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つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

復讐の女神 5

知ってる。
おかしいのは知ってる。
でも、今はどんなおかしな論理でもコイツを言いくるめねーと。
俺は牧野の性格を知ってる。
コイツは、一旦決めたら頑固だ。
友達に戻るとか言っても、必要以上に距離を置き、
ちょっと知り合い、程度の扱いをされるに決まってる。
放りだされて、コイツが他の男といちゃいちゃしてんの、
指を咥えて見てろってかよ!

牧野とは、もう終わったと思ってた。
やり直すなんてとんでもない、会うことすらできねーだろうと。
でも、会っちまったら。
この輝きを、もう一度目にしちまったら。

欲しい。

欲しくてたまんねぇ。
「牧野、だから」
言いかけた時、襖がガタンと鳴った。
「ちょっと!静かに!ばれるでしょ!」
「後ろから押されたんだよ!」
「つか、狭い」
「静かになっちゃいましたよ、中。ばれてるんじゃないですか?」


いやっつーほど聞き覚えのある声。
はぁ・・・・。
「・・・・てめーら、バレてんだよ!入って来い!」
「げ、まじい」
「美作さん、先行って」
「また俺かよ」

ソロソロと襖があいて、よく知った顔がいち、に、さん、し・・・何人いるんだよ!
「・・・・あ・・・あんたたち・・・」
総二郎がニヤニヤ笑ってこっち見る。
「よう、ずいぶん刺激的な体位じゃん」
「は?・・・・あ・あ・や・ぎゃあぁぁ!!」
我に返った牧野が、俺を思い切り突き飛ばして反動でひっくり返る。
「牧野、パンツ丸見え」
「白かよ、色気ねーなあ」
「う、うるさいうるさい!何なの、あんたたち!い・いつから・・・」
「いつからだっけ。騎乗位の時から?」
「いや、回し蹴りから」
「騎乗位言うな!蓮!あんたでしょ!あんたが集合かけたんでしょ!」
「おう、冴えてんな。」
「まあ、とにかく座ろうぜ」





多分、4人用の、卓の周りに総勢8名。
・・・スシ詰め?スシ責め?
どっちでもいいけど狭めー。
「ねぇ、何か、TVとかで見る大家族みたいだね」
「滋さん、ちょっと、足踏んでます」
「俺、帰っていい?」
「ダメだ、類。団体行動乱すな!」
てんで勝手な事を言いながら、ぎゅうぎゅうに座って
やけに楽しそうなこいつらを見てると、むかむかと怒りがわいてくる。
「てめーら、いったい何の用だ」
低く唸ると、全員がくるっとこっちを見て、次にあきらを見た。
あきらが自分の顔を指さして、俺かよ!とか言って。
何か言いかけたが
「それではこれから、『司とつくしの未来を考える会議』をはじめま~す」
滋の能天気な声にずるっとこけた。
「「は?」」
重なったのは俺と牧野の声で。
何が始まるんだよ。
アタマいてぇ。
「話は外で聞かせてもらったぜ」
「牧野さあ、司に復讐すんのやめる気だろ」
「え?う、うん、そうだけど」
「やめるのはやめろ」
「へ?」
「つくし、あたしたち、つくしの復讐に全面的に協力することになったから」
「は?」
「あのよ、牧野。俺たちにとっちゃ、司も牧野も大事なダチだ」
「禍根なくすっきりつき合っていきたいんだよ」
「あの、だったらいいじゃない、あたしがもういいって言ってんだから、
余計な揉め事起こさなくても」
「ばか、お前はいいだろうけどよ」
「道明寺さんは、ずっと引きずると思いますよ?今の時点では、
道明寺さんが一方的に先輩にひどい事して、借りがある状態なんですよ」
「2人が対等になるためには、お前もやり返さないと」
「それで貸し借り無しだもんね」
「何言ってんのよ!おかしいでしょ!それ!」
「それにせっかく、対・司用にお前を磨き上げてやったのに、
俺たちの苦労がムダになっちまうじゃねーか」
「俺の仕込んだ、茶道も作法も」
「俺の仕込んだダンスもテーブルマナーも」
「俺が教えた英語もフランス語も」
「私が教えた護身術も」
「ちょっと待て、滋、お前の担当護身術じゃねーだろ。お前は美容関係だろ」
「へへへ」
「・・・どーりで、パワーアップしてる訳だ」
「私は、フェロモン担当だったんですけど、すいません、無理でした」
「ばか、三条、それこそ牧野にとって一番大事なもんだろ!」
「だから、もういいんだっってば!」
「良くねーよ!お前、復讐が終わったら俺の女になるんだろ?
いつまで待たせ・・痛てぇっ!!」
「勝手に決めてんじゃねー!言ってないからそんな事!
っつーか、あんたたち完全に面白がってるだけじゃないの!
道明寺、あんたも何か言いなさいよ」
「やだね、このままの展開の方が、俺にとっちゃ都合いーし」
「ばか!裏切り者!」
「諦めわりーぞ、牧野。よし、んじゃ多数決で決めようぜ。
牧野、お前、前に『多数決は大体において公平な方法だ』っつてたよな」
「やだ!この状況、全然公平じゃないじゃん!」
「この件を多数決で決めた方がいいと思う人~」
「「「「「「「「は~い!」」」」」」」
「やだっつってんでしょー!!!」
「牧野は司に復讐するべきだと思う人~」
「「「「「「「「は~い」」」」」」」」
「決まったぞ牧野」
「・・・・・・・・・」
「決まったぞって」
「もうどうでもいい・・・・・」
「牧野、元気ないね」
「当たり前だよ・・・ってか花沢類、あんたも手ェ挙げてたよね・・・」
「団体行動乱すなって言われた」




