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つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

ハニィハント 28


真夜中。

街燈が、淡く細い道を照らす中、滑るように黒塗りの車が現れ、停まる。
同時にドアを開けて降り立ったのは、極上仕立てのスーツを纏った長身の男。
似た者など他にいない、一目でそれと分かる風貌に、警備のSPたちは焦って頭を下げる。
帰宅は半日先のはずだ。
いきなり現れた彼らの雇い主は、頭の中が疑問符でいっぱいのSPたちの前を通って、他の人間など目に入らない様子で足早にドアに向かい、勢いよく中に入って行った。

バタン!

ダカダカダカダカ・・・バンッ!
「牧野っ!」

真夜中だというのに全く気にする余裕なく、足音も荒く寝室にとび込んだ司は、大きなベッドに埋もれるようにして眠る、小さな影を見て、肺の中の息を全部はきだした。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・居た」
居た。
居た。
居やがった。

大きすぎる不安が解消されると、それは怒りになって腹から胸へ、そして頭へと昇って来る。
逃げねぇって。
もう逃げねぇって言った先から、留守電にあんな事吹き込みやがって。
不安で不安で不安で。
朝に帰るはずだったのを、無理矢理この夜中にジェット飛ばして帰ってくりゃ何だこれ。
俺を不安にさせて、死ぬほど心配させたくせに、この呑気なアホ面。
くあ~とか寝息立てて寝てんじゃねぇぞ、バカ女。
怒鳴りつけて起こしてやろうと、片膝ベッドに乗り上げて、寝顔の横に両手をついて覗き込む。

「・・・・・・・・・・・・・・・ちくしょう」

すっげぇカワイイ。
ガキみてぇに無防備に、口半開きで寝やがって。
目ぇ開けてりゃ、あんなに憎たらしい事ばっか言うくせに。
この口から、毒ばっかり吐くくせに。
こんな幸せそうな顔して寝てたら・・・・・
怒鳴れない、怒れない。
もう、優しくすることしかできやしない。


