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つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

リベンジ 5

昨日牧野が帰ったあと、全員が刺々しい視線で睨んできて、それに
キレて帰って来て不貞寝した翌朝。
俺は、セキュリティー万全のはずの自分の家で、殺されそうなハメに陥った。



息が・・・
息ができねぇ!
苦しくてもがくと顔に押しつけられた枕に触り。
引っ掴んで脇に投げ捨て酸素を貪る。
「てめぇ!!何しやがる!!」
「あ、おはよー!」
「牧野!てめ、俺をコロス気か!花畑見えたぞ、今!」
「だって全然起きないんだもん。死んでんのかと思って」
「むしろ死ぬとこだったんだよ、今!てめぇのせーで!」
ギリギリ睨んだ俺の視線を軽くスル―して、牧野は枕を拾い上げて放って寄こした。
「今日からアタシが起こしに来ることになったから、死にたくなかったら声かけたら起きてよ?」
そのまま窓を開けに行って掃除を始める。
「は?なんでお前が起こしに来るんだよ、ヤラシイな。そんなに俺の寝顔が見たいか」
「アホ。あんたが凶暴だから皆さん困ってんの!お掃除だって
死ぬ思いで来てるんだってよ?だから、今日からしばらくはあたしが来る
から。明日からちゃんとパジャマ着て寝てよね」
「・・・・素っ裸で寝といてやる・・・」
「それ変態じゃん」

強張った身体を伸ばして欠伸をする。
牧野が真っ赤になって、何か着てよと昨日脱ぎ捨てたシャツを放ってくる。
だんだん覚醒してきた身体にシャツを羽織って、動きまわる牧野を見た。
「お前、昨日どうしたんだよ」
ほんの軽い気持ちで聞いただけなのに、牧野の動きが止まった。
「・・・・・・・・・・別に」
その硬い声に違和感を感じて
「おい」
と呼ぶとこっちを見る。
俺を見た牧野の目はまるで鏡みたいに見えて。
何にもねぇ。
いつもあれだけ感情だだ漏れのくせに、まるでガラス玉みてぇに。
・・・・・・・・・・・なんだ?
何かおかしい。

「お前、そんなメイドの仕事とかすんな。使用人でもあるまいし」
違和感をごまかすように言ってやると、掃除にもどった牧野が手を止めずに答える。
「だって、何かさせてもらわないと落ち着かなくて。あんたの補佐役
ったって大したことしてる訳じゃないしさ・・・あれよ。貧乏」
「暇つぶし」
受けて答えてやった俺を見て、キョトンとして。
ガラス玉みてぇだった目が力を取り戻し。
それからけらけら笑いだしやがった。
「暇つぶし・・・暇つぶしてどーすんのよ!あははは・・・変わらない!
変わらないよねー、あははははは・・・」
何がおかしいんだと凄もうとしたが、初めての全開の笑顔を見たら

心臓がどくんと鳴った。
何だ、こいつ、今日なんか可愛くねーか?

「そーやって笑ってると、ブサイクでもまだ見れんな」
急に込み上げてきた、『カワイイ』なんてありえねー感情をごまかすように憎まれ口を叩く。
牧野がピクリと反応して
「は?いーよ別に無理して見なくても」
と、ぷっと膨れる。
「いつもの仏頂面はどーしたよ?」
「・・・そんな顔してないよ」
「嘘つけ俺だけサベツしてるくせに」
「差別じゃないよ。区別してるんだよ」
そういって上目づかいに笑った顔っつったら!

やべぇ。
なんかオカシイ俺。
コイツに触りたくてたまんねぇ。
突如湧いてきた感情に困惑しながら、シャワーブースに逃げ込んだ。





「会社、何時に行くの?」
朝メシ喰いながらニコニコして牧野が言う。
今日からコイツも一緒に出社するらしい。
俺がシゴトやらされてる間、西田の補佐するって言ってた。
「お前、何か喰ってるときが一番機嫌いいなぁ」
「何時に行くのって!」
「9時」
「わかった」
俺との話を切り上げて、ブロッコリー大好きーとか、このパン美味しいーとか騒ぎながら
メシ喰ってる牧野を眺める。
さっき間違って可愛いとか思っちまったせいなのか。
やっぱり可愛い。
さっきより可愛い。
どんどん可愛い。

・・・・なんか病気か?
ありえねーだろ。
この俺様が女なんかを可愛いと思うなんて。
しかも牧野だぞ?
乱暴で生意気で気が強くて短気でガサツでブサイクで。
俺に反抗ばっかりして
無駄に元気で陽気で威勢が良くて
一生懸命で・・・って何か違う方向に行ってんじゃんかよ!
焦って視線をあげたら、タマのしわくちゃな顔と目が合った。
「坊ちゃん何をニヤニヤしてるんですか。会社に遅れますよ」
「あ?ああ・・・牧野は?」
「とっくに部屋に戻りました」



