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つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

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専務と私~大迷惑・前~

ガチャッ、と。
部屋に入るだけで空気の色まで違うからわかる。
居ねぇ。
シンと静まった室内は、今朝出た時と何の変りもないのに。
ガランとして、まるでグレーの膜がかかったみたいに淀む。
真っ直ぐに左の小さい部屋に入ると、デスクの上に白いメモ。

『資料室に行って、そのまま昼休みに入ります 牧野』

「・・・・・・・・・・・・・・・・」

ム・カ・つ・く!!!
ムカつくムカつくムカつく!!
ちくしょうボケ女。
俺が帰ってくんの知ってて、社内で昼飯喰うの知ってて、行くか?フツー。
公私混同?社内のモラル?うるせぇよ。
どんだけオレ放置だよ、ふざけんな。


「・・・・・・・西田」
「はい」
「何時までに来りゃいい?」
「一時間ですね。食事も済ませて来て下さい」
「わかった」

そのまま部屋を出て、今さっき降りてきたエレベーターに逆戻りして、地下まで一気に降りていく小さい箱の中で、軽く腕まわしとく。
例えば出会い頭に殴りかかってきたら押さえるため、とか。
逃げ出したらとっ捕まえるため、とか。
自分の女、捜しに行く時にする準備じゃねーだろーとは自分でも思うが仕方ねぇ。
あの女のカッ飛び方っつったらフツーじゃねぇし、行動まったく予想外。
なに考えてんだか、わかりゃしねぇ。
あいつに言わせりゃオカシイのは俺の方だそーだが、とんでもねーよ。
分かっちゃいねぇなボケ女。

ちん

軽い機械音をたててドアが開く。
地下1階の資料室へ続く廊下は、人工の明かりだけが照らし、霞んだみたいに見える。
「おい牧野」
バン、とドアを開けて入って行くと一番奥の棚の陰から、ちっせー頭がぴょんと出て笑う。
「うわ~!いいところに~!」
小動物みてぇなその仕草に、今すぐ腕の中に囲って逃げらんなくして思いきり抱きしめたい衝動が湧きあがってきて、息が苦しくなる。
ほらな。
こっちがムカついてる時に限って、んなカワイイ顔して笑って、
「来てくれて良かった~!」
とか言って、いい気分にさせといて。
「ねぇ、あそこのファイルとって」
「・・・・・・・・・・・・・・」
ほら見ろ、脚立がわり。

ウキウキさせて、舞い上がったところを叩き落とす。
ネタかっ!っつーくらいの、ボケボケ女の得意ワザ。
ああ、いっそ期待なんかしなきゃいいのに俺も懲りねーな。
もう慣れたと苦笑しながらファイルを引き抜きかけて。
そのまま見下ろしてニヤリと笑ってやった。
「取ってほしかったらカワイイ顔してお願いしろよ、チビ。んで抱きついてキスな」
「ふ・ざ・け・ん・な」
ぐりぐり腹にコブシ入れてくるのは想定内。

だけどバタンと。

ドアが開いて台車と一緒に女子社員が入って来るのは想定外。

ぴたりと牧野のコブシが止まり、でかい目で見上げてくる。
その中に書いてあんのは『見つからないように、静かに』。
ったく。
ああメンドくせぇ。
せっかく2人で居たのに邪魔しやがって、間の悪い女どもめ。
しかもそいつらは、持ち出した資料を棚に返すとか、どーでもいいような事を、ぺちゃぺちゃ喋りながら始めやがった。




「コレどこにあったっけ」
「その2段目ですよ。空いたところ」
「やだぁ、順番バラバラじゃない。めんどくさ~!」
「あたし、揃えて渡しますから、先輩棚に収めてもらえますか」