くちびると、くちびるが触れた。
最初はかすめるくらいに。
次はもっと強く。
やわらかくて、あたたかくて、そして甘い。
頭の中が痺れるような充足に押されて、段々と深くなっていくキスに
「・・・・・・・・・・・・・・」
眠るつくしが声を漏らす。
たまらなくなってシーツの間からそっと引っ張り出した。
がくん とのけ反りそうな頭を支えてキスを繰り返すと、つくしの喉から甘い呻きが漏れだす。
途切れ途切れのそれと、極上の味わいの唇に全神経を奪われて没頭していると
「・・・・・!」
くしゃりと。
特徴のある髪の中に小さな手が差し込まれ、ゆっくりと絡んだ。
思わず身体を離し焦点を合わせると、そこにはつくしが薄く眼を開いてうっとりと笑っていて
「・・・・・・・ろうみょうじ・・・・?」
なんて呼ぶ。
口回ってねぇ。
噴き出す寸前で呑みこまれた吐息は、もう一度肺の中に逆戻りする。
「・・・・・・・・・!」
くるくるの髪を愛撫していた手に力が入り、引き寄せられたから。
「牧野・・・・・」
「・・・おかえり・・・ぃ・・・」
ぼんやりとした声で、囁く。
ささやいてキスしてくる。
思わず笑った形になった司の唇が、それを優しく受け止めた。
・・・寝ぼけてんじゃねーよ・・・・・・・・いや、違うな。
ずっと寝ぼけてろ、だ。
どーでもいーけどチャンス!とばかりに積極的に応えていると、突然つくしの反応が止まった。
「・・・・・・・・・・・・ん?」
ちゅく  ちゅ
「・・・・・・・ん?んぐ?んん?」
チッ、時間切れ
正気づきやがったと至福タイムの終わりを悟ったが、気づかないふりをして口の中を愛撫し続ける。
「んんんんんん~~~~!!ひょっと!あうぇああい!」
舌を吸われながらの抗議は全く意味がわからない。
だからやめない。
勝手な理屈をつけて、暴れるのを無視して続けていたら、
グイッ
「いっ・・・・!てめ髪ひっぱんなっ!痛ってぇなっ!」
「や~め~ろっつってんでしょ!寝込み襲ってんじゃないよ!卑怯者め」
「正気づいた途端に暴力かよ、ったくお前ほんとカワイクねぇな!」
言い切ってジロッっと睨みつけた司の視線が止まる。
「・・・・・・いや、やっぱ」
かわいい。
視線の先にはオフホワイトの司のパジャマ、つくし入り。
だぶだぶの袖から辛うじて指先だけ出てるとことか。
肩幅全然なくて、ボタンでもなきゃずり落ちそうな襟口とか。
まるでワンピース並みの裾から生足出てたりして。
・・・・・・良すぎ。
「道明寺?」
「やべ」
「は?」
「てめ、首とか傾げんな。ちくしょー、マジやべぇ」
「はあ?・・・・・っと、ちょっと!」
いきなり、ぎゅううううっと抱きしめられて、反射的に殴りつけようと手を挙げるが、ああそう言えば、もう抵抗する必要なんてないんだと気づいてその手をそっと背中に廻す。
「牧野」
「道明寺。おかえり」
「ん」
「なんか冷たいよ。手とか。そと寒いの?」
「寒かった。北海道、あそこマジやべぇよ。山とか、雪降ってんだぜ、この10月に。日本じゃねぇ、すでに」
「あはは、北海道の人が聞いたら怒るよ。っていうか山なんて行ったの?」
「行かねぇよ。けど、ジェットの準備できるまで、外で待ってたから冷えた」
「なんで?」
心底不思議そうに尋ねられて、司はもう一回睨みつけるために身体を離した。
「居ても立ってもいられねぇからに決まってんだろ!お前が留守電に、あんな事吹き込むからだろうがよ。ヒトが心配してんのわかってて、逃げてやるとか、ホントふざけんなよてめぇ」
忌々しげに言ってやるが、目の前の女はツンと顎を上げて挑発じみた視線を返してきた。
そして開く、生意気な口。
「だってあんたがSPの人に、んっ!んぐぐんぐぐ・・ん」
だから塞いだ。
ちゅくちく ちゅう ぽん
目を白黒させているのを眺めながら、ひとしきり舐めまわして音たてて離す。
グダグダ言い始めたら取りあえず黙らせる。
この度のあれやこれやのゴタゴタで学習した。
牧野取り扱い法。
「あ~、身体冷えた。風呂はいろ」
小さな身体を抱き上げて、スーツのままバスへと向かう。
「ちょっと~~!」
力技でベッドからかっ攫われて、がっちりと抱きかかえられたつくしが、お約束で暴れ出す。
「勝手に入りゃいいじゃん!なんであたしまで連れてんっ!んんんん~~~っ!!」
ちゅくちゅくちゅくちゅく
「ん~ん~ん~~~っ!」
ぽん
「はあはあはあはあ」
「騒いだらキスすっからな。大人しくしろよ」

「だから何でんんんんっ!んっ!」

「降ろしってってば。あたしはもうお風呂入ったの!寝てたのっ!このイカレんんんん~~!」

声を上げる度に、立ち止まり塞がれる唇。
距離があるとは言え、同じ室内にあるバスになかなか辿り着けないのは、果たしてどちらのせいなのか。
とうとう司が艶めいた視線を投げる。
「んなに騒ぎっぱなしって事は、ホントはキスされてぇんじゃねぇの?」
「ななななな何言ってんのよ~~~~!」
「今度騒いだらそれで確定な。そう思うから」
「なっ・・・・!!」
だからって大人しくしてたら、あんたのいい様にされちゃうじゃないのよ~~!
それでも今度は口に出さずに、心の中で雄叫びをあげ、そうこうしている間に

