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つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

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休日 3


持ち帰りの仕事を終えて、PCを閉じる。
さあ、牧野はどこだ?
タマの部屋に行くって言ってた。

「タマ、牧野は?」
ひょいと覗き込むと、ちゃぶ台に座って一人で茶ぁ飲んでるタマ。
「つくしなら物置ですよ。虫干しを手伝ってくれるって言うんでね」
「何させてんだよ、タマ!」
突然の大声にタマが驚いた顔をした。
「あいつが虫、苦手なの知ってんだろ!」
怒鳴って飛び出した俺の後ろから、タマの笑い声が追っかけてきた。

「大丈夫か!牧野!」
ガンとドアを開けると牧野がビクッとしてこっちを見て。
あっという間にゆでダコみてーに真っ赤になって。
そして。
「きゃあああああぁぁぁぁぁっっっ!!!」
「ウルせーな。んだよっ!」
耳を塞ぎながら近くに行って・・・・ん?
ジャケット。
牧野の着てるぶかぶかのジャケット。
「これってよー」
ひょいと屈んで牧野の顔を覗きこむ。
「・・・・・・・・・」
久しぶりに見る、いっぱいいっぱいの顔。
二ヤリ。
「俺の英徳の制服じゃん?」
固まってる。
「お前、何してたの?」
「・・・・・・うあ・・・・・」
「かっわいい~牧野」
「ちっ、ちがっ・・・ん、んんんんー!!」
叫び出した牧野の口を手で塞ぐ。
廊下に人の気配。
見つかるとウルセーし。
せっかく2人きりだし。

牧野を拘束しながら、しげしげと観察。
着てるっつーよりは、引っ掛かってるってった方がいい。
肩の線が肘近くまで下がってるとことか。
かろうじてちらっと見えるだけのピンクの指先とか。
マジそそる。
『あと、何残ってる?』
『シーツのアイロン掛けだけですね。』
『えー?すごっ!早っ!どうしたの?』
『今日、朝から牧野様が来ることになってたじゃないですか。それで坊ちゃんが早くから起きてらして。それもお一人で!』
『えー?あの寝起きの悪い人が~?』
『よっぽど楽しみなんでしょうね~、ソワソワされて』
『さすが牧野様効果ね~』
『おかげさまでこっちの仕事も早く片付いちゃいました。ところで、きのうの・・・・』

やばい。
形勢逆転。
押さえた口と頬が二ンマリの形になったのがわかる。
ちらっと見下ろすと・・・。
「お前、なんだよその目」
「楽しみだったんだ~」
「べつに」
「早起きしたんだ~」
「してねーよ」
「いひひひひ」
「ああ、くそっ」
あいつら厳罰決定!


ところで。
「お前、虫はいいのかよ」
「虫?」
「タマが、お前はムシ干してるって」
「げ、気持ち悪いこと言わないでよね。ムシなんか干すか!虫干し。虫干しね?」
なんだよそれ。
虫は干すの?干さねーの?
「あ、でもいいところに来てくれたかも」
牧野が笑顔になってこっちを見た。
「ねぇ、あれ取って」
棚の一番上に置かれた箱を指さして。
「これか?」
「そうそう。あー、良かった。あんた頼りになるねぇ」
「こんな時だけ褒めんな」
「これかなぁ。先輩が言ってたの」
箱を開けだした牧野を見て、その辺に腰掛ける。
長くなりそうな予感。

