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つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

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プライマリ 3

プライマリ 3
      ~3rd KISS~


「やっぱ思い出せねー」
昨日から考えて考えて考えた。
記憶に残る不明瞭な部分。
例えば、どうして知りあいになったかわからない人間とか。
何をしに行ったのかわからない場所とか。

多分その中にあいつが居るんだろう。
つくしの事を考えると、混乱する。
表現できない感情が、胸にあふれる。

好きだったんだろう、多分。
つき合ってたんだろう、多分。
あの女・・・牧野は何でも答えるって言ってた。

「・・・答えてもらおーじゃん」
つくしの来るのが待ち遠しかった。
彼女なら番号も入っているだろうと携帯を手にして、何の気なしに発信履歴を開くと
牧野
牧野
牧野
牧野
牧野
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
ついでに着信履歴も開いて見ると
「なんだよ」
あいつの名前イッコもねーし。
タマの『つき合ってもらってた』を思い出してムカっときた。

幸せだったんだろうか、俺は。
周りの人間は口を揃えて『早く思い出せ』『思い出したら幸せになれる』と言う。

今だって充分幸せじゃね?

叶わねー事なんてねぇし。
周りの人間は思い通りだし。
揉め事だって、大抵は金か力で解決できんだろ。
何で牧野の事を思い出したら『幸せになれる』のか、さっぱりわかんねぇ。
生意気だし、あいつ。
美人でもないし。
ビンボーっぽいし。
ガサツだし。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・身体とか?
『つき合ってた』っつーんだから、ま、それなりの事はしてたんだろーし。
初めての女なら、気になっても仕方ねぇよな。


「よう、司!」
「昨日あれからどうなった?」
総二郎とあきらが入って来たのに気付かなくてビクッとなった。
「・・・・・おー・・・・・ビビった・・・・・・」
「ボーっとして、なーに考えてたんだよ」
「牧野の事とか?」
「あー・・・・」
言いにくそうに司が顔を上げた。
「昨日、あの女に言われたんだけどよ。俺とアイツがつき合ってたとか・・・・マジかよ」
「お!牧野言ったか!」
「マジなんか」
「まあ、どっちかっつーとお前が・・・・」
「つき合ってもらってたとか言うのかよ」
「おお!何でわかった!さっすが!」
「ウルセーよ。どいつもこいつも、おんなじこと言いやがって。
何が『つき合ってもらってた』だ。
ありえねーっつーの。お前ら、口裏合わせて俺の事だまそーとしてね?」
「「いやいやいやいやいやいや」」
2人が揃って手を振った。

「いいか、よく聞け。これは本当の事だ。司、お前はな」
「牧野にベタ惚れだった」
「メロメロだった」
「夢中だった」
「ストーカーみたいだった」
「・・・・・・・・・ありえねーだろって・・・」
「俺たちだって目の前で見てなきゃ信じねーよ」
なあ、と2人が顔を見合わせる。
その時。
扉が小さくノックされた。

「お茶ですよー」
ワゴンを押して、話題の人物が入って来た。
「お!牧野よく続いてるな、メイドのコスプレ」
「西門さん!」
「メイド服なのに全く萌えねぇのってスゲーな」
「美作さん!もう!お茶あげないよっ!」
元気よく言って2人にコーヒーをサーブする。
そして司の前にも。
「おい・・・・・・・何だ、これ」
「コーヒー。美味しいよ?」
「中身じゃねぇ!このプラスチックのコップはなんだって聞いてんだよ!」
「ぶは~~~~っ!!!!」
「2日続けてわざとカップ割った人に言われたくないねっ!誰が始末したと思ってんのよ!」
言い合う2人の横で、総二郎とあきらがゲラゲラ笑っている。
「やっぱすげぇ!牧野~~~!」
「司にこんな事できんの、お前だけだよ」
「お前らウルせーっ!!これが彼氏の扱いかよ!やっぱつき合ってたとかウソだろ」
「いや、司。お前の扱いはこんなもんだった」

怒りまくる司を無視して、つくしは出て行った。
司はまだ笑っている2人を睨んで
「お前らも飲んだら帰れ」
と、客に向かって失礼な事を言う。
「俺はあいつと話がある」
「おう、話せ話せ」
「ほんじゃ、俺たち行くわ」
「牧野、呼んできてやっから」


2人が帰った後、しばらくしてつくしがやって来た。
「あ、カップ無事だ」
と笑って。
「ねぇ、あんたこれ飲む?飲まないなら片付けちゃうよ?」
「飲むわけねーだろ、ざけんな」
低く威嚇するが、怯えた様子もなくてきぱき片付けだした。
「ほら、また話の途中で暴れ出したら大変だから」
それから上目遣いで司を見て悪戯っぽく笑った。
「もう投げたり割ったりしないなら、明日から普通に戻してあげる。

   かわいい

ぽんと浮かんだ言葉に自分でも驚いた。
かわいい?俺いまかわいいって思ったのか?