呑んでもいねぇのに、ものすごいテンションで。
どんな目に合わせるとか、牧野に逐一報告させろとか、陰から監視
しようとか、言いたい放題を黙って聞いてたが。

待て、俺と牧野の事だよな。
俺らこんな蚊帳の外でいいのかよ。

牧野は現実逃避を決め込んだらしい。
好き放題言われてんのに反応もせず、ボーっと宙を見つめている。
手持無沙汰なのか、人差し指で唇をぷにぷに触ってて。
呆けた表情と、ぷにぷにの唇と、極度にまばたきが減ったでかい目と。

くそっ!
かわいい。
めちゃめちゃかわいい。
思いっきり抱きしめてー。


多分俺もボーっとしてたんだろう。
「司、決まったよ」
滋のでかい声で我に返った。後を三条が引き取る。
「取り合えず、お2人には2ヶ月間つき合ってもらうことに決まりました」
「どっから2ヵ月が出てきたんだよ」
「ウチとの合同プロジェクトが2ヶ月間を予定してますから。ほら、道明寺
さんも、捨てられた後コイツと一緒に仕事するのやりにくいと思って」

へらへら笑う柴崎をぶん殴ってやりてぇ。
牧野をこいつ呼ばわりすんじゃねぇ!
てめぇのモンじゃねーんだよ!
俺のモンでもねーけどよ!
殺す勢いで睨みつけると、横からあきらが
「柴崎、気をつけろ。大分丸くなったとはいえ、司はあぶねーぞ」
「牧野の事、勝手に捨てたくせに独占欲だけはあるんだ?」
「こら柴崎!気をつけろって言ったろ!司、お前も落ち着け!押さえろ、総二郎」
「てめ、本性だいぶ違うじゃねーか!誰に向かって口きいてんだ、
ぁあ?」
「ヤクザかよ・・あんただって大違いだよ。仕事ン時と別人じゃねーか。
言っとくけど俺は牧野に惚れてる。
今回のカタがついたらマジで口説くつもりだから」
「殺す」
「こら、お前ら落ち着けって」
「こんな狭いとこで暴れんな!」
「やれ!司!行けっ!」
「滋さんっ!!」
頭に血が昇って柴崎に殴りかかる寸前、
「道明寺っ!!蓮っ!!」
ピシリと鞭で打つような牧野の叱責にお互い固まる。
そろりと横目でうかがうと、牧野がおっかねー顔で睨みつけている。
やべぇ・・・怒らせた・・・
柴崎を見ると、ヤツも情けねーツラしてこっちを見てる。

「すっげえ牧野。一声?」
「調教テク健在?」
「っていうか猛獣増えてますけど」
「目指せ動物王国ってか?はははは牧野王国」
「はいはい、じゃあ落ち着いたところで話し戻すよ~。って訳で、2か月ね。
つくしはこの2か月で思い残すことのないように思いきりやって。
司は何をされても甘んじて受け入れること。
そして2ヶ月経ったらお互い水に流して友達に戻ること。わかった?」
「なぁ、思いださねぇ?2ヶ月限定カップル」
「それ縁起悪くねぇ?」
「いんじゃね?今回だって最後は司、捨てられること決定だしよ」
「だな、はははは」
完全に遊んでんじゃねーか。

「あと、肉体交渉についてはお二人に任せます」
「「ブッっ!!」」
「汚ねーな、お前ら。両側から吹くなよ」
「に、にくにく、にく・・・」
目を白黒させてる牧野の両肩に総二郎がポンと手を置く。
「お前らもいい大人だ。ヤボは言わねぇ」
「せいぜい司を困らせてやれ、牧野」
「なっ・・・・んー!んんんんー!!!」
多分怒鳴り散らそうとした牧野の口を塞ぎ、後ろから羽交い絞めにしたあきらが
「よーしよし、おとなしくしろ」
と、牧野を宥めている。
てめぇはムツゴロウかよ。
牧野に触ってんじゃねーよ。


こうして、牧野には不本意な、俺には幸運な、復讐劇は始まった。



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コメント
ううっ・・
司・・・がっんばって、つくしを振り向かせろv-237つくしにはつかさ・つかさにはつくしv-23v-24・・・・これしか私には言えんv-237・・・てか。何かすいません、、偉そうですよね、、、私、、、、これから気をつけます・・・v-12v-8・・・ではっv-237v-237v-8
2010/07/11(日) 15:20 | URL | ナメコ #-[ 編集]
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