暇だ。
そろそろちょっかい掛けたくなって、床にぺたんと座って何かパラパラ見てる牧野を眺めてた。したら急にブブーッと吹き出して床に転がってゲラゲラ笑いだした。
「うおっ!なんだ急に」
「どぅ・・・・あ・・ははははは・・あんた・・・ははははは・・・」
床をバンバン叩いて笑い転げる牧野の隣にしゃがむ。
しっかり握ったものを見ると、なんだ?
記念誌?
「も・・・も・・・も・・・あははははは」
「んだよてめぇ」
「っももぐみ・・・ももぐみどうみょうじつかさ」
「ぁあ?」
「しょ、しょ、将来の・・・・夢は・・・・・・・『ぜんじんるいのはいしゃ』・・・はいしゃ・・・ぜ・ぜんじんるいの
はいしゃ」
ひーひー言いながら、『ももぐみどうみょうじつかさ』と『ぜんじんるいのはいしゃ』を繰り返す。
パンツ丸見えのボケ女。
「し、し、し・・・支配者ってかかかきたかったの?」
「てめー、涙流して笑ってんじゃねーっ!!」
怒鳴りつけたら一瞬静かになってこっちを見たが、目が合うとまた転がって笑い出した。

あったまきた!
「笑いすぎなんだよ!!」
ひっくり返して押さえつけて、こえー顔作って睨みつけたのに
「そ、そんな真っ赤な顔で睨まれても・・・」
痛ったい。笑いすぎておなか痛いとか言って。
くそ、何かなかったか。
形勢逆転のアイテム。

あった。
いいもんみっけ。

「よー、牧野」
「・・・な・・なーに?も、も・・・ももぐみどうみょうじつかさくん、ぷぷーっ!!」
ピクピクしながらようやく返事した牧野に、制服と一緒に仕舞ってあった物を放ってやる。
ばさり。
頭からかぶったそれを手に取って
「なにこれ・・・短パンとTシャツ?」
じーっと見ていた牧野が、思い出したらしくボンっ!!と真っ赤になった。
「こ、これ・・・・」
「着てみろよ」
四つん這いになって牧野に近づいてく。
するりと、耳元に入り込んで。
「あの時の続き、しようぜ」
「ななななに言って」
「お前、ビビって泣いちゃったもんな~」

ゆっくりと押し倒して耳の下の柔らかいところを味わう。
痕をつけると怒るから甘咬みして。
マーキングは隠れるところで我慢してやる。
と、こっちのペースに持ち込んでたのにボケ女。
いきなり正気づいて暴れ出しやがった。
「や・・・止めッ!!何考えてんのよ!こんな所でッ!!」
「何ってほら、初めてしようとした時におまえが」
「言わなくっていいっつーの!!」
くるりと身体を返して小動物の動きで隅っこに逃げる。
こっちをジト目で睨みつけて
「もうっ!!いつの間にこんなエロ男になっちゃったんだろ。
ああ~、あの頃のあんたは紳士だった。
泣いちゃったあたしに、お前しか考えらんねーから待つわ、とか言っちゃって。
純粋だった。
ピュアっだったなぁ」
ババァの繰り言みてえにぶつぶつ言いやがって。
「ばぁ~か」
ニヤリと唇を吊り上げる。
コイツ曰く『意地悪が滲み出ている』表情。
「何が紳士だ、ターコ。よく考えろよ。健康な高校男子が本気でんなこと言うと思うのか?」
「へ?」
「お前なんかなぁ」
言おうかどうしようかちょっと迷ったが。
「あの頃、俺の頭ん中で何百回も犯られてんぞ。んで隙みてホントに犯っちまおうと思ってたのに遠距離になっちまってよ」

「ば・・・ば・・・」
「ん?」
「ばかあぁぁぁぁぁっっ!!!」
「ぶぼっ!!」
怒声と同時に段ボールが俺の顔に直撃した。
「バカっ!エロ男!ケダモノ!!あたしの美しい思い出を返せ~!!!」
うわーん!とか言いながら飛び出して行っちまった。
大声で笑って見送って。
そして立ち上がった。

うそだ、バカ。
ほんとに、何年でも待つつもりだった。
泣かせたくねー。
傷つけたくねー。
怖がらせたくねー。
今でも変わらない、俺の一番の望み。

「まあ、今、泣かしたとこだけど。しっかし、うわーん、って・・・・ははは」

「取り合えず、タマんとこかな」
機嫌を取るには、甘い菓子にするか、それとも甘いキスにするか。
真剣に考えながら。
牧野を捜しに歩き出した。











                            Fin




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