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つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

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専務と私~Fighting・後~

×××後


朝からバタバタしてたから、社食のテーブルに着いた時にはホッとした。
うどんをすすりながら、つくしは改めて作戦を練ろうとしていた。
取りあえず、あの人を見つけることが肝心。
そして話しして、社会人としては穏やかな解決方法を・・・
シュミレーションが途中だったのに。

「あ」

見つけちゃった・・・。
ロングの彼女。
「まだ方針が決まってないんだけどな」
トレイを持って立ちあがる。
その人の前の空席に着く。
柑橘系の香り。

間違いない。

相手はふっと顔を上げて、つくしの顔を確認するとぎょっとして立ち上がった。
「すいませんあの、座って頂けます?」
低く願うと、きょろきょろ周りを見て、それからつくしを睨みつけたまま席に戻る。
「えー、こんにちは。初めまして、ではないと思うんですが、秘書課の牧野と申します」
早口で言うと
「何の用でしょうか」
刺々しい言葉に、ますますこの人だと確信した。
まるで汚いものを見るような目つき。
少し前までは、毎日がこんな視線との戦いだった。
「あー。ずばっと言っちゃいますけど、張り紙とか傘とか制服とか・・・・あなたですよね」
「そうだけど?」
いっそ清々しいくらい。
ここで否定されたらどうしようかなと思ってたけど。
「嫌がらせを、止めてください」
「は?冗談。あんたが辞めるまでずっとやってやるから」
「・・・・・・理由とか聞いてもいいですか?」
「わかてんじゃないの~?自分が一番。あんたねぇ、聞いた事もないような会社から出向してきていきなり専務付きって、ありえない。どんなコネ使ったんだか。嫌がらせくらい、黙って我慢しなさいよ」
殺す勢いで睨まれた。
「狙ってんでしょ、専務の事」
「そんな事ない、全然ない。あのね!好きで出向してきてる訳じゃないし!ただでさえ気が重いのに、くだらない事言わないでくれないかな」
「専務はあんたなんて眼中ないから!なによ、ドブス」
「人の話を聞きなさいよ!」
司に固執する目の前の女にイラッときて、つい大声を出してしまった。
ざわめいていた食堂がシーンとなって、2人を注視した。
相手はそれにも気付かず口汚くつくしを罵っている。
そのうち自分の言葉に興奮したのか、グラスを掴むとつくしに投げつけてきた。
「・・・・っ!」
とっさに腕を上げてグラスを払うが、中身の水はそのままつくしを濡らした。

ぷつん

大人の対応、とか穏やかな解決、とか、一瞬頭をよぎったが、ワザと無視した。
やってられっか。
静寂の中、無言で立ち上がり
うどんの丼を持つと。

ザバーッ

中身を頭から浴びせてやった。
きゃあ、と、遠くから女子社員の悲鳴が聞こえた。
そのまま、女の襟首を掴んでテーブル越しに引っ張る。
「3倍返しがモットーなの」
にっこり笑って青ざめた女の顔を眺める。
「これは、水かけられたぶんね?」
「や・・・やめてよ・・・」
「ヌルイんだよ、やり方が。私物破損とかね、囲まれてリンチとか
どんだけやられてきたと思ってんのよ」
「やだやめて苦しい。は、離してよ」
「あたしを凹ませたいんだったら車で引きずるくらいやらないと」

まぁ、それももちろん経験済みだけど。
言いながら、アタシの人生って一体・・・と、ちょっと暗い気持ちになって来た。
それもこれも全部アイツのせいだ。
そうだ、これだって結局はアイツのせいじゃん。

「どうする?まだやる?」
気を取り直して見ると、女は目線を上にあげ、一瞬表情が輝き。
それから一気に青ざめた。

振り返るといつの間にか司が後ろに立ち、上から女を睨みつけている。
『あの頃』を思い出させる冷たい目で。
彫刻みたいに整った美貌に、濃く怒りを滲ませて。
「専務」
声をかけたつくしを無視して女に言った。
「お前の部署と名前を言え」
抑揚のない冷たい声が、その場の温度を下げた。
「あ・・・・・」
つくしから解放された女は、真っ青になってガタガタ震えだす。
「答えろ!」
「ヒッ・・・」
恫喝みたいに響いた声に、女だけでなく周りの社員もびくりと震えた。
「てめぇ牧野に何」
「ちょっと!専務!女同士の話に入ってこないで下さい!」
そこに割り込んだ元気な声。
「あたしが売られたケンカなんだからあたしのものです!いちいち上司が首突っ込まない!
大体、この人の名前聞いてどうするつもりですか。処罰でもするつもり?」
「助けてやってんだろーが!」
「頼んでないし!要らないし!もう!専務はカンケーないからあっち行ってて下さい!」
それでも動かない司に痺れを切らして、つくしは女に合図した。
「場所を変えましょう」
それから司をギロッと睨むと
「ついてこないで下さいよ」
とクギを刺して社食から出て行った。

憮然とした見送った後で
「くそっ、バカ女」
小さく吐き捨てて司も出て行った後の社員食堂。
呆然と、見送っていた社員たち。
時が止まったかのような静けさの中から、ぽつりと声がした。
「ねぇ今の人・・・・専務に言い返してたよね・・・・」
「いや、あれは言い返すっていうより・・・」
「叱ってたよね・・・」
「叱りつけてたよね、あの専務を・・・ひえ~・・・・すっごいとこ見ちゃった…」
「ありえねー・・・」
「すげぇ・・・」
ザワザワザワザワ・・・静寂の社員食堂は、一気に蜂の巣をつついたような騒ぎになった。


