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つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

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プライマリ 2

プライマリ 2         
         ~2nd  KISS~




「おう、司。牧野は?」
「俺の調子聞くより先にあの女の事かよ」
「お前は大丈夫だろ。それより俺たちは、こんな猛獣と毎日一緒にいる牧野の事が心配なの」
「そうそう。お前、泣かしたりしてねーだろーな」
「んな事したら、後で一生後悔するぞ」
「るせーな!」
「そんで牧野は?」
「・・・まだ来てねぇ」

夕べ一晩考えた。
昨日、あの女とキスした時の感覚。
信じられないほどの幸福感。
コイツらに聞いたら、何かわかんだろうか。

「あの女・・・・類の女・・・・だよな?」
「違うって。しつこい、司」
「じゃあ何で、お前らにあんな口きいて、俺にまで馴れ馴れしくしてくんだよ。ってか、うちの使用人まで、あの女にすげぇ懐いてて気味悪りぃんだけど。類じゃなきゃ、総二郎かあきらの女かよ」
「ぶはっ!やめろ!想像しただけで笑えっから」
「ははは、ありえねぇ!あんな色気ない女とつきあうかよ」
「あいつ洗濯板の生まれ変わりだもんな」
「それビンゴ!」
「はははっははははは」
「司」
類が微かに笑う。
「俺たちは何も言えない。でも、今日牧野が来たら聞いてみたら?」
「だよな~」
「知ってんなら教えろよ」
「ん~・・・やっぱまずいっしょ」
あきらが複雑な顔で言った時、ノックと共に話題の人物が入って来た。
「お、牧野、これからか」
つくしは、ホッとしたような表情で見ると、洗剤のボトルを掲げて見せた。
「うん。今日はしみ抜きだけ。やってていい?」
「おう、しかしお前そういうカッコ、マジ似合うよな~、ははは」
「どーせ」
あははと笑って話していたつくしの目が、司の射るような視線と合う。
キンと音が聞こえるような視線の交差。

先に逸らしたのは司だった。

が、親友たちと話しながらも、どうしても目が引き付けられて、
絨毯を叩く姿を何度も盗み見た。

「取れた?」
「うん、気長にやったから」
類と話している時の穏やかな笑み。

「さっすが。俺んちなら即、買い替えだけどな」
「勿体ないでしょ」
総二郎と話してる時の呆れたような笑顔。

「うちは結構しみ抜きとかしてる。おふくろの趣味の一点ものが多いからな」
「ぷっ、わかるわかる」
あきらと話してる時の悪戯っぽい笑顔。

じゃあ、俺は?

ふと浮かんだ疑問に捕らわれた。
「おまえ・・・・・・牧野。ちょっと話ある」
つくしは真っ直ぐに司を見ている。
「んじゃ、俺たちは帰っか」
「うん。また来っからなー」


二人きりになると司はソファーに深く沈み、つくしも向かい側にちんまりとおさまる。
それを見下ろすような視線で、司が言った。
「お前・・・・・俺の、何だった?」

死にかけた時、記憶を一部失った。
それからずっと続く喪失感。
周りの人間に聞いても『自分で思い出さなきゃ意味がないから』と、誰も教えてくれない。
「タマもねーちゃんも、なんも言わねぇ。でもおかしいよな。こんだけ俺の周りの人間と親しくて、使用人まで懐いてて、そんで俺だけがお前の事知らねぇなんて、あり得ねぇ。・・・・俺が忘れてんのは、お前、だよな」
「うん、そーだよ」
親友たちや姉のように、『自分で思い出さなきゃ意味がない』と
ごまかすかと思ったが、あっさり答えられて拍子抜けした。

「お前は・・・・・俺の何なんだよ?」
「うーん・・・彼女。・・・・もしかしたら元カノになるかもだけど」
「は?ウソだろ。俺が女となんてつき合うか、ばーか」
「ウソじゃないよ。あたしはウソはつかない」
ケロッと言われて、訳がわからなくなる。
「聞きたいことがあったら何でも聞いて?あたしから話しても
いいんだけど・・・・・・どう話していいか、わかんないから」
「お前、ウソついてんだろ」
自分が女なんかとつき合ってたなんて、どうしても信じられなくて重ねて聞いた。

それがつくしの気に障ったらしい。
いきなりテーブルをバンっと叩いて怒りだした。
「あたしはウソはつかないっ!このアホんだら!あたしの事
忘れただけじゃ飽き足らず、今度は嘘つき呼ばわり?ふざけんな!どアホっ!」
「うるせぇ!お前、俺の女だったっつーんなら、それらしく大人しくしてろ!」
「おあいにくさま!あたしは大人しい彼女なんかじゃなかったから!
ワガママ坊ちゃんのご機嫌なんて、窺うわけない!アホらしい!」
「っとにうるせえ!」
テーブルを蹴り上げて、つくしの前に立つ。
「ぎゃーっ!こんどは4客!!」
コーヒーカップがまとめてガチャガチャと割れた。
「あんたねぇ!毎日毎日、モノ壊すんじゃないわよ!
せっかく昨日の分、しみ抜き終わったところだったのに!」
見下ろされる威圧感など感じないように、怒りに目をキラキラさせて睨みあげるつくし。