「ほい、到着」

パタン

バスルームの白いドアが、軽い音をたてて閉じられた。




ドアが閉まるなり何の躊躇もなく、着ている物を脱ぎ始めた司を、化粧台に載せられたつくしはなんとか視界に入れるまいと横を向く。
でも膝に触る。
腰の高さの化粧台から飛び降りるのを防ぐように、司はつくしの膝のすぐ近くに居て。
そして脱ぎ散らかしている。
そんな音がする。
目の端に、ポイと放られてふわりと落ちていくシャツが映った。
「おい」
「何よ」
「こっち向けよ」
「むむむ向く訳ないじゃん。なに考えてんのよあんた、バカ変態」
「口の悪りぃ女だな・・・・」
厭味くさく司がため息をつく。
そしてニヤリと笑うと、座ったつくしの膝を割って一気に身体を入れてきた。
「ひっ・・・・ちょ・・・っ」
素肌同士がこすれ合う感触に、ギョッとしたつくしが目を見開いて前を向き
「ぎゃああぁぁぁぁぁっ!!」
顔から火を噴いてギュっと目を閉じた。
「てめ、悲鳴あげんな。シツレーな奴だな」
恥ずかしげもなく裸体を晒して、火照ったつくしの顔を両手で包む司の顔は照れるでもなく、ただ自分が割り入ったことで大きくずり上がったパジャマの裾から覗く白い肌に、微かに頬を染め瞳を細める。
「目ぇ開けろよ。顔見ろ」
「ハダカだから、ヤダ」
「ハダカ見ろっつってねーだろ?顔見ろっつってんだろ」
人差指で睫毛をくすぐると、黒く艶やかなそれは伏せられたまま数回パタパタと動き。

そして、観念したかのようにゆっくりと開けられた。

その真っ黒な瞳に、自分の顔が映っているのを見て、司は満足げに笑った。
そして長い腕を伸ばし、小さな身体を抱きしめた。
「・・・・・・・・・バカ女」
「はあ?」
「手に入れたってちっともカワイクなんねぇ。思い通りになんねぇし。全然安心できねぇし。っとに、俺を振り回すために生きてるとしか思えねぇ、お前」
文句を言いながら、スリスリと髪に擦りつけられる唇が、甘く責める言葉を吹き込む。。
「俺ばっか不安になって、心配して、不様な真似して」
「・・・・・・・道明寺」

キュンときてしまった。

この、真っ直ぐで、純粋で、直情な。
大きい図体をして、今は子供みたいに甘えてくる男に。
胸がキュンとしてたまらない。
小さく身じろぐと、司が身体を離す。
熱望、を形にしたような・・・長い睫毛に囲まれた美しい瞳にくちづけた。
「道明寺」
最初に左の瞳。
反射で閉じた睫毛が唇をくすぐる感覚に、ちょっと笑って次は右に。
「好き」
司の手に力が入る。
そこから両手を引っ張り出してきて、そっと触れる。
記憶より少し冷たい、頬。
自分の小さい手では包むには足りなく、それを補うように唇を落としていく。
「好きだよ」
見られてなきゃ、全然恥ずかしくないんだってわかった。
少しずつ、ほんのりと色づいていく綺麗な顔に、調子に乗ってキスの雨を降らせる。
「ごめん、なんか嬉しい」
クスクスと笑いながら唇を落としていく。

「ずいぶんノリノリじゃん」
目を閉じたまま、愛しい男が笑う。
「あり得ねぇ事態」
「薬が効いてきたのかも」
「クスリ?」
美しい形で笑う、唇の端をそっと吸った。
「センパイにもらったの。素直になる薬」
そう言って、形のいい唇をつ・・・と、柔らかい舌が舐めた、途端。
「んっ!」
いきなり開いた唇に、つくしの舌が引きずり込まれ、そのまま熱い口腔の中でこれでもかというほど愛撫される。
「・・・・・・・・・・ん・・・・・・んぅ・・・・う・・・・・」
くちゅくちゅと鳴る音が、頭蓋骨に響いて、わけがわからなくなる、寸前。
ぴちゅ・・・っ・・・
ようやく。
気が済んだのか、舌を解放した艶めいた唇が、未だ触れあったままに囁いた。

