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つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

専務と私~独占~



あ・た・し・は・わ・る・く・な・い・っ!!

ガチャッ!ガチャッ!ガチャッ!ガチャッ!
力任せに叩くとプラスチックのキーがミシ・・・とか鳴る。
凶悪な目で画面を睨むと

『資料室の整理に伴う一時閉鎖について』が
『死霊室の生理に伴う一児閉鎖について』とかなってて。

・・・・・・・・・・アホか。
何よ死霊の生理って。あんのか生理。死んでるくせに。
生理痛とかあんのかよ。一児閉鎖ってどんなイミよ。
一人っ子政策かっつーの!微妙に通じそうで通じないところがイラつく。
半端なボケかましてんじゃないわよ!

「道明寺か!あんたは!」
思わずパソコンに突っ込んだ。


何が悪いのよ。

社食に忘れ物をして、取りに行った。
そしたら、食堂のおばちゃんたちが揃って上を見上げて、困った顔してた。
天井を見ると、おっきな蛾がくっついてて、食堂だから殺虫剤も使えないし、天井だから届かないし、おばちゃんたち皆、結構トシだし、とにかく困っていた。

何が悪いのよ。

あたしだって虫とかすごい苦手だけど脚立借りてきて決死の思いでゴム手袋3枚重ねて
蛾を掴もうとしててものすごく緊迫してたのにそんな時にあんたがいきなり現われて『牧野っ!!』とかでっかい声で怒鳴るからびっくりしてバランス崩したんじゃない。
そりゃ落っこちたあたしを受け止めてくれたことには感謝してるけどそれだってあんたが声かけなきゃ落ちなかった訳だし。多分。

納得いかない!
そのまま専務室まで担いで連れて来られて、ものすごい勢いで怒られてあげくの果てには
ここから出るなって、どーゆーことよ!
事情だって説明したのに半分も聞かないうちに
『うるせー!黙れ!お前は黙ってここに居りゃいいんだよ!』
って控室にあたしを突っ込んで。
ゴム手も返しに行けないじゃん!

何なのよ、アイツ。
「バカバカバカバカばか道明寺」
呪文みたいにブツブツ唱えて、遥か向こうのデスクを睨む。
PCを操作しながら、シゴト仕様の鋭い目で画面を睨む完璧な配置の美貌。

・・・・・・・・・・・・・・・キライ。
キライキライ、だいきらい。
あたしはあんたの所有物じゃない。
こんな風に力ずくみたいに扱われて、黙ってる女だと思うなよ~!



ガチャン、ガチャン、ガチャン、ガチャン
バン、バン、バン、バン

・・・・・・・・ありえねーだろ。
何だあの音、どこの工事現場だよ。
つーか、どこをどうしたらパソコンからあんな音を出せるんだか。
控室から響いてくる、恨みのこもった騒音。
あのボケ女。
まったくわかってねぇ。
あんな高いとこに上がって、今にも落っこちそうに揺れてるお前を見て、俺がどんなにビビって青くなったかなんて、全くわかっちゃいねーだろ。
落っこちたらあんなちっちゃい女、簡単に死んじまうに決まってる。
気は強ぇが身体の造りは弱そうだし。
大体あんなに細っこくて普通に動いてられるなんて、どうなってんだよ女ってヤツは。

牧野がいなくなったら人生なんて意味がねぇ。
んなの考えるだけで吐き気がする。
ぜってぇ失えないモンを守ろうとして何が悪い。
今回ばかりは許さねぇ。
PC何台壊されようが、どんなに怒ろうが睨もうが暴言吐こうが暴れようが泣こうが!
ぜってー譲らねーからな!


RRRRRRRRRR・・・・・・・

「はい、専務室、牧野です」
受付からの、来客を告げる電話。
今日は珍しく、雑誌の取材なんか入っちゃってたりして。
道明寺は嫌がってたけど、仕事がらみで断れないって西田さんが言ってた。
ケッ。
ザマーミロ。
大嫌いな、女性誌の取材で、苦労するがいい!
ドカドカと、道明寺の執務机の前に来て、腰に手を当てる。
仁王立ちで
「専務、雑誌の取材の方がお見えになりました!」
上から見下ろして言ってやった。
すると道明寺は画面を睨んでいた目を一瞬だけ上げて、その鋭い視線のまま
「俺は時間がねぇ。お前相手しろ」
とかホザいてまた画面に目を戻した。
「は?朝から言ってたじゃん!」
「お前を探し回って、予定がずれ込んだんだよ!お前のせいだろ」
「そんなの頼んで・・」
コンコン