スーツに着替えて牧野に内線をかける。
「出るぞ」
「うん、今行く」
車に乗ろうとしてると、牧野も出てきた。
「わ、スーツ着てる。大人っぽい」
なんて言うコイツの方が。
女らしい、きれいなラインのスーツに髪を緩くアップにして。
化粧もしてんのか。
ちらちら見える白いうなじとか、つやつやした唇とか。
・・・ったく何なんだよ今日に限って次から次へと!!
あったまくんなぁ!
俺を動揺させる牧野が憎いような気持ちになってくる。
「椿お姉さんが用意してくれたんだって、スーツとか。ねぇ、おかしくない?変じゃない?」
「・・・・別に」
「何?ヘンなの?どこ?どこが変?」
「るせぇな!ヘンじゃねぇよ!」
「ちょっと何でそんな怒ってんの!もう!わっけわかんない!」
「いいから乗れ早く、ほら」
牧野を車に押し込んで社に向かった。



***

何だか最近道明寺の様子がおかしい。
ヒトの事じろじろ見てたりとか。
急に怒りだしたりとか。
ぼーっとしてたりとか。
凶暴なのがおさまってるのはいいんだけど。
・・・なんかキモチ悪い。
大学に入学前の春休みで、一日中ずーっと一緒だから。
・・・すごく気持ち悪い。
でも今日は日曜日。
会社はお休みの日曜日。
椿お姉さんも帰ってくる日曜日。
うーんと伸びをしてベッドから降りた。


「道明寺、朝だよ。起きて」
3回繰り返す。
4回目はない。
そーっと枕を一つ取って、ベッドに上がり、今日もまた繰り返す。
寝起きの悪いコイツが一発で目覚める儀式。

ふ、ふ、ふ。

そーっとそーっと、近くに寄って・・・
「ひゃああああぁぁぁぁっっ!!!」
いきなり両手を掴まれてぐいっと引っ張られた。
「毎朝やられっぱなしだと思うな!」
ベッドに引きずり上げられ、うつ伏せに転がされる。
「やだっ!卑怯者!起きてたんなら言いなさいよ、離せえぇぇぇ!!!」
「ばーか、離すか。毎朝、臨死体験する俺様の身にもなれ!」
「あんたが起きないからでしょー!!!やあだー!!!ぐえっ」
暴れるあたしをベッドにハリツケにして、上に道明寺が乗っかってきた。
「重い!おもいおもい重い!潰れちゃうっ!」
「そうか?お前とそんなに変わんねーだろ?」
「んな訳あるかぁー!!」
「謝ったらどいてやる。それと明日から普通に起こしたら」
「普通に起こしても起きないくせにっ!もう!どーいーてーよー!!!」
「やだね」
多分道明寺は嬉しそうにニヤニヤしてるはず。
前からヒトに意地悪する時はイキイキしてるヤツだったもん。
生まれついてのいじめっ子。・・・・なんて事が分かってもどうしようもないけど。
どうしても逃れられなくて、力尽きてベッドに頭を落とした。
「もう暴れねーの?」
憎たらしい道明寺の声を聞きながら。

「重いよー・・・うぇー・・・」
泣き落としに移行しようと声を出したら、うなじに。
あたたかい、やわらかい感触。
・・・なに?
見当がつかなくて固まってたら、

ちゅ。

とか聞こえて。

「・・・・・ぎゃあああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!」




危険を察知したのか。
枕を押しあてられる前に目が覚めて。
反射的に手を掴んでぐいっと引いた。
ほんの軽く引っ張っただけなのに
「ひゃあああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
と奇声をあげた牧野が転がり込んできた。
「毎朝やられっぱなしだと思うな!」
一回懲らしめてやろうと、うつ伏せに押さえつけた。
逃れようと大騒ぎしてるのを余裕で拘束して、体重をかけて乗っかる。
他人と接触するのを厭う本能が拒否するかと思ったが、何ともなかった。
多分、ずっと一緒にいて慣れたせいもあるが、
こいつの、女を感じさせねー雰囲気も。
クッ・・・・・。
だって牧野だぜ?
胸もねぇ尻もねぇ、薄っぺらい身体のこの女。
女を押し倒すっつーより電気スタンドに乗っかってるようなこの感覚。
おかしくなって低く笑った。
身体の下の牧野は、重いとか苦しいとか文句を言っているが、そのうち力尽きたのか大人しくなった。
途端に身体がくにゃっとなって、俺の身体にぴったりと添ってくる。
・・・不思議な感覚。