マジかよ。

一体いつまでかかるんだと、つまんねぇ気持ちになって下向いたところで牧野の怪しい動き発見。
なんかジリジリ横歩きして、俺と距離空けようとしてんじゃねぇよ。
ムカついたから、後ろからぎゅうっと抱きついてやった。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・!」
お。
いいかも。
『見つからないように、静かに』発動中の牧野は、弱々しく腕を外そうとするばっかりで、いつもみたいに暴れたり喚いたりしねーし。
ある意味ラッキーかと、細い身体をすっぽり抱き込んで目を閉じる。


牧野の匂いがする。
甘くて、嬉しくて、胸が痛くなるような。
うっとり堪能してたのに、腕の中の抵抗がだんだん強くなってカワイクねえ感じになってきた。
「暴れんな牧野」
耳に口付けて、気ぃ使って小さく言ってやったのに、牧野はビクンと身体を震わせるともっと暴れ出した。
「動くなって」
「・・・・・・!・・・・・・・・・・!」
静かな攻防を続けていると、遥か向こうの呑気なお喋りの様子が変わった。

「そう言えば、先輩!さっき専務が帰社されましたね~!」
「え~?知らない~!見たの?見たの?」
「見ちゃいました~!ちょうど受付に行った時で~!今日もイイ男でしたよぉぉ!!」
「いいな~いいな~!あ~ん、つかさ様ぁ・・・・あ、そう言えば、この前言ってた事、牧野さんに聞いてみたんだよあたし・・・・・・って教えたっけ」
「マジすか。聞いてない」
「ああ、まだだっけ。ゴメン。誰々に言ったかわかんなくなっちゃってさ」
「いいから早く早く早く。牧野さん、なんて?」
「あのね、後輩なんだって、高校の」
「高校って英徳?」
「うん、そうそう。『だから、親しく扱っていただいてるんですけど、つき合ってるとかそんな、とんでもない!専務とあたしなんて、無関係、無関係。何とも思ってませんよ~』って、すっごい爆笑してたよ~、ゲーラゲラ笑ってた。あははははは」
「へぇ~~~~~~~っ!後輩なんだぁ!」
「ねっ!ちょっといいよね。専務、牧野さんに優しいもんね~」
「後輩か~。いいなぁ~」
「いいよねぇ~」

カチンと。
腕の中で牧野が固まる。
見なくてもわかる。
その表情は  『ヤ バ イ』 

「でもあたしだったら、もし司様の後輩だったら、それ利用して猛アタックだけどなぁ」
「なんか、興味ないって言ってたよ。格好良すぎてイヤなんだって」
「へ~~~~~っ。牧野さん、変わってる~~~」
「ねー!もったいないよねー!」

それから女どもの話は、午後からの業務の事に移って行き、ゴトゴトと資料を棚に戻し終えると資料室を出てった。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

この沈黙。
牧野から出てるヤバイのオーラ。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あのギャアアァァァァァアアアァァァッ!!重っ!お・・も・・・う・う・うぐぐ・・」
なんか言おうとしたから、後ろからずっしり体重かけて乗っかってやった。
「・・・お・・・・・も・・・・ど・・・どうみょうじっ!」
わかってる、牧野。
長いつき合いだ。
素直に好きって言わないなんざ、既に当たり前。
基本、常識、初期設定。
そうじゃなくてもバレたら困るもんな。やり辛くなるんだもんな。
ああ、そうだよな。
俺の事、無関係扱いしたのも興味ないとか言ったのも、後は何だ。

何 と も 思 っ て な い 

だったか。
ああ、わかってる。
全然気にしてねぇよ。










・・・・・・・・・・・・・・・くそったれ




重いとか潰れるとかギャーギャー喚く小さい身体に、遠慮なく体重かけて乗っかって。
牧野は最初必死で耐えてたが、そのうち足がぶるぶる震えだして、俺の腕を引き剥がそうと必死だった両手が、目の前の棚にすがる。
「ちがっ・・・あ・・・違く・・・ないけど、あれは・・・お・・・おも・・・・・・」
「怒ってねぇよ、別に」
自分でも不思議なくらい、優しげな声を出すのに成功した。
長いつき合いだって言ったろ?
知ってっか、こういう時のパターン。
俺が、キレて、牧野を責める。
そうすると。
逆ギレした牧野が卑怯くさく、涙でいっぱいの目でしかも上目づかいで睨んできたりして、そうするとなんか俺が悪いような感じになって、結局誤魔化されるとか。
だよな。

