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つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

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リベンジ4

卒業を明日に控えた日。
『牧野、明日プロム出ねーんだって?』
どこから聞いたのか、美作さんから電話がきた。
「うん、出ないよ。ほんとは卒業式の後、家族で旅行に行くはず
だったんだけど、パパ達いなくなっちゃったからなー。あははは」
『ホントついてねー女だよな、お前って』
「ついてないって・・・・あたしに起きる悪い事って、半分以上
道明寺のせいだと思うんだけど、どう思う?」
『はははは!そのとーり!』
ひとしきり笑うと美作さんは
『予定ないんならさ、俺らで卒業祝いしてやるよ。ほら、優紀ちゃんも一緒に』
「え~?いいよ~!!」
『もう店予約した。ムーディーだぞ』
「あははは!あのメンバーでムーディーでも意味ないし!」
『司にも電話しとくから。一緒に来いよ!お目付け役!司が暴れないよーに見張ってなきゃな』
「もう!・・・・・・ありがと」
『おう、じゃ明日な』


明日は卒業式。
ほとんどが大学に持ちあがりだから、あんまり感慨ないけど。
ホントは卒業式の後、制服とかソッコー燃やしてやるつもりだった。
勝った!みたいな。
腐った世界からの脱出を、結構楽しみにしてたんだけど、こんなハメになっちゃって。
・・・・・・・。
非常階段が遠くなるのはちょっと不便かもな
・・・っていつまであそこに通うつもりなんだか、アタシ。
いろんな事があった高校生活・・・。
まあいろいろ思うところもあるけど。
あしたは笑って卒業しよう。



***

「それでは牧野と優紀ちゃんの卒業を祝って」
「「「「「かんぱーい!!!!!」」」」」
グラスの触れ合う音が響いて、宴が始まる。

「つくしー!おめでとー!!」
「シゲルさーん!ありがとー!!」
がしっ!
「そこ!怪しいから!」
「いいもんねー?」
「ねー?って、桜子はプロム出なかったの?楽しみにしてたじゃん」
「だって、F4も来ない、先輩も来ないって言ったら青池さんと
2人きりなんですよ?一体、私にどうしろと?」
「ぷっ・・・た、確かに・・・あははは」
「でもおかげで全員集合!久しぶりだねぇ!」
「つくしは今、道明寺さんのところにいるんでしょ?その・・・・大丈夫?」
優紀が心配そうに言って、桜子とシゲルさんもじっとあたしを見る。
「だいじょーぶ!!あたしね、今日、卒業式でずっと考えてたんだ。
シゲルさんや、桜子や、優紀みたいになりたいって。
皆さ、自分の想いが叶わなくても、好きな人の幸せだけ考えて頑張ってたじゃない?
あたしもそうならなきゃいけないって!
あたしの事、忘れちゃったって言ってもま、元カノのよしみでさ。
もう一回、真人間に叩き直してやる!・・・まだ、アイツと居るとちょっと
辛いけど、今まで逃げてたバチが当たってるんだと思う。乗り越えられるように頑張るよ!」
「つくし・・・」
「先輩・・・」
「よし!応援するね!頑張ろう!FF4として!」
「シゲルさん・・・FF4ってなに?」
「え?『F4にふられた4人組』の事だけど」
「そんなのやだー!!あはははっ」
「あたしもちょっと・・・」
「滋さんセンスなさすぎです。でもそういえば全員F4の誰かに振られたんでしたね~」
「あたしなんて、花沢類と道明寺、ダブルだよ」
「あははははは」

けらけら笑って、騒いで、すごく楽しかった。
笑いすぎの涙を拭いていると
「げ、あいつ何考えてんだ」
押し殺した美作さんの声が聞こえた。
他は気付かない、その目線をそっと追うと