・・・・・・・来ちゃった。

ぅあったまにくる!このクソガキ!
拗ねかたがいちいちメーワクなんだよ!
怒鳴りつけたいのをギリギリのところで我慢して、応対に出たあたしって大人だと思う。

取材の人に、事情を話してソファーで待ってていただく。
「構いませんよ。お仕事されてるところの写真も欲しかったし」
ああ、ありがたい。そうだよ、これが大人の対応だよ。
最近あのガキとばっかりつき合ってたからココロに沁みちゃう。
「すみません。どれくらいかかるかわからないんですけど・・・」
あのバカ男のご機嫌次第だよ!と心の中で突っ込んだ。すると、記者は
「じゃ、すいませんけど、あなた、秘書さんでしたっけ。先にお話聞いててもいいですか?」
「え?」
「もともと、グラビアをメインにしようと思ってたんですよ~。なので、文章はそんなに入らないんで。道明寺さんもお忙しそうですし、秘書さんならわかるところもあるかもなので」
ピラ、と質問リストを渡す記者。
ああ、グラビアメインね。
確かに顔はいいからね。バカだけど。
道明寺の機嫌はまだ直りそうにない。
ただ待っててもらうのも悪いので、協力することにした。

「えーと、じゃあ、わかりそうなところだけ書いちゃいますね。後で専務にチェックしてもらいます」
と言ってペンを取り出す。
一応、道明寺に確認する意味も込めて、声にだしながら書き込んで言った。
「え~と・・・身長・・・185cm。・・・・・体重・・・67キロ・・・・。血液型・・・・・・B型・・・・」
「覚えてるんですか、秘書さん。スゴイですね」
「えっ?あっ、いいえ。毎月、健康診断のデータをまとめているので。ははは」
「そうですかー」
「はい!えーと、次は。・・・・好きな色・・・・・赤。好きな食べ物・・・」
とかどんどん進んで行き、最後の質問になった。
「・・・・好きな女性のタイプ」
「これはご本人に聞きましょうか―」
「いいえ。偶然ですけどさっき、丁度専務に聞いたところなんですよー」
自分でも、目が据わってるのがわかった。
さっきからの怒りも込めて、おっきい声で言ってやった。

「専務の好きなタイプはですね。素直でかわいくて言うこと聞いて逆らわない、じ~っと黙って彼の帰りを待っているようなヒトですって。間違いなしです!」

驚愕の表情でこっちを見る記者・・・ん?違う・・・視線はあたしを通り過ぎて後ろを見ている。
つられて振り返ると、道明寺。
めちゃくちゃコワイ顔であたしを睨みつけてる。
あたしはゆっくり立ち上がると、よそいき用の笑顔を作り
「そうですよね?専務」
と、見上げた。

ゴゴゴゴゴゴ・・・・・・

音が聞こえそうな不機嫌オーラ。
道明寺は地獄の底から響くかのような低音で。
「せっかく来てもらって悪いが・・・」
と静かに近づいてきて。
最後まで言ってないのに記者はピョンと跳び上がり、なんだかパニックを起こしたみたいに
部屋をとび出て行った。
「また後日~~~~!!」
って叫びながら。



マジむかつくこの女。
ああ、こいつは元からこーゆー女だよ。
あーいえばこー言う。
やられたら3倍返し。
パンチもキックも相当ダメージでかいが、口も達者。
気の強さときたら折り紙つき。
こんなカワイクねぇ女、他に2人といやしねぇ。
そんなのと戦わなきゃいけねぇ俺の苦労も、ちょっとは考えろよ。なあ牧野。

「・・・・・なんだよ、さっきの」
「何か間違ったこと言った?あんたの言ってるのはそーゆー事じゃないの?
文句言うな、逆らうな、かわいくねぇな、黙って言うこと聞け、この部屋から出るなって。
言ったよね」
俺の機嫌はサイアクで。
だから、ここ何年もそんな目で見たことはねぇってくらいの睨みを、牧野に向けた。
他の奴だったら、大の男でも途端にビビってご機嫌を伺いだすくらいのレベルのを。
まあ、コイツに効果ねーのはとっくに知ってる。
牧野はキッと顔を上げると、唇を固く引き結んで、でかい目で俺の視線を跳ね返してきた。

ヤバい。

俺が言う事聞かされるパターンだ。
牧野の目を見ているうちにヘンな気分になってくる。
なんだ・・・いじらしい?みたいな。
ちっせー身体を一生懸命伸ばして、怒りでキラキラ輝く目で睨んでくる牧野は可愛いが。
丸めて頭からガリガリ喰っちまいてぇくらい可愛いが。
そんなカワイイ女を、俺が一方的に苛めてるような感じがして、かわいそうで、何でも言うこと聞きたくなる。
このままじゃマズイと、慌てて牧野のデコに人差し指を当てた。
「え」
指を見ようとスッゲー寄り目になって、それだけでも笑っちまいそう
だったのに、ぐいと押したら軽く吹っ飛んでソファーに沈んだ。

