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つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

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復讐の女神 1

広い庭は人で埋め尽くされていた。
タキシードにブラックタイの黒い背景の中を、鮮やかな色の無数のドレスが見え隠れする。
「やあ、司君。帰国おめでとう」
「ありがとうございます」
脂ぎったタヌキどもが悠然を装って絡んでくる。
どいつもこいつもニヤニヤしやがって、何が楽しいんだか。
クソくらえ。
そいつらを次々とこなしながらパーティー会場を進むと、懐かしい奴らの顔があった。

「よお」
「おー、司。ひっさしぶり。3年か?」
「いつ着いた?」
「今朝」
「帰国当日にパーティーかよ。相変わらずハードだな」
「ババァが今日しかあかねーんだよ」
「自分の帰国祝いじゃフケらんねーしなー」
話しながらもこいつらの中に探しちまう。
居るはずのない、小柄な女。
「牧野は・・・」
つい口から出ちまった名前に、親友たちがぴたりと笑いを止める。
「や・・・聞く資格ねーのはわかってっけど・・・元気なのか?」
「つかさ・・・」
総二郎が表情を強張らせ・・・・・強張らせ…?
「ぶー・・・はははは!」
いきなり笑いだした。
あきらも。
類も。
「んだよ!」
予想外の反応にキレぎみに怒鳴ると、あきらがポンと俺の肩に手をやり震える声で言った。
「いや、司。お前これから大変だぞ」
「くくく、頑張れよ」
「なんだっつーんだよ!!」
再びあいさつ回りに戻った俺は、上の空だった。
タヌキどもの相手をしながらも、頭ん中では3年間がぐるぐるする。

NYで4年を過ごし、春には帰国できる、牧野に会えると楽しみにしていた
俺は突然、地獄へと突き落とされた。

日本にいた時、妨害してくるのはいつもババァだった。
NYに渡って以来、ババァが牧野の事で何にも言って来ねーから、黙認っつー形で認めてんだと思ってたら・・・いや実際ババァは認めてたらしいが。
今度はジジィが出てきやがった。

いわく。

お前はまだ若いから始まって。
自分は一度大病をして、また何があるかわからない身だと。
何かあった時のために後ろ盾のある女と結婚するべきだと。
俺が牧野と全然別れる気配がねーから、痺れを切らして出てきたらしい。
ふざけんな死にぞこないが。
俺がこんなクソみて―なとこで4年間も、好きな女にも会えず血反吐吐くような思いで過ごしたのは、一体誰のせ―だと思ってんだよ!
何回も何回も騒ぎになって、とうとうあっちは脅しに出た。
別れないなら牧野に危害を加えると。
心底自分の親を憎んだ。
あんたもかよ・・・!と。
クソみてぇな両親から生まれてきた自分を呪った。


結局俺は牧野と別れた。
直接話すこともしないで。
もう待たなくていい。別れようと。
メールを送って、すぐさま携帯を二つに折って捨てた。
何百回も、電話で、メールで牧野とつながった、俺の命綱みて―なちっちゃい機械を捨てた時。

心も死んだ。



「ちくしょう・・・」
俺が追憶に浸ってへこんでると、邸の方が急にざわざわしだした。
気を取られて見ると、人混みが2つに割れて、その奥から・・・

「・・・・・・牧野…・?」

夢見てんのかと思った。

真っ黒な、艶やかな長い髪をアップにして。
すんなりと細い首がむき出しになっている。
細い2本の紐で支えられたブルーのドレスは白い肌を引き立たせ、
スリットからちらちら覗く腿がたまんなく煽情的。
あどけなさを残した顔と華奢な体つきで、妖絶とは言えないが、
相変わらずでかい目が長い睫毛に囲まれて潤んだ姿は。
すげぇかわいい。
妖精みてぇ。
・・・思わず吹き出した。
あほか、俺。
25にもなった男が、なにが妖精だ。