「てめ挑発しすぎ」

いつの間にか、パジャマの上から大きい手が胸を包んでいて、ゆっくりと揉みしだいていた。
「すげ・・・・やわ・・・」
「・・・さ・・・・・触っていいって、言ってないよ」
ボーっとしながらも往生際悪く、大きな手の上に小さな手が重なる。

「るせぇ」

「んな時に、いちいち許可取るアホがどこに居るっつーんだよ」
「あ・・・っ・・・や・・」
やわやわと、優しく触れる大きい手から、つくしの手が滑り落ち腕に引っかかる。
そのままぎゅう、と握るが全く関せず動きを止めないその刺激に。
ドキドキして、どうしようもなくなる。

「・・・・・なに考えてるの?いま・・・」
「なに?」
「小さいなとか胸ないなとか手が余るとか、そういうこと?」
早口で言う真っ赤な顔を、上げさせる。
「なに考えてるか言ったら、引くぜ、お前」
ニヤリ、と笑う顔は久しぶりのイジワル顔で。
「ななななによ。何考えてるのよ」
「スケベな事」
「すっ・・・!」
「あとエロい事」
「えっ・・・・!」
「あと因みに、俺の頭ん中じゃもうお前、服とか着てねぇ」
「き、着せてよっ・・・・あっ!」
耳に吹き込むなり小さな胸の頂上を捉え、布の上から引っ掻きだした指に、つくしが息を詰める。
「・・・・・・・・・・・!・・・っ・・・・・・や・だ・・・・・・」
「なんで」
「なんか、苦し・・・・・」
「この前も、したろ」
「だってこの前は、酔っ払ってたからあんまり覚えてない」
「忘れんなバカ」
「バカって、あんたがお酒呑ませ、あ、や、や、や、やだって~~~」

道明寺のくせに、不器用なくせに、この前ブラちぎったくせに。
パジャマのボタンをふたつ、簡単に外して手を突っ込み、直接触りだしたのにつくしが抗議の声を上げるが。
聞く訳ない。
頭の中スケベ50%エロ50%オトコは当然スルーし、滑らかな肌を堪能しようと動きを止めない。
「お前」
何か言いだしたから、慌てて抱きついた。
多分恥ずかしい事とか、居たたまれなくなるような事を言う気だこの男は。
顔なんて見られなくなるようなこと。
がっしりとした背中に手を廻すと、司の耳元に唇が来る。
そこから時折漏れる吐息が、声が司にどんな効果を与えているかなんて、全く気付かない。

「お前は」
もう一度言った司は、細い腰を引き寄せると顔を横に傾けた。
つくしが抱きついたから。
キスポジションになったから。
ふんわりと、触れる。
怖いほどの柔らかさに、強く押したら壊れるんじゃないかと唇を離す。
「一体なんで出来てんの。こんなやわくて、細くて、めちゃめちゃ甘くて」
やっぱり。
どうやら本気で言っているらしい睦言に、
「・・・・・・多分、タンパク質とかむぐっ」
答えてあげたのに、今度はぎゅうと唇を押しつけられ、黙る。
「なんか甘いのは、ぜってー入ってるよな」
そう言って、首筋に吸いついた司は、ぴたりと動きを止め、笑った。
「言えよ」
「何を?」
「好きだって。俺にキスして『だって好きなんだもん』って」

つくしも小さく笑う。
切なくて、苦しくて、甘苦かった初めての夜。
必死だった自分たちが可笑しいような切ないような、たった数日前の夜。
数日しかたっていないのに。
今は、こんなに幸せで、嬉しくて。

