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つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

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専務と私~Fighting~

×××前

・・・・・・・・ねぇ、だんだんエスカレートしてきていませんか?
つくしはロッカーの前で、がくりとうなだれた。
出向10日目。
出勤したつくしを待っていたのは、ロッカーの中でビリビリに裂かれた制服だった。


「よお」
出勤するとまず控室を覗き、つくしの姿を確認するのが最近の習慣になっている。
そして、いつもなら
「おはようございます、専務」
とか堅苦しい挨拶を返してくるつくしを抱きしめ(ふざけんな、何がケジメだ)
いけそうならついでにキスも(滅多にいけねぇ)。
ところが今日は。
「お前、制服は?」
立ちあがったつくしは私服のままで。
「制服どうしたんだよ」
すると司から目を逸らし
「ちょっとね」
と言うと、司の横をすり抜け、西田さんにご相談が、とか言いながら2人で部屋を出て行った。
ついて行こうとした司をぎゅうぎゅう専務室に押し込んで。
「っんだよっ!!」
追いかけようとドアノブを引くが動かない。

・・・・・・・・・向こうで押さえていやがる・・・・・・・
「ざけんなブス!」
怒りのまま力いっぱい引っ張ると
「ぎゃああぁぁぁぁぁっ!!」
と色気のない叫び声をあげて、つくしが中に転がり込んできた。
「ぶぼっ!」
計算通り受け止めて、ついでに柔らかい身体を抱きしめる。
「力で俺様に勝てるか、ばーか!」
「危ないじゃない!空気読め、バカ!あたしは西田さんと2人で話がしたいの!」
「は?ふざけんな、てめぇ!俺に言えないようなことかよ!」
「そうだよ!」
腕の中でジタジタ暴れて跳ねる活きのいい身体を、何とか胸の中に納めようと苦労してるのに。
ちっとも協力しねぇボケ女は
「もう!離しなさいよ!離して下さい、専務っ!!」
怒りで目をキラキラさせて、上目づかいに睨んできて。
ちくしょう、ここに西田さえいなけりゃ。
不埒な気持ちが伝わったのか、思い切り突き飛ばされて、思わず腕を離した。
「それじゃ、西田さん、すいませんけど」
走って出て行くつくしと
「社内ではお控えください」
あくまでも冷静な西田。
「るせぇ!」
キレる司。
朝はこんな風にして始まった。


だんだんエスカレートしてるし・・・・・
つくしは唇を咬んだ。
最初は1枚のカードだった。
ロッカーに貼られた1枚のカード。
『小さな土建会社から派遣されて、いきなり専務付きの秘書なんて、
ちょっとおかしいんじゃないですか?』
みたいな事が、酷く下品な言葉に翻訳されて書かれていた。
無視したら次の日も貼られた。
次の日も。
次の日も。
3日前に『最終勧告』なるものをされて。
それ以来、靴はなくなるは傘は折られるは・・・・・・・
今日は制服がビリビリってか・・・・・・・

「いくら温厚なあたしだって怒るわよ~~~?」
もう我慢だって限界近いんだから。
ブツブツ言いながら総務に向かう。
すれ違う社員たちが、鬼気迫る表情を見て、大きく遠回りするのも気付かなかった。
「女だって事はわかってんのよね」
だって、更衣室、女子しか入れないし。

・・・・・・・・・・・・やっぱアレ?アイツがらみ?
この会社で一番偉い、セレブリティ。
家柄、財力、容姿、能力、気品・・・・・・・・・何拍子も揃った御曹司は
すべての女子社員を夢中にさせていて・・・・・・・。
多分、それでの嫌がらせ。
「ったく無駄にいい顔してるから!騙される女子が後を絶たないのよね!
いっそ中身を言いふらしてぎゃっ!」
いきなり背中をどつかれて前のめりに転んだ。
急いで振り返ると、角を曲がる前に一瞬見えた、横顔と長い髪。
柑橘系の残り香・・・・・・・・・
「・・・実力行使ですか・・・・・・」
廊下にぺたんと座ったまま、がくーっとうなだれる。
ぶるぶる肩を震わせて、角を曲がって来た男性社員がどうしたのかと
覗き込んだ瞬間、ガッ!と顔を上げたつくしは
「・・・・・・・・ぶっ殺す!!」
と、唸った。
「うわっわわっわわわわ!!!」
「あ!ごめんなさいっ!」
時すでに遅く、逃げた後だったが。


西田が話を通してくれたらしく、制服はすぐ代わりがもらえた。
さすがに懲りて、ロッカーにきちんと鍵をかけ、専務室に向かう。
西田には、最初から話してある。
直接の上司だし。
ただ問題は道明寺。
あたしに関する事は、全て知っておくべきだと言ってはばからない、上司でコイビト。
あの様子だとごまかせるかどうか・・・・・
お前はやるだけ無駄だ、とよく言われる、どうやって騙すか、
をシュミレーションしながらエレベーターに乗った。

西田の執務室に立ち寄って報告し、向かいの専務室のドアの前に立つ。
そ~~~っと、ドアを細く開け、覗き込むと
「ひっ」
バチンと、思いっきり目が合って思わずドアを閉めた。
なんか空気がどす黒かった・・・。
「牧野!」
部屋の中から苛立った声が聞こえる。
「う~~~~~」
覚悟を決めて、ドアを開けた。