あいつらとは違って、俺にはイカった顔かよ。

「そういや、総二郎が言ってた」
「なに?西門さん?」
急に話が変わって、キョトンとするつくしの腰に手をかけて、グイッと引き寄せた。
「女を黙らせるには、これが一番だってよ」
「なっ・・・んっ!んっ!んん~~~~」
ひっぱたくために振り上げようとした右手も、
胸を押しのけようとした左手も、まとめて掴みあげた。
足を蹴り上げようとしているのがわかってソファーに突き飛ばし、上から押さえつける。
悔しそうに見上げる視線が気持ちいい。
「俺よりお前の方がよっぽど猛獣じゃねぇ?」
「やめて!やめなさい!」
「ぁあ?イヤだね」
くっ・・・と嗤って、果実みたいな唇に噛みつくようなキスを落とした。

やっぱりだ。

すげぇ、気持ちいい。

うっとりして、深く深く、くちづけた。
意識が持ってかれそうな快感に、我を忘れた。
全力で抗ってくる小さい身体を押さえつけて、暴力的な力にもっと興奮する。
「っゃ・・・あだっ」
くちづける合間に懇願みたいに言うが、それすらも煽る。

好きだったのかもしれない。

執拗に、逃げる舌を追いかけながら思った。
俺は覚えちゃいねぇけど。
そうでなければ説明がつかねぇ。
俺の身体がこの女を受け入れてること。
・・・・いや、認めたくはねぇが・・・・追いすがりたいくらいに求めてること。

怯えて奥に引っ込んだ舌を引きずり出し、吸い上げる。
甘い蜜を、喉を鳴らして飲み込めば、興奮にくらくらした。

・・・・・・・足りねぇ

長いくちづけに、つくしが苦しそうに声を漏らした。
それでも離せずにいた時、
「坊ちゃん入りますよ!」
バンッとドアを開けて、タマが入って来た。
「・・・・っ」
慌てふためいて身を離すと、タマはじろりと司を睨んでから、つくしに言った。
「合意かい?」
「無理矢理ですっ!」
「それなら坊ちゃんはこっちでお説教。つくしはソコ片付けときな」

部屋の外に連れ出されて『婦女子を労わること』をテーマに
クドクド言われ、不機嫌な顔をしながらも中が気になって仕方がない。
そんな司を見てタマが言った。
「思い出したんですか」
「何がだよ・・・なぁ、あの女が言ってたんだけど、アイツ俺とつき合ってたってマジかよ」
「つき合っていたというよりは・・・」
「やっぱウソかよ」
「つき合っていたというよりは『つき合ってもらってた』ですね。もちろん坊ちゃんが」
「はぁ?何だよソレ。ありえねー」
「早く思い出しな、坊ちゃん」
時々しか見せない、にっこり笑顔になると
「あ、それから肉体交渉は合意でない限り禁止ですよ」
と、つけ加えた。
「にっ、にく・・・」
赤面した司を置いて、部屋の中へ行くよと声をかける。
つくしが出てきてギロリと睨んだ。

「だいっきらい。ベーだ」
何を言われるかと思って構えていたから、予想外のセリフにぷっと吹き出した。
「小学生かよ」
するとつくしが目を丸くして
「久しぶりに笑った顔見た」
と、自分も嬉しそうに笑った。

どくん

心臓が大きく一回打って、ノドが詰まったみたいに苦しくなった。
思わず抱きしめたい衝動に駆られたが、タマの視線が刺さって寸でのところで我慢した。
「じゃ、またね」
ワゴンを押して帰っていく後姿を、角を曲がるまで見ていた。

「・・・・・・まあ、狂犬に咬まれたと思ってさ」
タマの言葉と
「でも先輩、狂犬に咬まれたら狂犬病になっちゃうんですよ?」
という答えに、何が狂犬だよつき合ってんだから問題ねーだろと抵抗なく考えてしまって、
自分でも驚いた。

さっきの笑顔が頭から離れない。
それと唇の柔らかさも。
頭の中がいっぱいになって、思い切りベッドにダイブした。




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コメント
細胞が・・・・
やっぱり、司の細胞全部がつくしを好き!っていうのが
一番です。

タマさんとつくしの会話も、小さく(?)お説教をもらってる司も次が読みたい!って思いました。

楽しみにしていますね。
2009/08/22(土) 18:36 | URL | ちふゆ #-[ 編集]
Re: 細胞が・・・・
坊ちゃん、センパイの言うこと、ぜーんぜん聞いてません。
右から左です。
タマさんかわいそうっ!
でも坊ちゃん、お説教なんておとなしく聞いてるタマじゃないですよね…
1分が限度かなぁ。
はっ!すいません妄想入ってました!
コメント、ありがとうございます。やる気でます!

2009/08/23(日) 10:23 | URL | とば #-[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009/08/23(日) 19:32 | | #[ 編集]
Re: つかつくサイコー
コメント、ありがとうございます。
ストックがもう少しあるので、できるだけ毎日更新できるよう
頑張りたいと思います。しかし、勝手にサカって勝手にヘンなことして、
坊ちゃんヒドイですね←お前が言うな。
2009/08/23(日) 21:53 | URL | とば #-[ 編集]
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