「・・・・だって好きなんだもん・・・・・」

ノドの窪みにキスをする。
あの時の言葉を繰り返しながら。
なんだか泣いちゃいそうだと思う。
「俺も」
司の喉が、クッ・・・・と笑う。
そして彼も繰り返した。

「思い知らせてやる」


ゆっくりと、硬い台の上にやわらかい身体が横たえられ。
まるで生贄を貪るように、司の指が、唇が、征服していく。

「まるで、まな板の上の鯉だね」
とか言う割に、パジャマを脱がそうとしたら、合わせのところをぎっちり握って抵抗された。
っつーか。
ボタン半分だけ外されて、ハダカ半分だけ晒されて。
裾めくられて、その奥がチラチラ見えるこのカッコの方が100倍もエロいとか。
気づいてねぇよな、この女の事だから。
白い胸元に、紅い印を落とすたびにピクリと小さな身体が震える。
「お前ガチガチ」
「うん、緊張する、すごく」
「初めてじゃねぇだろって」
「あんま覚えてないんだって」
「やっぱ呑ませなきゃ良かった」
「でも、多分、お酒呑んだおかげであんまり痛くな」
「うるせぇ、もう喋んな」
「ひゃ・・・」
言うなり胸に落とされた司のくるくるの頭が、ゆっくりと動く。
円を描くようなその動作に、含まれた頂きも同じ動きで舐められていて、身体が跳ねる。
「・・・・・・・・ぁ・・・・」
もう片方の頂きは、がっしりとした指の先で同じように扱われていて、煌々と照らされたライトでそれがよく見えて、電気を消して欲しいと言おうとしたが、口を開けたらヘンな声が出そうで、どうしたらいいかと思っているうちに唇が離された。
司が上にずり上がって来る。
そして鼻がくっつきそうなほど顔を寄せると、ニヤリと笑った。
「ゆっくり、するから」
「え」
「ゆっくり、抱くから」
「え、べべ別にあたしはゆっくりじゃなくても・・・サクッと・・・」
目を泳がせて言うつくしを、厭味くさく目を細めて司が笑う。
「流されたとか、勢いだとか、ノリだとか。後からそんな風に言えねぇように、ゆっくりしてやる」
「・・・・・・執念ぶか・・・」
「んだとぉ?」
ゴン!
「痛ったぁ!」
「てめ俺のコト散々凹ませといて、何言ってやがる」
頭突きした頭はそのままつくしの耳元に滑っていった。

「ゆっくりするから」
優しい、低い声が囁く。
「だから、そんな緊張すんな」
くしゃりと、大きい手が頭を撫でる。
「道明寺」
その声と手のあたたかさに、本当にガチガチに強張っていた心が、はらりと緩んでいく。
ほ、と小さく息をついてつくしはくるくるの頭を抱きしめた。
「ヨロシクお願いします」
「・・・バカ」
バカとか言いながらも甘い甘いその声に、少しずつ鼓動が鳴りを潜めていく。
キレイな目がふ・・と緩められたのを見て、思い出した。