うどんの彼女はすっかり戦意を喪失し、嫌がらせを止めることに簡単に同意した。
勝った!
でも・・・
・・・・・・1日に2枚も制服を貰う事になるとは・・・
濡れ髪のまま西田の元へ報告に向かう。
ノックしようと手を上げたところを、後ろからすごい力で引っぱられ、
専務室に引きずりこまれた。
ドアにハリツケにされて
「・・・・っ!」
抗議しようとした言葉は、激怒した司の喉にのみ込まれる。
「・・・んっ・・・んんんんー!んー!」
息ができないほどの荒々しさに、思考が霞んでくる。

開放なんてしてやらねぇ。
司は容赦なく、うめき声も、吐息も、絡んだ唾液もいっしょくたに呑みこんでいく。
このまま気を失おうがどうしようがこのバカ女。
さあ、どうしてやろうか。
可愛さ余って。
憎さ百倍。

くたりと、つくしの身体から力が抜けた。
気絶したかと顔を見ると、苦痛で潤みまくった目と合って思わず離れた。
「・・・・っは・・・はあはあはあ・・ご・・・ごめん」
「何で謝る」
「・・・はあ。怒ってんだろーなーって、思って・・たから。ほら、社員の前であんたに逆らったから、
プライドがりがり引っ掻いちゃったかなーっておも」
「ふざけんなっ!違うだろっ!」
耳のすぐ横で、ドアがガンッと音を立てた。
謝ったのに更にキレられて、つくしは訳がわからない。
刺すような視線と、怒りの表情。
喉元に、絡みつく手を押さえるのに懸命になる。
「・・・わからせてやろうか・・・」
「やだ!怖いよ!こわい・・道明寺!」
本当に怖くて、涙がぽろぽろ出た。
それと同時に気づいた。
「・・・心配させてごめん。一人で抱え込んでて、ごめんなさい」
そうだ。何度も何度も言われてるのに。
また同じことをしてしまった。
そのまま見上げて目が合うと、司の力が緩んだ。
「その顔やめろ」
「?」
「くそっ、ずれー女っ!」
吐き捨てるように言うと、きょとんとしたつくしを抱きしめる。
「つめてぇ」
「ダメ、あんたも濡れちゃうよ」
焦って身じろぎするのを逃がさないように、更に力を込めた。
「くっ、苦しいよ・・・」
「るせぇ!文句ばっか言うな、ブス」
「ごめんって・・・」
今度のキスは優しく、優しく、宥めるみたいに交わされた。

「何された、あの女に」
「えーと、たいして」
「何で隠すんだよ!テメやっぱ1回コロスぞ!」
「もう終わった事なんだからいいの!」
「・・・っとにカワイクねぇな、てめぇ」
もう一度、罰を与えてやろうと顔を傾けた時

クシュン!
ぐ~~~~~・・・
「・・・・・クックックックック・・・・・」
「ちょっと!感じ悪いなぁ!普通に笑いなさいよ!しょうがないでしょ、お昼半分しかたべられなくて・・・・」
「クックックック・・・」
「もう!庶務に行って制服もらってくるから!じゃあね!」

バンとドアを閉めて出て行った、頑なな彼女を思う。
いつまで経っても俺に頼ってきやしねぇ。
ったく。

・・・・・・・・・仕方ねぇか。
俺をハラハラさせ続けんのが、あいつのライフワークだ。
でもって突っ走るあいつを、後ろから心配しながら追っかけるのが俺の運命だ。多分。

スゲーな、俺。
達観?

笑うしかねぇ。
・・・・笑うしかねぇが。
気持ちは複雑で。

だけど瞳には優しい光を浮かべて。

ひっそり笑った。



                  Fin 




0574.gif







コメント
司もつくしも、大変ね。。。
さすがつくし!
犯人見つけてやり込めてしまった。
しかし、行く先々で悶着あっって大変だね。

司ってば心配して、怒ってても
つくしに弱いから結局、赦しちゃうんだよね。

お仕置きすごかったけど・・・v-402
おうち帰ったら
もっとすンごいことになるのかな……v-362
2009/08/29(土) 16:04 | URL | magenta #-[ 編集]
ライフワーク
司をふりまわして、ドキドキさせて、心配させるのが
つくしのライフワーク。

ウンウン。

そして、それを見守るのが私のライフワーク❤
なんて・・・

うどんの彼女も、まさかの展開にビックリでしたね

さすがつくし!
だてに、赤札はられてません!ってね
あんまり、車で引きずられたひとっていないと思うし・・・

次はどんなお話でしょう?
楽しみにしています!
2009/08/29(土) 16:45 | URL | ちふゆ #-[ 編集]
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2009/08/29(土) 18:25 | | #[ 編集]
Re: 司もつくしも、大変ね。。。
度々のコメント、ありがとうございます。
専務、神聖な職場でやりたい放題ですが・・・つーか、ちゃんとシゴトしてるんでしょうか。
心配です。
2009/08/29(土) 23:42 | URL | とば #-[ 編集]
Re: ライフワーク
度々のコメント、ありがとうございます。
専務シリーズはテーマが『ケンカして、ケンカして、仲直り』なので、変わり映えしない話が続くかもです…スイマセン。
でも、読んでいただけると大変嬉しい!です。
2009/08/29(土) 23:47 | URL | とば #-[ 編集]
Re: タイトルなし
ありがとうございます。
つかつくでなく、つくつかですね。
ニヤリ。
頑張ってラブっていきたいと思います。
2009/08/29(土) 23:49 | URL | とば #-[ 編集]
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2011/03/17(木) 06:12 | | #[ 編集]
ぶーたんさま
初めまして、とばと申します。
わたしも花男二次に出会ったときは、同じ事を考えました~。
わざわざコメントありがとうございます。こちらこそ、あたたかいお言葉に元気が出ます!
ありがとうございました。
2011/03/17(木) 11:11 | URL | とば #-[ 編集]
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