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つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

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リベンジ 9

牧野にしつこく弁当を勧められて、
仕方ねーから、いっこ喰った。
途端に。
覚えのある。
この懐かしい感じ。
全身の細胞が粟立つような、この感覚。
外界がシャットアウトされて、内に内に向かっていく。
1年前に考えて、考えて、考えて、わからなくて、結局日常に流された。
俺の失った記憶。

牧野の弁当・・・?

・・・なんでだ?

そのまま深く考えに沈んでいこうとしたら
「・・・さ・・・かさ・・・司っ!」
「・・・・・・あ?」
何度も呼んでたらしいあきらが、呆れたようにこっちを見る。
「なにボーっとしてんだよ。そんなに庶民弁当喰わされたんがショックかぁ?」
「お前そんな繊細なタマじゃねーだろ、はははは」
「うっせーな。考え事してたんだよ」
「何を」
「牧野の弁当だよ」
「まぁ、見たことねーもんばっかだけどな」
「そーじゃねぇ・・・なんか・・・懐かしーっつーか」
ぴたりと笑い声が止まった。

2人を見るとスゲー眉間に皺寄せてこっちを見てる。
「気のせいだろ」
あきらが不自然な明るさで言った。
総二郎はしばらく黙ってたが急に硬い声を出した。
「司、お前牧野のことどう思ってる」
「どどどどどうも思ってねぇよ」
「・・・・・惚れたな・・・・」
「・・・・・・わっかりやす・・・」
「惚れてねぇよ!」
2人が顔を見合わせて、これ見よがしにため息をついた。
「どこまでタイミングの悪りぃ男なんだよ」
「おせぇんだよ・・・」
「んだよ!別に好きじゃねーっつってんだろっ!!」
「好きじゃねーっつーならそれでいいけどな。つかさ、お前牧野を傷つけんなよ。
あいつ、どん底からやっと浮上したとこなんだからよ」
三条と同じよ―な事言いやがる。
「別れたって男のことかよ」
「別れた?誰に聞いた?」
「三条」
「・・・・・何つってた」
「なんで」
「いーから教えろ」
「・・・牧野が1年前まで俺とそっくりの男とつきあってたってよ。
そんで、その男と別れてからひでー状態だったって」
「・・・まあ、そーゆー事だ」
上滑りして聞こえるあきらの声。
「そっとしといてやれ。牧野の事は・・・」
「司」
総二郎が俺を睨んで言った。
「牧野は俺たちの仲間だ。何かあったら、俺は牧野を庇うからな」
「・・・ねーよ、なんも」

席を立ちながら、頭の中はいっぱいだった。
周りに大事に守られてる牧野。
邸にすぐになじんだ牧野。
時々見せる不思議な表情。
弁当の懐かしい感じ。
ずっと前から知り合いらしい、親友たち。

俺の、失った記憶。

パズルのピースみたいにバラバラな情報。
誰に聞きゃわかる?

「・・・・牧野か」


***

「椿お姉さんは?」
「ダンナの名代でパーティー」
「そっか、大変だねぇ」
相変わらず、喰ってる時はにこにこにこにこ。
さっきまで昼に追っかけまわしたことにギャーギャー文句言ってたくせに。
「単純な女」
「何か言った?」
「べつに」
「あんたにだけは言われたくないよ」
「聞こえてんじゃねーか」
「あはははは」
「なあ、メシ喰ったら俺の部屋に来い」
「ヤダ」
即答かよ。
「話あんだよ」
「あたしはない。あー、美味しかった、ごちそうさまでした~」
そのまま話をバッサリ切って、あっさり行っちまいやがった。
給仕していたタマが俺を覗きこんでニヤニヤした。
「坊ちゃんもっと上手に誘えないんですかね」
「うるせー!そんなんじゃねー!!」
ほんと頭にくる、あの女。


食事を終えて牧野の部屋まで来ると、中から音がする。
バサバサ、みてーな。
「おい、牧野」
ドアを開けて中に入ると、顔に枕が飛んできた。
「ぼぶっ!!」
「ノックもなしに女性の部屋に入るなっ!!」
「女性!どこに?」
大げさに驚いて見せたらマクラ第二・第三が豪速で飛んできた。
「何の用?あたし忙しいんだけど?」
「っつーか何してんの、お前」
「シーツ取り換えるの」
「なんでお前が。んなのメイドにやらせろよ」
「前も言ったでしょ。できることはやりたいの」
一抱えもあるリネン類を持ってこっちに来るが
「おい、それあぶね・・」
ビタン。
「ぎゃっ!」
「だいじょーぶかよ」
シーツを踏みつけて転んだ牧野を助け起こしながら、我慢できずにゲラゲラ笑った。