お店の隅の暗がりに立つ、くるくる頭と
その首にぶら下がるように長い髪の女の人が

キスしていた

どくんと、胸の中で心臓が膨れ上がって、血を噴き出し始める
どくん・・どくん・・どくん・・。
「・・・・・・った・・・」
痛い。
 すごく痛い。

「どうしたの?つくし」
「え・・・?な・・・でもないよ」
「真っ青だよ?」
「ちょっと・・・・つかさ・・・」
「うわ・・あのばか!」

見つかってしまった。
見つかってしまった。
気を使わせてしまう。
だいじょーぶだよって、笑いたいのに、上手く笑えない。

「・・・・んだよ・・・」
戻ってきた道明寺が、訝しげに尋ねる。

中学の時、遊びでそーゆー事をしてたって本人から聞いたことがある。
つまりはそういうこと。
元に戻っただけのこと。

自分が嫌になる。
乗り越えられるように頑張るよ、なんて言った矢先にこんなに動揺しちゃって。
ほんと薄っぺらい決心。

心臓が痛い。

『つくし!カサブタっていうのはね、治ったわけじゃないの!
中はまだ傷なんだから、剥がしたらだめよ!また血が出るわよ!』
そうだね、ママ。
小さい頃叱られたママの声を思いだす。
心の傷もおんなじなんだね。
だってこんなにドクドクと血を流している。
「つくし・・・・」
「先輩・・・」
「ごめ・・・・ごめん・・・しんぱい・・・かけ・・・」
顔があげられないあたしの肩を、誰かが優しく抱いた。
馴染んだ感触に、ふっと身体の力が抜ける。
「俺が連れて帰る」
「花沢さん・・・・」

「なに。そいつどうしたんだよ」
聞いてくる道明寺に花沢類は
「お前の馬鹿さ加減にあてられたんだよ」
と返して、なんだとっ、とキレる声を後ろにお店を出た。

「ごめんね、花沢類」
「別に。俺ももう眠かったし」
「触っていい?」
「どーぞ」
腕にぎゅうっとつかまって顔を埋める。
目が熱い。

「あの時さ、あれだけ泣いたから、10年分の涙使いきったと思ってた」
「そう上手くはいかないでしょ」
「やだなぁ、あたし。前向きに行こうって、今日決心したばっかりなんだよ」
「牧野はちゃんと前向いてるよ。大丈夫。司がアホすぎるのが悪い」
花沢類の静かな声と、車の振動が気持ち良くて落ち着いてくる。
「ごめんね、こんなの、今日で終わりにするから」
「謝んなくていいよ。それに我慢しなくていいし。あんたは自分のやりたいようにやりなよ」
「・・・花沢類は甘やかしすぎだよ」

泣ける場所が用意されているからこそ。
もう、泣かない。
泣いたら前に進めないから。

「帰るね」
「俺のウチ、来てもいいよ?」
「ううん。きちんと道明寺と向き合うって決めたから、帰る」
逃げ出してきて言っても説得力ないけどさ、と笑ったら頭をくしゃっとされた。
「ほんと、牧野は逆境大好きだよね」
「んな訳ないじゃん」
頬を膨らましたらくすくす笑われた。
「司の家に行って」
花沢類が言う声を聞きながら、シートに沈んだ。
「・・・・・・シゴト・・なんだよ。お給料、もらってるの。だからちゃんとしないと」
「ひどい話だと思うけど?はっきり言って、ねーちゃんらしくない。
あんたにしたらメーワクな話じゃないの?」
「迷惑?・・・・・・・うん・・・そうかな・・・わかんなくなった。
多分お姉さんだけなんだ。記憶の事、諦めてないの」
「あんたはもういいの?」
「・・・・・もう・・いいよ・・・」
「ホント?」
「・・・・あいつの記憶が戻ったら、とか考えるの、とっくの昔にやめちゃったもん」

「牧野」
透明な、透明な瞳で、花沢類が覗き込む。
「カオ怖い」
「ほっといてよ」
いま、すっごいすっごい我慢してるんだから。
「牧野」
「なに?いっ・・!!」
いきなり、ほっぺをぎゅうっっと摘ままれた。
それが痛かったから。
そう、それが痛かったから。