押さえつけた両手は細く細く、これ以上少しでも力を加えたら折れちまいそうで。
柔らかい身体は俺にすっぽりと隠れるくらい小さく。
急に心臓が騒ぎだした。
ドクドクとうるさいくらいに脈を打ち、息が苦しくなるほどに。
「もう暴れねーの?」
落ち着かねー気持ちで挑発したら、目の前に白く細い牧野の首。
緩くあげた髪の隙間からちらちら見える度に、目が離せなかった。
それが今目の前にあって。

・・・・・喰いつきてぇ。

ちょっと待てとさすがに自分でつっこんだ。
変態だろ、それ。

それでも物苦しいような気分が抑えられず
何してるのか自分でもわからず、身体が勝手に動く。

ちゅ

本当は喰いつきたいそこに、
軽く吸いついたら小さく鳴って。

びくんとしなる身体。
うっすら色づくうなじ。
ぎゅっと握りしめた両手。
そして

「ぎゃああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

「痛てえっ!!!」
濁音の叫びと共に牧野が思い切りのけぞって、頭突きをかましてきて、
俺は牧野の身体から転がりおちた。
慌てて逃げ出す牧野を大声で笑いながら。

思った。

もっと触れたいと。





・・・・・・・ちょっと待て

「・・・・・・・・ありえねぇ」




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コメント
本能全開?
いきなりベクトルがつくしちゃんに向かいだしましたねぇ~
相変わらず、イキナリの坊ちゃんだこと・・・

今回は、蹴りいれられなくてもホレたか?

ま、細胞のすみずみまでつくしちゃんが行き届いてるハズだから。
時間の問題だったか・・・

っていうか昨日のオンナのことはスッカリ忘れてる?
さすがだ・・・司くん。
君の脳みそっていうのには、興味がないモンは
カケラも残らないらしい。
おねーさんは、安心したわ♪

よしよし、ついでだからツッコミ入れてる間に
襲っちゃえぇ~
っていうか・・・椿さんがくるなら・・・
寸止め?再現かしら?

ウフフフフ~
ボコボコにされちゃいなさい。
昨日のこと、忘れててもやっぱり ボコられといてもらわないと?
反省しないと、つくしちゃんには触らせられないと思うのですが??
いかがでしょう?
2009/09/29(火) 10:54 | URL | ちふゆ #-[ 編集]
椿さん登場で、もっと楽しくなる~?
こんにちは!!e-266

ちふゆさんにおばちゃん、賛成票10あげちゃう!!

最初の司の死にそうなとこで、椿さんが早速来てくれたと思ったらこれからだったのね。

記憶がなくてもだんだん、もっと、つくしに惹かれてe-272、嵌ってく司の様子が楽しみだワ!
「ありえねぇだろう」じゃなくて、大いにあり得るのだぞ!!坊ちゃん。
……その前に椿さまからの制裁を。。。(こればっか!テヘッ)

司の気持ちの変化に、つくしは逆に複雑な心境?
鈍感女だから気づかない?

    では、また・・・。e-463
2009/09/29(火) 13:03 | URL | magenta #-[ 編集]
ちふゆさま・magentaさま
お二人の額のアオスジが目に浮かぶようでございます・・・e-286
いえ、坊ちゃん怒られて当然ですが。
バカはバカでも早くつくしバカになるといいなと思います。
そしてところ構わずベタベタしようとしてつくしに迷惑がられて2,3発入れられればいいと思います。
2009/09/29(火) 16:01 | URL | とば #-[ 編集]
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2009/09/29(火) 16:10 | | #[ 編集]
いろはさま
こんばんは。
コメントありがとうございます。
やっと暗い所から抜け出せてほっとしております。
危ない危ない。あのままじゃ類×つくになっちゃうところでした。
あとは坊ちゃん、頑張れ~!
2009/09/29(火) 22:07 | URL | とば #-[ 編集]
つくしの・・
やっとつくしの魅力?に気づいた司
本能で、早く記憶が戻ればいいなーと思ってしまいました。
記憶はなくても、細胞でつくしを感じて
追っかけるのかな
次はつくしに押しまくるのかな
次が楽しみです
2009/09/30(水) 00:08 | URL | つゆかノエル #STO9711o[ 編集]
つゆかノエルさま
坊ちゃん戸惑っております。
つくしは何か吹っ切れたようです←つか、ちゃんと書け。
坊ちゃんが早くつくしに夢中になりますように。
2009/09/30(水) 00:38 | URL | とば #-[ 編集]
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2009/09/30(水) 14:40 | | #[ 編集]
いろはさま
こんにちは。
コメント、ありがとうございます。
桜子のチクリチクリとしたイヤミにお気づきいただけたでしょうか。
ちなみに坊ちゃんは全く気付いていませんe-420e-420
嫌がらせでキスしてやろうか(やろうかですよっ!)なんて言う人は蹴り入れられてトーゼン。
悶絶するがよい。
2009/09/30(水) 15:37 | URL | とば #-[ 編集]
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