だから顔なんて見ねぇ。

「道明寺っ!」
潰されまいと必死な牧野が叫声を上げたのは、ブラウスの裾から俺の右手が入りこんだから。
「や・・・だ・・・っ!聞いてって・・言って・・・重いってばっ!!」
素直に倒されればいいものを、棚にすがって必死で頑張るから身動きが取れなくなる。
邪魔されないのを幸いと、胸を覆うレースを引き上げると、中からは熱くて柔らかいふくらみが、ふるりと零れ出た。
「聞かねぇ」
鷲掴みにすると、指の間から滴り落ちるんじゃないかと思うほどにそれは柔らかく形を変える。
「やだっ・・・!イヤだ・・・怒ってこんな事しないで・・・・よっ!ヤダ・・・ってば」
「怒ってねぇって、言っただろ」
ああ、駄目だ。
もう優しい声なんて出せねぇ。
牧野がビクンと震える。
ヤダヤダヤダヤダヤダヤダと壊れた機械みたいに繰り返したのは、スカートの中に手が入ったから。

「聞かねぇよ、話なんて。お前の口はウソばっかりつくから」

こっちの方がずっと正直。
俺の事好きだろ?と、ふくらみを揉みしだく。
ふよりとしていた小さな蕾が、ピンと張りつめるのは俺が好きだって事だよな?
俺のもんだよな、と、小さな布切れの中の窪みに指を滑らす。
優しく撫でるうちに、奥が熱くなって溢れてくるのは、そうだって事だろ?
「やだっ・・・いや・・・ぁ・・・・道明寺・・・・っ!」

がくりと牧野が崩れて、リノリウムの床に膝をつく。
「・・・・・・あ・・・・・・っ・・・・・・ん・・・」
棚に、ぶら下がるように掴まった指の関節が、白くなるほど力を入れて。
もう片方の手で、俺の手を止めようと必死に引き剥がしにかかってきたから、わざとぐちゃぐちゃ音たてて掻き回してやった。
「無関係って、何だよ」
いつまでも全身で抵抗する牧野に、言うまいと思っていた責める言葉が漏れ出てくる。
みっともねぇ自分に吐き気がしてきたが、止められなかった。
「何とも思ってないって?」
「・・・・っん・・・あ・・」
「何とも思ってない男にいじられて、こんなになってんの?お前は」
「・・・・・ひ・・ぁ・・・ああっ」
一気に、2本の指を差し込むと、中がぎゅんと締まる。
蜜が溢れ出て、甲を伝って流れた。

「力抜けよ」
ガチガチに力入れて抵抗しやがって。
そんなに俺の腕の中が気にくわねぇのかよ。
ここがいつもなら、いつもの夜なら。
カワイイ顔して、すぐに柔らかく溶けだすクセに。
いつまでも強情に身体、強張らせやがって。
必死で閉じている唇に、指突っ込んでこじ開けてやりたい。
そして甘く、切なく、俺が好きって言ってるみたいな声出させて

それで

スチールと紙しかない、硬質な空間に、指で掻き回すぐちゅぐちゅとした音が響く。
牧野の甘い匂いが強くなる。

「もう・・・・・・っ・・・・・・・やめ・・・っ」
息も絶え絶えに懇願する牧野が頼りなくて可愛くて。
やめるわけねぇ。
やめてって言いながら煽ってんのに気づかない、お前が悪りぃんだろ。
「誰かっ・・・・来たら・・・ん・んんん・・・ぁ」
「いいんじゃねぇの」
「や・・・!やだぁ・・や・・・・あ・・・・ああ・・・・・」
「見つかるまでは時間あるだろうし?服だって脱いでねぇし、誤魔化せんだろ?お前なら」
「やだっ・・・・もうやめ・・・・」
「見つかったら言ってやれよ。俺となんて無関係だって。何とも思ってねぇって」