「・・・・・・・・!」
怒ってたのはどーしたよ。
キョトーンとした顔で、なんかのおもちゃみてぇにぎこちなくこっちを見上げる。
ダメだもう限界。
「ぶっ!!」
くっくっくっく・・・・
「何よあんた何するのよ。言うこと聞かないからって今度は暴力?ホントあんた全然っあ・・・!」
覆いかぶさって抱きしめた。
カワイクねぇ口がこれ以上文句言わねぇように、胸にぎゅうっと押しつけて。
頭のてっぺんの渦巻きにアゴ乗っけて。

「・・・・・・危ねぇことするからだろが、お前が。いっつもいっつも、俺に心配ばっかりかけやがって。
ホント頭にくる。てめぇなんか、紐でしばって俺につないどいてやりてぇよ」
「犬か、あたしはっ!ってか何してんのよ。誰が触っていいって言った?」
「うるせぇ、っとにカワイクねぇな」
身体を入れ替えて、暴れる身体を膝に乗っけた。
そのまま、まだ睨んでくる目にくちづけた。
反射できゅっと閉じた睫毛の感触を味わう。
「頼むから・・・・あんま心配させるなよ。お前がいなくなる度に、またどっかで危ねー事してんじゃねぇかって、気が気じゃねぇ。守りてぇんだよ、俺はお前を」
溜め息を交えて言ってやると、牧野が離せと言うように小さくもがいた。
少しだけ、腕を緩めてやると、牧野は両手を俺の頬にあてて、じっと眼を覗きこんできた。
「あんたはそれがいいの?大人しく部屋に座ってあんただけを待ってて、文句言わない逆らわない、何でもあんたの言うこと聞く、そんなのがいいの?」
サイコーじゃねぇか。
言ったらまた喚きだしそうだから黙ってた。
すると牧野はニヤリと笑って言った。
「でも、そんなのあたしじゃないよ。アンタだってわかってんでしょ。そんなの自分が惚れた女と違うって」

・・・・・・・・・ああ、そうだった
お節介でお人好しで跳ねっ返り。
いつでもキョトキョトあっち行ったりこっち行ったり。
ぐるぐる悩んでるかと思うと突然キレてありえねー事やらかす。
そんな女だったよな、俺が惚れた女は。

「すげぇ自信だな」
つられてニヤッと笑った。
結局ワガママ聞かされるんだ。
しょうがねぇ。
「でもいっこだけ、聞けよ」
どーせムダだろうが牧野に言ってみた。
「危ねー事、すんな」
すると牧野はケロッとした顔で、してないじゃん、とかホザき。
俺はでっかい溜め息をついた。

「ところでそろそろ離してほしいんだけど?」
「やだね。俺ばっかりお前の言うこと聞かされて不公平じゃん。お前もちょっとは言うこと聞け」
「・・・・・・・・・ガキ」
「何か言ったか、ぁあ?」
「べーつーにー。それで何。あたしシゴト残ってんだから早く言ってよ」
「カワイイ顔しろ、笑え、んでもって『司、愛してる』っつってキスしろよ。いっつもみてぇに一瞬、とか許さねーかんな。うんと濃いヤツ」

ぜってー牧野が断るだろう条件出して、さっきのハナシ、蒸し返してやるつもりだったのに。
ちくしょう。
前言撤回。
こんなカワイイ女、他に2人といねぇ。

牧野はほんのりと頬を染めると、首にゆるりと絡んできて

恥ずかしそうに小さく笑ってから



俺の望みを全部叶えた





                       Fin





0574.gif




コメント
結局…司の負けェ
カワイくない態度とるけど

つくしに惚れて惚れて惚れぬいてるから

結局、懐柔されちゃう司。

近くにこんなバカップル居たら

いい迷惑だろうね…仕事もたまるだろうし。。。

ハァ~、西田さん御苦労お察しします。

てな感じだけど、近くにいない私は

楽しく拝見させていただいてます。e-454


2009/08/30(日) 16:35 | URL | magenta #-[ 編集]
あれれ?
あらら・・・・

つくしちゃん、全部かなえてくれたんだ❤

司のキョトンっとした顔をちょっと想像しちゃいました。

この勝負はやっぱり、つくしの勝ち?
それとも、希望が全部叶った 司の勝ちかしら?

どちらにしろ・・・ご馳走様です。
2009/08/30(日) 22:06 | URL | ちふゆ #-[ 編集]
Re: 結局…司の負けェ
いつもコメント、ありがとうございます。
はい。
バカップル上等(ぷ)です。
この話のつくしはいつもに輪をかけて口が悪かったので、ちょっと坊ちゃん不憫でした。
じゃあ書くな。
2009/08/31(月) 01:44 | URL | とば #-[ 編集]
Re: あれれ?
多分坊ちゃん、愛してる言われた瞬間ぶっ飛んで逆に襲いかかってるはず。
・・・何してんでしょーねー・・・職場で…
私としては、社食の天井の蛾がどうなったかスゴク気になります・・・。
いつもコメント、ありがとうございます。
嬉しいです。
2009/08/31(月) 01:49 | URL | とば #-[ 編集]
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