涙がボロボロ出た。

花沢類にしがみついて泣いた。
痛い・・痛い・・って繰り返しながら。

「坊ちゃん?」
心配そうに声を掛ける運転手さんに
「大丈夫、ただのイジメ」
って答えてるのに思わず笑って。

また泣いた。



             5へ


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コメント
痛い・・・・
初めてかも・・・

つくしちゃん、坊ちゃんのこと諦めていいよ。って
思っちゃった。
(ダメだけど。絶対ダメだけど・・)

目の前はつらいよねぇ。
かなしいよねぇ。
でも、なんでよそのオンナ連れてくるのよぉ。
まったく、バカな男だねぇ。

早く目ぇ覚ませぇ~~!
幸せ逃げるぞ!
(つくしちゃんなら、大丈夫だと思うけど・・・)
2009/09/28(月) 05:22 | URL | ちふゆ #-[ 編集]
ちふゆさま
なんか・・・る・類×つくですか~!!
みたいになってきました…
坊ちゃん暴走…←バカー!
やっちまいました。つくし以外とちゅーv-40
やめればよかったな~と、思いつつ…でも、もうみんな読んじゃいましたよね…

2009/09/28(月) 07:51 | URL | とば #-[ 編集]
悲しい・・
読んでいて、辛くなりました。
バカ司、つくしへのあてつけ?
ひどい、ひどすぎるよ・・・って、つくしちゃん試練ですね。 泣ける場所が、花沢類って・・・
早く記憶が戻って欲しいです。
つくしちゃんと類君になっちゃう?
2009/09/28(月) 08:58 | URL | つゆかノエル #STO9711o[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009/09/28(月) 15:47 | | #[ 編集]
考えなし過ぎ…
こんにちは!!e-320

いつになく司のアホさかげんにゲンナリi-195
当てつけにしても、やることがガキ過ぎるe-260

つくしの健気さに拍手だよ。。。
これじゃ類×つくしになっても文句は言えないよ、司!
後悔先に立たずじゃe-264

記憶が戻った時の司の落ち込みと後悔が
今から目に見えるようですじゃ(どこのばあちゃん?
タマさんでも使わないよね、“ですじゃ”なんて)

椿姉ちゃんの制裁がv-217たのしみ♪ヒーヒッヒヒヒ…。(ない?)


    では、また・・・。e-463
2009/09/28(月) 16:41 | URL | magenta #-[ 編集]
まとめちゃってすいません
つゆかノエルさま。
マリモさま。
magentaさま。
コメントありがとうございます。
そしてスイマセンっ!坊ちゃんが…うちのバカ坊ちゃんがっ…
言い訳じゃないんですけど、坊ちゃん別につくしに見せつけてやろうとか思ってるわけじゃ…つーか、そゆことするくらい意識もしてないっつーか…ギャァ、もっとヒドイ。
あの、それでですね。更新なんですが、ワタクシこれから夜勤、行ってまいりますっ!
明日午前中には帰りますので、そしたら…・・・言い逃げ。ではっ!
2009/09/28(月) 20:56 | URL | とば #-[ 編集]
つくしに当て付けてる(キス)ようには全く読み取れませんでしたよ!あぁ、眼中にないんだな、と思いました。文章力すごいです!
ただ前回でつくしをちょっと意識し出したみたいなので、つくしが類と出ていく時声かけてましたね(・_・)
進展ありか…!?
2009/09/28(月) 21:26 | URL | ゆか #-[ 編集]
ゆかさま
コメントありがとうございます。
嬉しかったです~v-238
ねっ!
進展っつーか、司の野郎、さっさとつくしに夢中になりやがれって。
私もすごく思ってます。
つくし視点だと重くなりますね。
実は坊ちゃん、あんま何にも考えてないんで、当初はこんなどんよりした展開の予定ではなかったんですが~・・・え~・・・頑張ります。
2009/09/29(火) 09:52 | URL | とば #-[ 編集]
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