「こっち来い」
ドアの前に立つ、つくしを見据える。
細い身体はぴくんと反応して、それからぎこちなく近づいてきた。
「・・・・・・・お前なんか隠してるだろ」
ジロリと、視線だけ上げて聞くと
「ううんなんにも」
即答する。
司はひとつ溜め息をつくと机を回ってつくしの前に立った。
顎に手をかけて、上を向かせる。
「なんか隠してるだろ」
ひとことひとこと区切るように、重ねて聞くと覚悟を決めたように見返してきた。
「あんたには言えない」
「はあ?なんで。西田には言ってんじゃねーか」
「それは言うよ。だって上司だし」
「俺より西田の方が頼りになるっつーのかよ」
「違うって。あんたに言うと何でも大ごとになるんだもん。穏やかに
解決したいの、あたしは。大したことじゃないし。
うん、あんたに言うほどの事じゃない」
「ケッ、てめぇが穏やかな解決なんてありえねーんだよ。
結局いっつも最後は大騒ぎじゃねぇか」
「うるさいなぁ、とにかくまだ言えないっ!」

かっわいくねぇ。
身体から不安げなオーラを出しているくせに、あくまでも視線は強く、
大きな瞳でじっと見返してくる小さい女。
どんだけ気が強ぇんだよ。
その目を見ていると、まるで自分が見当違いのワガママを言ってるような気分になる。
けど、譲れねぇ。
司は全力で眼差しに逆らう。
コイツが何かに巻き込まれてるのは多分間違いないし。
守ってやんねぇと。
俺が。

「なあ牧野」
両腕を伸ばして机に手をつく。
その細い身体を閉じ込める。
「いいか、逃げんなよ」
耳を舐めるように吹き込むと、身じろぎして掠れた声で
「・・・な・に・・・」
と返す。
必死で胸を押し返そうとしているが、重力を味方につけて
屈みこんだ身体は撥ねのけられない。
そのまま机に押し倒した。
「うそ!だめ!書類が・・・!」
必死にもがくが
「お前が大人しくしてりゃだいじょーぶだ。あ、ちなみにお前の下に
あるのは、営業部が3か月かけて取ってきたヤツな、契約書」
かちーん。
音がするくらい固まった身体に笑いそうになりながら、司は交渉に入った。
「今のうちに言っとけ。じゃないと」
「何よなんなのよ」
「なぁ、お前が一番素直なのって、どーゆー時か知ってるか?」
左手で、顎を支えながら人差し指を含ませる。
ベルベットみたいな柔らかい舌に触ると、条件反射みたいに絡んできてゾクリとくる。
右手はスカートの裾あたり、司の膝で割られた内腿あたりをつ・・・っと滑り。
中に入りそうな動きに。
ぴくん、とつくしの身体が震えた。
「・・・・・ゃ・・・・・」
小さく拒んだ声が聞こえないかのように、司が唇に近づいていく。
舌を出して、まずは果実みたいな唇の味見をしてやろうとしたところに、ストップがかかった。

「き、嫌いになるから」
ピタリと司の動きが止まった。
「嫌いになるから。そんな事したら許さないから。ケーベツする。口もきかない。絶対許さないから」
時間が止まったように、動かない司。
「・・・・・・・・・そんな脅しが、効くと思ってんのかよ」
「それなりに・・・・」
ごくりと、息をのむつくし。

頭くる。
ああ、効くんだよ。んな脅しが。

「ざけんな」
舌の代わりに小さなため息を唇に落として。
「なんだってお前はそんなにワガママなんだよ」
「あんたほどじゃないよ」
そっと起こしてジロリと睨む。
「結局お前の望み通りになってんじゃねーか」
悔しいから唇に噛みついた。
目を丸くした抵抗も軽く押さえて、気が済むまで可愛がってやった。
その後でつくしの下にあった書類をぐしゃっと丸めた。
「ぎゃあ!け、けいやくしょ~~~~!!!!」
ぽいと放ってやるとそのまま部屋を出る。
悔しいから、仕返し。
契約書なんかじゃない。
本社の楓の秘書から届いた書類。
牧野つくしについて。
西田の下には付かせるが、管轄は楓だから司があまり干渉することがないようにと書いてあった。
面白くねぇ。
ババァが何か企んでんのも。
牧野が何か隠してんのも。
・・・西田に聞いてもダメだろうしよ。
「ったくどいつもこいつも」
日本支社トップは、大きなため息をついた。



           後編へ



0574.gif




コメント
続きが・・・
こんにちは!

つくしを付け狙う影

鉄の女・楓さんの暗躍(?)

冷静な西田さん

司とつくしのやり取り

みんないい・おもしろいv-363

早く続きが読みたいv-364
2009/08/28(金) 15:23 | URL | magenta #-[ 編集]
Re: 続きが・・・
こんにちは。
いつも寄っていただいてありがとうございます。
専務シリーズ、ケンカばっかりしている2人ですがよろしくお願いします・・・

2009/08/28(金) 16:14 | URL | とば #-[ 編集]
たまんないです!
う~~~結局つくしに嫌われるのが怖い司がいいなぁ~

そして、どんなイジメにあってもメゲない
戦うつくし♪
サイコーです

ラブラブな二人も 期待しています!
2009/08/28(金) 21:54 | URL | ちふゆ #-[ 編集]
Re: たまんないです!
度々のコメント、ありがとうございます!
自分で書きながらも、嫌われるのが怖い坊ちゃんにプッとか思っちゃいました。
そしてつくし、すごい自信だ…

2009/08/28(金) 22:42 | URL | とば #-[ 編集]
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