笑える。
リネンを抱えて、前が見えねーくらいになってたこいつも。
しっかりしてます、みて―な顔してガキみてえにコケるとこも。
でも一番は
「顔から転んだのに鼻よりデコぶつけたんか、ははははは」
「うるさーい!笑うな!!」
額をさすりながら起き上った牧野を指さして笑って。
もうつき合ってられないとか言って、部屋を出てった牧野を追っかけた。

・・・・また前見えてねーし。
しょーがねーな。
追いついて牧野からリネンを取り上げる。
ふわりと甘い香りがして何とも言えねぇ気分になる。
っつーか、直接嗅いでみてぇ。
返して返してとリネンを引っ張る牧野を軽くあしらって
「どこ持ってくんだよ、これ」
「ランドリーだよ」
「こっちが近い」
すれ違うメイドが目ん玉ひんむいてこっちを見てた。

「えーと、予洗いなしの、ソフト洗浄12分。すすぎ2回の脱水5分。よし」
「なんの呪文だよ」
「っていうかこんなとこまでついてきて、なんの用よ」
「こんなとこってのは賛成。ランドリー入るのなんて10年ぶりぐれぇか」
「入ったことあるの?へー」
「小学生の頃、あいつらと全部探検した」
「へー、何日かかった?」
「遊びながらだから一週間ぐれぇかな。隠し部屋みてぇなとこもあった」
「一週間!すごいね。うちだったら1分で済んじゃうよ」
笑いながら椅子に腰かける。
俺もそうしたら、あんたまだ居るつもりなのと言われた。
「お前ぐらいだ、俺にそんな口きくのは」
「フツーでしょ?」
「ふざけんな」

「なあ、この音眠くなんねぇ?」
「洗濯機の音?初めて聞いたんじゃないの?あ、そーだ。今のうちに
新しいシーツ掛けとこう。じゃーねー、また明日―」
立ちあがって出てった牧野をまた追っかけた。

「ちょっと、ストーカーじゃないんだから、ずっとついてこないでくれる?」
「今度はどこ行くんだよ」
「リネン室」
「ふーん・・・・お前さぁ、もしかして俺から逃げてね?」
「べべべつに?」
「・・・避けてるよな」
「ささ避けてなんかないよ。そう思うとしたら、あんたに何かやましい事があるんじゃないのっ?」
「まあ、あるけどよ」
二ヤッと笑ってやったらスゲー勢いで俺を振り返って、ついでに壁に激突した。
ありえねー。
何でこんなおもしれーんだ、牧野。

シーツ持って戻って、鼻先でドアを閉められそーになったのをこじ開けて入り込んだ牧野の部屋。
「ドア閉めろよ」
「バカ、あんたなんかと2人きりになれるか・・って勝手に閉めないでよ!」
「大丈夫だ、俺は紳士だから」
盛大にため息つくんじゃねーよ!
ったく可愛くねぇな。
「まあいいや、せっかくだから手伝ってもらお。はいこっち持って」
「は?」
強引にシーツの端っこ持たされて、はい伸ばしてーベッド持ち上げてー
くるんでーそこ三角に折ってーなんて勢いに呑まれて言うこと聞いちまったけど
「おいこら、何させてんだよ!」
「あ、気づいた?」
あははと笑った顔を見たら何か苦しくなって


溢れ出た。




「お前が好きだ」




数秒の沈黙の後。

ぼたりとマクラの落ちる音。
顔中目になったぐれぇに見開かれた眼。
ポカンと開いた口。

「ハトが豆喰ったみて―な顔すんじゃねーよ」
「いや、ハトが豆喰うのは普通だし・・・」

「俺はお前が好きだ」
固まったままの牧野の前に立って、そっと抱きしめ・・・ようとした腕は空を掴んだ。
「?」
下を見ると、しゃがみこんだ牧野が小動物の動きで逃げだすところだった。
「おい」
「ひぃっ!!」
「てめなんだその態度は」
「あんたこそ何いきなり抱きつこうとしてんのよ!」
「いーじゃねーか」
「いいわけあるかっ!」
バタバタと騒ぐ牧野を部屋の隅っこに追い詰めて俺も低くなる。
この俺様がほぼ四つん這いなんて、ありえねー事になってるが。
「牧野、キスしよ」
「やだ、絶対やだ」
唇を押さえている手を外そうと引っ張ると、顔も一緒に付いてきた。
往生際がわりぃな。

