好きだって言いました?」
「!!!!」
「「ええぇー!!」」
驚くシゲルさんと優紀の声を聞きながら、あたしは金縛りにあったみたいに固まった。
「言ったみたいですね」
「な、なんなんなんなん」
「美作さんに聞いたんです。『司の奴、また牧野に惚れたらしい』ですって」
きひひひひ・・・
「・・・あんた、お嬢様がその笑いはやめなさいよ・・・」
「ねぇ、司、またつくしのこと好きになったの?」
「良かったね~、つくし~」
「や、そーじゃなくて!落ち着いて!落ち着いて、みんな!」
「お前が一番落ち着けよ」
いきなり後ろから聞こえた低い声に跳びあがった。

「何してんの?赤毛のアンごっこ?」
「イヤなごっこだな」
「あきらこーゆーの嫌いだよな」
「・・・ウンザリ」
我ながらぎこちなく振り返ると花沢類とばっちり目が合った。
「ぷっ、牧野、ロボットみたい」
「FF4の緊急集会だよ」
後ろからシゲルさんが言う。
「なんだよ、FF4って」
「へへー、ヒミツー」

あたしはと言えば振り返ったまま硬直してて、
「牧野、顔も面白いんだけど」
ぷに、っとほっぺを摘まんだ花沢類の手にやっと力が抜けた。
ああ、なごむ。
ふにゃっと笑って
「どうしたの、お揃いで」
って言ったら、美作さんが
「おう、牧野これ。昨日の弁当箱」
って放って寄こした。
「あぁ、ごめん。洗わせちゃったねぇ」
「いや、俺が洗ったわけじゃねーし」
なごやか~に会話していた後ろから。

ズゴゴゴゴゴゴゴ・・・・

って音が聞こえたような気がしてそっちを見ると、
・・・・真っ黒なオーラを背負った道明寺。
「ヒッ!」
思わず息をのむと、地獄からの使者は地の底から湧くような声で言った。
「全員揃ってんな。丁度いい。てめーら1時間後に俺んちに集合だ。拒否権は、ねえ」
そしてあたしの手を取って立たせると、そのまますごいスピードで歩きだした。
「ちょっとどこ行くのよ」
「帰んだよ」
「帰らないよ。大体みんなだって、午後授業とか講義とかあるんだから、いきなり呼ばれたって」
と振り返ると、皆が手を振りながら
「あとでなー」
とか言ってて。
「集合しちゃうのね・・・」
はぁー・・・
いったい何を始める気なんだか・・・
・・・・・バカ坊ちゃんめ。



              11へ




0574.gif


コメント
司 始動開始!
動き出したわねぇ~
つくし、ぼやぼやしてるとヾ(*~∀~*)ゞ

さすがの「お姉さん!」てのは、返し手が他には
ないけどね。

みんなを集めて、なにするんだろ??
すごい気になります!
2009/10/05(月) 22:41 | URL | ちふゆ #-[ 編集]
ちふゆさま
始動した坊ちゃんは、多分つくしにとっては迷惑なことばかりやらかすことでしょう・・・
ワガママオトコめ~~e-263
2009/10/06(火) 02:45 | URL | とば #-[ 編集]
なに?なに・なに???
こんばんオッハー!

ハタと思った。
この場合はホントのとこは両思いだからいいけど
でも気持ちがなきゃ、コクられたりせまられたり迷惑もいいとこだよね,坊ちゃん。
じゃなくてもハタ迷惑な人なのに・・・

つくしも記憶のない司はホントに厭?好きにならない?
実は微妙に揺れててそれでも好きかも、とか思ってるんじゃないの?
意地っ張りを封印して素直に認めるのはまだまだ遠いのかなぁ。

しかし、坊ちゃんみんなに召集かけて何するつもりだ?
何かやらかしてくれそうで楽しみです。。。と思うのは不謹慎かしら・・・

ーP・S-
椿お姉さま、いくら頑丈な司坊ちゃんでも
ハイヒールの踵はかなりエグイんじゃないでしょうかe-451

     では、また・・・。e-463
2009/10/06(火) 03:41 | URL | magenta #-[ 編集]
気になります
椿お姉さん、ヒールで蹴り入れたんですね・・・
つくしちゃん、司の必死さをスルーするの
記憶のない司は、強暴だから駄目?
召集を掛けて、これからどうするの??
次がワクワクドキドキです。
2009/10/06(火) 13:56 | URL | つゆかノエル #STO9711o[ 編集]
magentaさま
こんにちは。
すっごい早起きですか?magentaさま。または夜更かし。
・・・だって、叫び声を聞いてお姉さんが行ったらですよ?
つくしベッドに押さえつけられーの、坊ちゃんのしかかりーので。
ヒールOK!
しかし坊ちゃんムカついたからって押し倒すことないのにねぇ。
2009/10/06(火) 14:48 | URL | とば #-[ 編集]
つゆかノエルさま
度々のコメント、ありがとうございます。
じれったい2人ですが・・・まだ終わりません。
あと何回か、かかりそうです。
ぬるーい目で、見守ってやってくださいe-263
2009/10/06(火) 14:52 | URL | とば #-[ 編集]
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する