「それで話ってなに?」
動揺が治まらない司は、わずかに掠れた声で答える。
「お前、言ったよな。何でも答えるって。全部話せ。俺とおまえの事。会ったとこから」
「いいよ。でも、すごーく長くなるから、仕事しながらね。それから」
つくしは腰に手を当てて、ちょっとそっくり返って長身と目を合わせた。
「途中で口を挟まないこと」
あんた絶対ウソだとかうるさい事言うから。
軽く睨んで言う。
相変わらず生意気だと思ったが、どうしても話が聞きたくて同意した。
「オッケ。それでは・・・」
つくしはモップを手に取ると、床を拭きながら話し始めた。
「あたしに真木子ちゃんって友達がいてね・・・・」


信じらんねぇ。
牧野の話の中の男。それが俺の事だと?
こいつにベタ惚れで、メロメロで夢中のストーカー。
あいつらの言ってた通りの執着ぶり。
・・・・・・・この俺がかよ。
・・・・・・・・信じらんねぇ。

辻褄は合う。
どうして知りあいなのかわかんねぇ青池和也とか。
何で肋骨を折って入院してたのか、とか。
それでも信じられなかった。
何度もウソだろ・・・と言いそうになった。
でも言っちまったら、続きが聞けなくなるんだろうな、と無理矢理言葉を飲み込んだ。
「それで純平の仲間を西門さんと美作さんと花沢類がボコボコにして・・・」
と聞いていた時、タマが来て夕食の用意ができたと告げた。
「ああ、もうそんな時間なんだね」
つくしが手を止めて時計を見る。
それを見ると、もう帰っちまうのかよと無性に淋しい気持になった。
「続きは明日ね」

聞きたいことは山ほどあった。
タマを下がらせ、つくしと向き合う。
質問を、しようと思っていたのに、口から出たのは全然違う言葉だった。
「目、つぶれ」
「なんで?」
打てば響くように反応する。
いいから黙って言う通りにしろ。
「キスするから」
「はあ?」
つくしが大きく目を見開いて、それから捲し立てた。
「意味わかんない。あんた、まさか話聞きながら、ずっとそんな事
考えてた訳?あたしの話はスルー?右から左?うっわー、あたし
こんなヤツのために長々語っちゃった?・・・・ったく。
大体昨日だってその前だっていきなり、とか無理矢理、とか何考えてんのよ。あたしの事なんか忘れちゃってるくせに。女なら誰でもいいのかっつーの。ケダモノ」
真っ赤になって焦りながら、司の手の届かない所へ逃げようと、ジリジリ後ずさる。

ところが根本的に間違えていた。
ドアと反対の方へ向かっている。
背中がトンっと壁に当たる。
「あ・・・・・」
気付いた時にはもう遅かった。
つくしが空けた距離を数歩で縮めて、手首を捉えて引っ張る。
「ぎゃー!!ちょっと待って!やだやだやだやだ!!!」
ほんの軽く引いただけなのに、ウエイトの差か簡単に腕の中に転がり込んできた。

こんなちいせ―女なのに俺に逆らってばっかりで。
顔を仰向け、固定する。
俺がその気になれば、どうにだってできるのに。
もう片方の手は腰を引きよせ、自分にぴったりと添わせた。
零れそうに見開いた目を視線で射ぬいて、紅く誘うような果実を喰らおうと唇を落とす。
「・・・・・?」
違和感に目を落とすと、つくしが自分の口を手で塞いでいる。
「往生際の悪りぃ女」
「だって、ダメだよ」

忘れてるくせに。
あたしの事、忘れたくせに。

邪魔する指に軽く舌を当て、すっと舐め上げた。
「ひゃあぁぁっ!!」
素っ頓狂な叫び声をあげて、勢いよく手を引っ込める。
無防備になった唇を、親指でつぅっとなぞった。
期待に、腹の底から熱が上がってくる。

「喰わせろ」
両手で細い身体を撫でまわしながら言うと、身じろぎして、身体を固くして、睨みつけている。
「先輩に言うから」
どこまでも気の強い女。
「合意ならいいんだよ。・・・目ぇつぶれ」
暫らく睨みあっていたが、諦めたようにつくしが目を伏せた。
「・・・好きじゃないくせに」
わずかに震える声。
「好きじゃねぇよ。お前みたいな生意気な女」
唇が触れる寸前、囁いてそのまま奪った。


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0574.gif




                            
コメント
野生の本能?
さすが司です。

頭と体が別々の動きしちゃうところが・・・・
でもって、体は本能に反応するのが!!

つくしちゃん、早く思い出してもらえるといいなぁ~
2009/08/23(日) 22:22 | URL | ちふゆ #-[ 編集]
Re: Re: 野生の本能?
> いつもありがとうございます。
> ホントですね。
> 『好きじゃねぇよ』とか言われて、つくしかわいそうです。←だからお前が言うな。
> つくしなら『ならヘンなことすんな~!!』ボゴッ!
> くらいやりそうですが・・・・
> もう少し、続くのでヨロシクお願い致します・・・
2009/08/23(日) 23:36 | URL | とば #-[ 編集]
きゃあ~
毎日、お邪魔させていただいてます!
悩める司がイイ! でもやっぱり野獣なところがまた最高♪
続き、メロメロで夢中のストーカー状態MAXでお待ちしていますv-10
2009/08/24(月) 22:02 | URL | わか #-[ 編集]
Re: きゃあ~
ありがとうございます~。
嬉しいです~。
いまっ!仕事帰ってきました!
これから続き、アップしたいと思います。
少しでもお気に召してもらえれば良いのですが。
2009/08/25(火) 01:41 | URL | とば #-[ 編集]
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