嫌がる牧野を無理に追い上げた。
抵抗封じて、男の力使って押さえ込んで。
感じるとこばっか、しつこくいじり回して。

「やめないと・・・・別れるっ・・・・から・・・・あっ・・・や・・・・っあ」
「別れるっつえば俺が言う事聞くと思ってんのかよ。このワガママ女が」
罰を与えるように敏感なところを捻りあげると、高く悲鳴を上げた。
「外に聞こえるぞ。いいのかよ」
「あ・・・っ・・も・・・や・・・ぁ・・・キラ・・・い・・・」
やめてって言われても、苦しそうな声出してもやめなかった。
「だい・・・キラ・・・・ひ・・・・っ・・」
「好き、だろ。こんなに濡らすくらい」

俺なんか無関係だって、ゲラゲラ笑って言える牧野が憎たらしくて。
身体の反応だけでもいいから、俺が好きだって証拠が欲しくて。

「・・・・・いやだ・・・・っ・・・・あ・・・・や・ぁ・・・・あ・・っあああ!」
牧野は最後まで抵抗して、暴れて、やめなきゃ別れるって喚いて。
悲鳴みたいな声上げて、俺のコト大嫌いって言いながら。




イった








びくびくと。
痙攣していた小さい身体から力が抜ける。
前のめりに崩れ落ちそうな牧野を、膝の間に収めて抱きしめた。
苛め過ぎたかと思ったが、くったりと素直な身体が可愛くて強く閉じ込める。
小さく浅く息をついていた牧野が、身じろぎする。
離してと言われて、腕を緩めた。
ゆっくりと立ち上がる牧野を見上げる。
蹴りかなんか、飛んでくるだろうと身構えて・・・・・・・・。

「・・・・・・・・・・・・別れる」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?」

なに言われたかわかんなくて、思わず素っ頓狂に聞き返す。
「別れる。サイテー、あんたなんて許さない。大っ嫌い。ふざけんな、クソ野郎」

喚かれたんなら、まだいい。
一直線にドアに向かって、バンと思いきり叩きつけて出てった牧野を呆然と見送ってどれくらい固まってたのか。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・んだよ」
あの淡々とした口調。
何だよ、あの目。
怒ってもいねぇ。話する余地なんて与えねぇ。
ケーベツ、みたいな目。
「お前が・・・・悪りぃんじゃん・・・・・」
口から出た言葉は、自分でも驚くほど頼りなく、捨てられたドーブツかよとか思ってふと気付く。
その通り。

捨てられた。

牧野が別れるって言った。
・・・言っただけ、多分脅し、懲らしめ、報復何でもいいけど。
本気じゃねぇって強がる心は、元はと言えば牧野が悪りぃと繰り返す。

が。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・くそ」
やられた。
何気なく目をやったリノリウムの床に、卑怯くさい女の置き土産。
どっちが悪いも何が悪いも、全部吹っ飛ばすような最終兵器。
ちくしょう、あの女。
俺に無理矢理されてる最中、涙ぼとぼと落としてやがった。

身体が勝手に立ち上がる。
好きな女が泣いてたら、一刻も早く抱きしめて、泣くのやめさせなきゃなんねー。
それってやっぱ本能だよな。
・・・・ああ。
例え自分が泣かせたにしても。
さっきまでのムカムカした気持ちは、すっかり消えていた。
代わりに顔を出したのは、すっげぇ罪悪感。
だから卑怯だっつーんだよ、あの女は。
殆んどあいつが悪い癖に。
何なんだよ、この苦くて痛てぇ気分。

居ても立っても居られず、勢いよく資料室を飛び出す。

目指すのは 牧野








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