「そう言えばあたし、あんたのお母さんと会ったの。誰かに聞いてた?」
「・・・・・・・ババァ?」
反応した司が身を起こす。
「うん、あんたが北海道に飛んですぐ、入れ替わりみたいにジェットが着いて、それで」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・牧野」
「え?」
はあぁぁ・・・・と、とびきり大きなため息が、落とされる。
そして、情熱だだ漏れだった瞳が、ジトーっという感じになり。
「な・・何?」
ちょっと引いたつくしの肩口に、頭が降りてくる。
「お前って女は・・・・・」
「何よ、まだ話の内容言ってないじゃん。何で聞く前から呆れムードなのよ」
「そうじゃねぇよ」
低い声は、沈痛な響きを伴ってつくしの耳に届いた。
これ見よがしの溜め息付き。
「なんだって、こんないいトコでババァの話始めるかな、この女は」
「え、だって大事な事だし思い出したから」
「・・・・激萎え」
言うなり大きく口を開いてつくしの喉に咬みついた司を、空気読めない鈍感女は
「苦しい!死んじゃうって!」
と、笑いだし
「いっそ半殺しにしてからヤってやろうか。余計な事言わねぇように」
つられて司も笑い出す。
「ほれ起きろ」
グイッと勢いよく引き起こされた。
「風呂入ろうぜ」
「やだよ」
「お前タマに、素直になる薬もらったんじゃねぇの?」
「だから素直にイヤなんだってば」
「愛してる」
「ななななによ」
「心配すんな。まだやんねぇから。ほら、脱ぐぞ」
「~~~~~~~~~~~~~っ!」
すっかり、こいつののペースに乗せられて、いいようにされてる気がする。
当然みたいにパジャマのボタンに手を掛けて、外そうとしてくる手の甲を思いっきり抓ってやった。
「ってぇ!」
大げさに手を振る司に、べーっと舌を出して言ってやる。
「ヤ・ダ!」
「脱げって」
「ヤダって」
「・・・ったくしょうがねぇワガママ女だな」
「は?ワガママってどっちがよ。どの口が言うか、そんな事」
「この口」
「んぐっ」
カワイクない事を言う口は塞がれる。
その教訓が身に沁み込むには、一体あとどれくらい態度で示せばいいのか。

ああ。
すっげぇ楽しみ。

抵抗すらも楽しみながら、バタバタ暴れる活きのいい身体を抱き上げて、ようやく辿り着いた目的地。
真っ直ぐバスタブに向かい、パジャマのまま一気につけ込んでやると、ようやく大人しくなった。
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・なんだよ」
「・・・・・・・バカ」
恨みがましく、上目づかいで睨んでくる顔が凶悪に可愛くて、大きく波を立てながらその身体を抱き込んだ。



ざぶん






                       29へ


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コメント
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2010/05/18(火) 10:46 | | #[ 編集]
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2010/05/18(火) 11:38 | | #[ 編集]
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2010/05/18(火) 12:22 | | #[ 編集]
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2010/05/18(火) 13:39 | | #[ 編集]
みかんさま
こんにちは
いい砂吐いて頂けているでしょうか。
とても心配ですがこの調子で行っちゃうんですが(笑)←どこまでv-345
もう、常にどっか触ってる感じでお願いいたします。
グルグルグルグル(笑)。
ざぶんの後だけに次は濡れ場って・・・e-268爆笑e-268
笑点!笑点!
萌えツボ被っておりますでしょうか。
私、自分の今回の萌えツボは『小さいなとか胸ないなとか手が余るとかそういうこと?』
なんですけど、どうすか?←どうもこうも
ちっちゃい胸萌え同盟参加者募集中です。
どうすか?←だからどうもこうも・・・
2010/05/18(火) 15:37 | URL | とば #-[ 編集]
   こんにちは!!

 ちゅっちゅくv-23ちゅっちゅく 
坊ちゃんのせいで溶けちゃったよ~~e-414e-414e-414

つくし、思い出したからってするなよ~、オカンの話。
誰だって萎えるだろう・・・
男じゃないから分かんないけど、絶対そうだと思う!e-442

自家用ジェットで猛ダッシュでv-30v-355帰って来て
蕩けるチュウe-449から激萎えe-444まで大忙しだったけど
バスタブの中で2人は何してるのかなぁ・・・

坊ちゃんは何もしないって言ってたけど、なんだかんだ言っても
つくしにやられちゃってる司に、それはムリ?なんじゃないの・・・。

e-420本祭りe-420
掴みはオッケーe-343e-343e-343

後はどんなe-420寸止めe-420が待ってるのかしらぁe-349うっとり・・・(おっ、おい?)


