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つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

休日 2

二人揃って休みな事は滅多になくて。
時間を気にしないで牧野を抱けることも珍しくて。
結局朝方まで離せなかった
日曜日。


視線を感じて目を開けると、至近距離に牧野の顔。
「わ!」
と、でけぇ声で叫ぶと、四つん這いのままザザッと後ずさりした。
「わ、はこっちだっつーの」
「み見てただけ、見てただけ!」
「見惚れてたの間違いだろ」
「違うよっ!いっつもの意地悪顔とのあまりの落差に驚いてたんだもん!
ホントあんた寝顔はかわいいのよね。睫毛とかも長いし。起きてる時は性格の悪さが滲み出てるんだけどさ」
「・・・・・・・・ゆうべはあんなに素直だっ」
「さあ!シーツ洗濯するからシャワー行ってきて!」
全部言わせねぇために、またでけぇ声で。
「声でけーよ」
笑いながら起き上がった。

「お前何時に起きた?」
「1時間くらい前。ほら、早くどいて。もうお昼だよ」
俺がまだ居んのにシーツを引っ張って外し始める。
「お前、メイド呼んでやらせろって」
「やだよ!恥ずかしいじゃん!」
「わっかんねーな、何が恥ずかしいんだよ。っと庶民の考えってヤツは」
「庶民がどうとかじゃなくヒトとして・・・もう、ウルサイっ!いいから早く行けっ!」
何かキレだしたから、慌ててバスに向かった。

わかんねぇ。
何度も何時間も愛し合ったから、もちろんシーツはいろんなモノでぐちゃぐちゃになってっけど
何が恥ずかしのか。
好き合ってる男女が一緒にいれば、とーぜんの事じゃねぇの?
まあ、牧野の奇行にももう慣れたが。
使用人にも、あいつがこの邸の中で何をしようが放っとけっつってあるし。

熱いシャワーを浴びると、ぼんやりしてた頭が冴えてくる。
同時に数時間前までの幸福を思い出す。
やっぱ牧野を抱いてる時が、一番幸せだと思う。
それは性欲とかそんなじゃなく、なんつーか・・・・
言葉にはできねーな。
あいつの体液を洗い流すのがもったいない。
どうせなら全部舐めとって俺の一部にしたい。
・・・・・・・変態っぽいからやらねーけどよ。
それにどうせ舐めるなら・・・って、やべぇ。
反応してきた。
10代のガキか俺は。

今日はまだ長い。
ずっと牧野と一緒に居られる。
そんな小せぇことで、こんなにも幸せになれる自分を、アホだとも思い、満足もする。

頭をひと振りして、シャワーブースから出た。



メシ喰って、コーヒー飲みながら牧野に
「今日どうする?どっか行くか?」
と聞いてみる。
アリンコ牧野はケーキを口に入れたところで、手を挙げてちょっと待ってのポーズを作りながら
俯いた。
「おい」
無反応。
「おい!」
「あ~!美味しかった~♡」
すげぇ笑顔で顔を上げた。
「今ね~、一番おいしいとこ食べた~」
「ぷっ、一番甘いとこの間違いだろ、アリンコめ」
こんなの、いくらでも用意させんのに
『ダメだよっ!一個だけ食べるから美味しいんだよっ!』
コブシを握って力説とかして。
アリンコの気持ちなんてわかんねーけどよ。

「そんで、どっか行くかって」
「行かない。お昼寝するの。それから~、起きたらおやつ食べて~、今日ね、木村さんが言ってたけど、おやつマカロンだって。楽しみだね~」
「・・・・・また喰うのかよ」
「それから夕方、散歩行こう?紫陽花がキレイだって谷さんが言ってたから」
「木村とか谷って誰だよ」
「パティシエの木村さんと、庭師の谷さんでしょ!まったくあんたはいつまで経ってもお世話になってる人の名前を覚えない!」
「うるせぇな、お前みたいにちょろちょろしねーんだよ、俺は。しっかし・・・」
もう慣れっこで苦笑するしかねぇが
「ったく地味な女だよな、お前は。せっかく休みなのに。『香港にお買い物に連れてって』くらい言ってみろって」
「行かないよ。何でそんな遠くまで買い物行かなきゃいけないのよ」
地味が気に触ったのか、ジト目で睨んできやがった。
「お昼寝するの、あたしは。昨日あんまり寝てないし」
「わかったって。睨むな」
わかればいいとか言って、さっそく牧野はベッドにもぐりこんで丸くなった。


多分俺のためだ。
邸で過ごすのは。
休日もこうして、持ち帰りの仕事をしなきゃいけなかったり、日頃の疲れを
持ち越してたりする俺のためだ。
PCの画面を睨みながらも、胸の中が温かくなる。
素直に出してこない愛情に、物足りなさを感じる時もあるが。
気がつけばそれに包まれている幸福。

それにしてもいいよな。
仕事してる横で、好きな女が安心してすーすー寝てる。
無意識に目がいっちまって、まあ、能率は悪いんだろうがスゲー幸せ。
・・・・・・・会社にも持って行きてぇ。

牧野もまだ起きねーし、ついでにデータの整理でもするかとドキュメントを開けると、見慣れないファイルがある。
「なんだこれ」
無題。
・・・覚えがねぇ。
削除する前に一応確認しようとファイルを開くと、wordの画面。