牧野と目が合った。
ビクリと身体がすくむ。
目が離せねぇ。
隣の男を見上げて何か話しかけてる牧野。
視線をこっちに戻して、まっすぐに顔を上げて男にエスコートされながら優雅に進んでくる。
多分俺は、すげー間抜けなツラになってる。
腕を伸ばせば触れるくらいのところに牧野がいる。
俺が憎いのか。
表情はない。


「ご帰国おめでとうございます。道明寺さん」
「ありがとうございます」
条件反射みてーに返事が出たが、牧野から目を離せない。
「柴崎物産の柴崎蓮です。これは秘書の牧野つくしです」
「ひしょ・・・・」
周りから見たら1本たりねーバカだろーな、俺。
女に目を奪われてアホ面こいて。
この7年間で身につけたポーカーフェイスは一体どこに行っちまったんだ。
「久しぶり、道明寺」
牧野がにっこり笑った。
かわいい。
かわいい。
かわいい。
頭の中がいっぱいになる。
なにも言えずに固まった俺に、牧野は優雅に歩み寄り・・・
頬笑みながら、懐かしい声で囁いた。

「なに、振った女見つけて噴き出してんのよ。ずいぶんシツレーくさいんじゃない?」
「・・・いっ・・・・!!!!」
ピンヒールで俺の足を思い切り踏んづけやがり
そのまま笑顔でギリギリとねじ込んできやがる。
こえー、目が笑ってねぇ。
「ごめんなさい。履きなれないもので」
ウソつきやがれ。
あんだけする~っと歩いてきて何言ってやがる。

足の痛みを、やっと取り戻したポーカーフェイスで耐えていると、後ろからにぎやかに
親友たちがやって来た。
「お、牧野さっそく何かやったのか」
「あ、皆久しぶり~」
「司、どうした?どっちだった?パンチか?蹴りか?」
「・・・・・・」
「違うよ。間違って足踏んじゃっただけだよ」
わざとだろーがよ。
「お~。おい、あきら聞いた?さっきの賭けたのチャラな」
「賭けんな!」
「足踏むだけって、ちょっと地味じゃねー?」
そのまま柴崎とか言う男も交えて輪になる。
「なー、司、牧野見んの久しぶりだろ」
「ああ・・・」
「きれいになっただろ~」
「賢こそーだろ~」
「品もあるだろ~」
「色気はないけどね」
「ちょっと!花沢類!」
「・・・・なんでお前らが自慢げに言う訳?」
「だって、牧野をここまで磨き上げたの、俺たちだもん」
「「な~」」
「はっ?」
聞き返した俺の声は、我ながらかなり素っ頓狂だった。




「あたし、あんたが帰ってきたら言いたいことがあったのよね」
ピンヒールの足を踏ん張って、ビシッと俺の鼻先に指をさして。
まっすぐに目を合わせる牧野は、俺の記憶にあるままの牧野で。
そりゃ、見た目はずっとずっとキレーになってるが、強い光はおんなじで。

涙が出そうになった。

「あんたに復讐してやる。」
「復讐・・・」
「ポイ捨てされた気持ちを思い知らせてやる」



「宣戦布告よ!」






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コメント
勇ましい
久しぶりに読みました。
勇ましいつくしちゃん、私は好きです。
司くんを振り回すのが読んでいて面白いです。
2009/10/05(月) 08:53 | URL | つゆかノエル #STO9711o[ 編集]
がんばれ
v-25v-238色付きの文字つくしちゃんの、ふくしゅうかーー。。v-237v-237何か、これから、太字の文凄いことになりそうv-10v-10、、二人は幸せになれるのv-236v-236がんばれv-237とばさんもね
2010/07/11(日) 14:58 | URL | ナメコ #-[ 編集]
ナメコさま
こんばんは
初めましてとばと申します。
もう全部読んでしまわれた頃でしょうかe-351
この話とか、すごく前に書いたものなので文章が荒くて、恥ずかしくて仕方ありません~~。
スイマセン、どうかサラッと読み飛ばしてくださいませe-330
2010/07/11(日) 22:38 | URL | とば #-[ 編集]
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