FC2ブログ

つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

バンビ

「あなたたちバランスが悪いわ」

ひっさしぶりに会ったと思ったら、何を言い出しやがるこのババァは。
牧野が隣でキッツイ言葉に備えて息を溜めている。
「あと10cm高いヒールを持って来て頂戴」
「は?」
「へ?」
意表をついたババァの言葉に2人で顔を見合わせる。
女王の言葉はすぐに叶えられ、凶器みたいな靴が持ち込まれた。
「履いて、司と並んでごらんなさい」
牧野がゲーッと言う顔をしながらも、靴を履き替えて隣に立つ。

いつもより10cm近い目線。

なんかヘンなカンジ。

「見て道明寺」
あははと笑って牧野が指さす下を見ると、ぶるぶると震える足もと。
「生れたての小鹿」
ブーッと思わず吹き出しちまったが
「笑いごとではありません」
ババァに怒られた。
「練習してきなさい」

何センチあるんだ?これ。
いつもローヒールの牧野は全く一人で歩けず、腕を組んでやる。
それでもふらふらしてるから、腰を抱いてぴったりと俺に添わせ、
それでやっと安定してたくせに。
「ちょっと、あんまりくっつかないでよ」
一人で立てもしねーくせに文句言いやがるから、パッと手を放してやった。
「ぎゃああぁぁぁあああぁぁっ!!」
途端にぐらぐらして、俺の腕に縋りつく。
「胸、当たってんぞ」
「ヘンな事言うな、バカ!」
こんなに牧野に全面的に頼られる事って、ねーよなぁ。
俺がいねーと、立てもしねーなんてよ。

・・・・・すっげぇ気持ちいい。
庇護欲を掻きたてられるって、こんな感じか。

生まれて初めてかも、ババァに感謝。

「あのさ、今あたしさ」
歩くのに集中してるから、かなり棒読みで牧野が言う。
「完全介護?」
爆笑したら睨まれた。
「やだ。これ。あんたに頼らなきゃ歩けないなんて、すっごいクツジョク」
「くくく、お前はそーだよな。よし、お前今から背ぇ伸ばせ10cm。牛乳とか飲んで」
「伸びるか、アホ」
苦笑して視線を捕らえた。
「俺は別にこっちでもいーな。キスしやすいし」
証拠を見せたら真っ赤になってパンチを繰り出してきた。
足が踏ん張れなくてふにゃふにゃの。

「なに笑ってんのよ!」
「やっぱこれじゃ、お前らしくねーな」
後ろでドアを開ける軽い音がして、ババァが現れた。
牧野と2人、目を合わせてズルイ顔して笑いあう。

「行くぞ」
「おう」

ヒールをぽいと投げ捨て逃走した。
ゲラゲラ笑いながら。
待ちなさいとか聞こえたが余裕でスル―だ。

外へ飛び出し、裸足の牧野を抱き上げる。
「ちょっとどこまで行くのよっ!」
焦る牧野にニヤリと笑って
「2人きりになれるトコ。逃げらんねーぞ、靴ねーもん」
「ちょっと!降ろして!降ろしなさい!バカ!」
「ばーか、降ろすかよ。ははは・・・ってぇ!殴んな!ははは・・・」
「いーやー!!」


帰ったら、氷点下の空気と、キッツイ説教が待っていたが
2人並んでなら叱られるのも悪くない。
オニみてぇな顔で、ババァが説教くれた後。
後ろ向いて。
微かに笑ったのが見えた。

「あなたが大人しく叱られるなんて」
小せぇ声も聞こえたが。

まあ、そこは。

気づかねぇフリ。




                        Fin






0574.gif


コメント
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009/11/25(水) 06:15 | | #[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2010/04/25(日) 00:42 | | #[ 編集]
ゆずさま
ヒッ・・・・
ガクガクガクガク(震え)見ちゃったんですね・・・・
おおおお越しいただきああありがとうございます←ひどく動揺しています。
こちらこそ、いつも笑いと切なさと萌えと・・・心が熱くなるような気持ちをいただいておりますのに……。
わざわざお運び頂いてありがとうございます。
コメ見た瞬間「ヒィッ!!!」って言ってすいません(笑)。
ホントに嬉しかったです。
ありがとうございました。
2010/04/25(日) 17:07 | URL | とば #-[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2014/10/24(金) 12:11 | | #[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2014/11/03(月) 11:10 | | #[ 編集]
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。