・・・・・・・・・
・・・・・・白い。
どこまで行っても白い。
スクロールしながら、やっぱ削除だとファイルを閉じようとすると、何か見えた。

一番最後のページの、一番最後の行の、一番後ろに。
一番ちっせーフォントで。








                       大好き 愛してる


・・・・・・・・・信じらんねぇ・・・・・・
左手で口元を覆い、天を仰ぐ。
多分今、ありえねーくらい二ヤけてんぞ、俺。

しばらくそのまま時間が止まっていたが、ある考えに行きあたった。
データを消されちゃ大変だ。
慌てて新品のスティックを取り出して保存しまくった。
10本もありゃいいか。


・・・・・ったく。
俺を喜ばせる天才だ、この女。
それに気づいてねぇタチの悪さも含めて。
まったく。
この、世界の道明寺司様が。
つき合って何年も経つのに、こんな、手書きでもねぇ署名もねぇあっさり風味のたった二言に。
踊りだしたいくらい浮かれてるなんてよ。
「ありえねーだろ」

そっとベッドに上がって寝顔を覗きこむ。
安心しきった表情を、飽きることなく眺める。
「・・・・・・・・・起きろブス」
小さく呟いたら、願いが通じたのか牧野が薄く目を開けた。
「・・・・・・・・・ん・・・・・」
掠れた声で、小さく吐息を漏らして。
焦点の合ってない目で俺を見つめて。

そのまま唇を合わせると、条件反射みたいに唇が薄く開き、舌の侵入を許した。
性急に、思い切り濃厚に味わうと、苦しそうに声を漏らして胸を押しのけようとする。
正気づいたのか、唇を離すと途端に
「ちょっと!あんた、寝込み襲ってんじゃないわよ何考えてんのよ!」
ぎゃーぎゃー言いだした。
「大丈夫だ、お前の嫌がる事はしねー」
「嫌がる事しかしない、の間違いでしょーが!くそバカ!どーいーてーよー!」
「うるせぇ!いま愛情がMAXに溢れてきてるとこなんだよっ!」
「訳わかんないから!なに昼間からサカってんのよ!ちょっと、やーめーてー!」
抵抗を難なく押さえ込み、どんどん先に進んでいく。
いつもならこの辺で大人しくなるはずが、今日は。
「往生際が悪りぃな」
白いふくらみにマーキングしながら言うと、ボコッと殴られた。
「ムリってば!あんた昨日どんだけ無茶したと思ってんのよ!痛いの!ヒリヒリしてるの!
あんたのせいで!だからダメ!」
真っ赤になんなよ、感染んじゃねーか。

「牧野」
「何ニヤニヤしてんのよ。わかった?」
「わかった。悪かった」
「わかったら離して・・・ぎゃー!ちょっと!ダメだってば!」
「責任取ってやる」
下着の上からそっとなぞって、耳朶をねぶるみたいに吹き込んだ。
「舐めて治してやるよ」





「外、気持ちいいね」
まだ痛む後頭部をさすりながら付いて行くと、牧野が振り返って笑う。
「・・・たりーよ」
お前が言ったんじゃなきゃ、庭になんか出ねぇ。
「ダメだよ、いっつも机の前で仕事ばっかりしてさ。足腰弱るよ」
後ろ歩きしてた牧野が、何かに引っ掛かってふらついた。
慌てて手を掴んで引き寄せる。
「あぶねーな。足腰弱ってんのはどっちだよ」
笑いながら手をつないで歩く。
「ねぇ、手をつないで散歩って何かいいねー」
機嫌良く、牧野が見上げる。
「広い庭も、こういうとこはいいね。人目がないし」
ひょいとかがんで素早くキスして
「人目がないし?」
真っ赤になった牧野が立ち止まり、多分全力で背伸びして頬にキスした。
「人目がないし」
「もっかい」
「もうダメ」
すげなく答えて、牧野は俺を引っ張ってずんずん歩きだした。


そして紫陽花。
紫の、ピンクの、咲き誇る。
「きれーだねー」
「ああ」
「かわいいねー」
「ああ」
「・・・・見てないじゃん」
「お前の方がかわいいもん」
「・・・・・・ばか・・・・」

「紫陽花の花言葉って知ってる?」
「ハナコ?誰だよそれ」
「・・・・・・・もういいわ」






                          Fin





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コメント
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2011/10/02(日) 20:47 | | #[ 編集]
ハリーさま
こんにちは
初めまして、とばと申します。
こちらでは初めてですが(・・・と思うのですが・・・)拍手の方では何度もありがとうございます。
嬉しいコメントを頂く度に、『ダーティーかな・・・どろんこかな・・・』と想いを馳せておりました。←失礼
古い話にコメントありがとうございます~~!は、恥ずかしいよぅ///////
読み返して、壁に頭を打ちつけたくなりました。
いやでも本当にもう、うわー←混乱(笑) 
ありがとうございました~//////
2011/10/03(月) 09:04 | URL | とば #-[ 編集]
こんばんは~
また、遊びにきました~♪
司とつくしのラブラブぶりにあてられそうです!
仲が良くていいですね(^-^)
ドラマ版では司とつくしが大好きでした。
あのパワフルな二人のやり取りを思い出します。
いっぱい作品があるので日々読ませて頂くのが楽しみです。
また次を読みに来ますね。
お邪魔しました~♪
(先日のコメントでだいぶ励まして頂き、元気になってきました。ありがとうございました(^-^)
2012/06/05(火) 00:07 | URL | リリス #-[ 編集]
リリスさま
こんばんは
こんな、つかつくしかないようなところにわざわざスイマセン。
お元気になってこられたとの事。何よりです。
こういう活動をしていると、いろいろありますよね。
ですが本当に、大部分は優しく見守って下さって下さる方ばかりなので、心配せずいきましょう~。
うちの、常にケンカ腰の2人にもお言葉ありがとうございました!

2012/06/07(木) 01:51 | URL | とば #-[ 編集]
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