「いやだって言ってるでしょ!あたしはあんたが遊んでるよ―な女の人とは違うんだから!」
「好きな男にしかキスさせねーんだろ?」
無理やり手を引き剥がして、やっと見えた。くちびる。
「俺を好きになれ。したら問題ねぇ」
ぶつけるみたいにあわせる。
「や・・んんー!!なん」
まだ文句を言ってる唇を交互に強く吸えば、きゅーみたいなちゅーみたいな音がして、
ああだからチューって言うのか。
とか考えてる余裕もそのうちなくなった。

信じられねーくらい気持ちいい。
っつーか良すぎ。
他の女のナメクジみたいな感触と全く違う。
ぷにぷにと柔らかいぬくもり。
ちっとも観念しない牧野を拘束しながら繰り返し合わせる。
舌も入れてねぇのに、すげぇ興奮する。
と思ったら、我慢できなくなった。
中も味わいてぇ。

口を開けと舌で合図すると、頑固な女は一層唇を固く閉じ、暴れ出した。
いつまで嫌がってんだこいつは。
これじゃ俺が無理矢理・・・やってんだけどよ。
「牧野、口開けろ」
キスの合間に言うと、案の定でけぇ声で
「ふざけんな、バカ男!」
と、言い返してきて思うツボ。
暴言の隙間から舌をするりと差し入れた。
「んんんんんん~~!!!!!」

あまい。
あまくてあったかくてやわらかい。
頭の中が痺れるくらい気持ちいい。
やべ。
とまんね。
牧野の舌を引きずり出して吸った。
絡んだ唾液を喉を鳴らして飲みこんだらもっと興奮した。
夢中で舌をこすりつけた。

逃げた牧野の舌を追いかけて、入っていく。
陶然としてた意識が急に危険を感じて、舌を引っ込めた。
途端に。
ガチン!
「・・・・・・っぶねー・・・」
噛み切られるとこだった。
「マジで野生動物かお前は」
唖然として顔を見ると、殺されるぐれぇの勢いで睨んでて。
その、見開いた眼がきらきら光りだしたと思ったら、あとからあとからぽろぽろぽろぽろ
涙をこぼし始めた。
「う・う~うう・うう~・・・」
「・・・そんなにイヤかよ」
「イヤに決まってんじゃん」
牧野が壁にもたれて立ち上がった。

「出てって」

言った声は静かで、蹴りかパンチに備えて身構えていた俺は驚いて見上げた。
すげぇ辛そうな顔で、牧野が立ってた。
「あたしは、あんただけは好きにならない」


「出てって」




言うことをきくしかなかった。



          10へ



0574.gif



コメント
告白の影響
こんばんは!!e-350

司坊ちゃん、溢れる想いでとめられずに告白
やったねと思ったら、一気にディープキスはやりすぎた。
つくしには、告白だけでも驚きだったろうに・・・

やっぱり、司は司でも記憶のない司じゃ駄目なんだろう
ね。2人で重ねてきた時間を否定することになるから?
これから新しい時間を重ねていけばいい、とは思えない…かな?
傷ついた(?)つくしは司との距離を益々、空けるかな。

司のパズルのピースが合うのはいつになる?
まだ掛かるのかなぁ

これからどうなる?
司、ここで怯んで撤退しないよね、俺様だもん


     では、また・・・。e-463
2009/10/04(日) 21:36 | URL | magenta #-[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009/10/04(日) 21:44 | | #[ 編集]
いっちゃった・・・
司、言っちゃったねぇ・・・
好きだって。
うっかり、こぼれちゃったかぁ。
元々、好きすぎてたんだもんね。
口を思いっきり絞って、閉じてていたから
うっかり開いたらこぼれちゃうよねぇ・・・

でもって、行っちゃったかぁ。
イキナリキスは、ヤバいでしょう。
段階ってものふまないと。
キモチいいからって・・・ダメだよぉ~
せっかく、桜子たちから言われてたのにぃ。

本能まっ直線だから、しょうがないとは思うけど。

さ、ここからリベンジだわね。
がんばれ、司!
キモチいいキスができる相手は、この世につくしちゃんだけだよ!

ドジでしょうがないトコも可愛くてしょうがないでしょう?
ずっと見てたいでしょう?

がんばれぇ~~

2009/10/04(日) 22:51 | URL | ちふゆ #-[ 編集]
まとめちゃってすいません
ちふゆさま
いろはさま
magenntaさま
つゆかノエルさま
コメントたいへんありがとうございます~!
つくしのことを虐めて非難GO!GO!だった坊ちゃんも皆さんに許していただけた気配。
キャラ変わってるしね(笑)
もうつくしが泣かないといいなと思います。
2009/10/05(月) 14:46 | URL | とば #-[ 編集]
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