     では、また・・・e-463
2010/05/18(火) 15:41 | URL | kuu #-[ 編集]
いろはさま
こんにちは
やった~!e-280いただきましたe-420
坊ちゃんをお返しいたします(笑)。
私も赤面しながらカチカチと打ち込んでいるので大丈夫です!
北海道に飛ばした分、頑張ってイチャイチャさせます。
ありがとうございましたv-344
2010/05/18(火) 15:45 | URL | とば #-[ 編集]
Cさま
こんにちは
空腹のところありがとうございました。
5日おき更新が読まれていたとは(笑)。Rご注意の文って言うのにもゲラゲラ笑ってしまいました。
いや~、最近本当に頭が腐ってきているので、どこからがRなのか全然わかんなくなってきちゃいました・・・取りあえず入れてなきゃゴフンゴフンゴフン!!!!!
え~と、なんでしたっけ。
あ、そうですね。
吸いついてますね、ちゅーね。ぽんってね。
動揺動揺。どうもありがとうございましたe-420
2010/05/18(火) 16:05 | URL | とば #-[ 編集]
ひなつゆかさま
こんにちは
そうなんです。
例年は6月まで暖房って感じなんですけど今年はあったかいのかな。そして9月になったら再び暖房ONみたいな。間3カ月しかないじゃん(笑)。
ええ、でも夏は冷房要らずなので、それで帳尻が合うのかなと思って。
あの、無理かもしれませんけどあまり心配なさらずに・・・。
悩むと身体も疲れますから、労わってあげてください。
気持ちも身体も楽になりますように願っております。
頑張れ~!


2010/05/18(火) 16:15 | URL | とば #-[ 編集]
kuuさま
こんにちは
うわぁe-420ありがとうございますe-414
これで安心して寸止めていけます←え
私も男じゃないからわからないんですけどe-442ほら、思い出しちゃったから(笑)
ちゅーしててもBしてても、なんだかムード良くならないウチの2人ですが、次回の寸止めも(決まってるんだ!)ヨロシクお願いいたします。
ありがとうございましたv-344
2010/05/18(火) 16:39 | URL | とば #-[ 編集]
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2010/05/18(火) 21:55 | | #[ 編集]
坊ちゃん、ファイト♪
そうそう、この流れを待っておりましたv-24
さすが、坊ちゃん、深夜にジェット飛ばしてかけつけるなんて・・・v-425

ただ、v-427
つくしの無意識な発言(本人はそう思ってないところがかわいいのか違うのかv-40)に萎えてしまったのですねv-356

でもきっと、すぐに復活v-426
思いっきり、この先はあんなことや、こんなこと・・・!?が待っているのかな。

ちなみに、ババァじゃなくて、タマさんや西田と会ったと、つくしが言ったらもっと萎えて再起不能になっていたのでしょうかv-404

楽しいバスタイムv-48が過ごせた後に、思いっきりどうぞ・・・v-207

続きを楽しみにしています~v-345
2010/05/18(火) 22:12 | URL | くりん #sCj5cBmo[ 編集]
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2010/05/18(火) 23:30 | | #[ 編集]
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2010/05/19(水) 11:19 | | #[ 編集]
煌々さま
こんにちは
e-268呪いですよっe-268ゲラゲラゲラゲラ!!!
オッケー!お風呂から上がったら部屋に邪魔ものですね!
あと、バスタブで熟睡ですねっ!
はははははっ!
信じてください煌々さま。
e-420e-420どうか私を信じてくださいe-420e-420
        ↑
全然信じられない(笑)
いい砂吐いていただけたでしょうか。つくしちゃんのKYは、もう諦めてください。
どんなに坊ちゃん萎えようがヤル気を失おうが、だってそれが(ウチの)つくしちゃんなのだからv-352←開き直っております。
後、パジャマの謎にコメ頂きありがとうございますv-343
また、ヨロシクおねがいいたします。
2010/05/19(水) 11:24 | URL | とば #-[ 編集]
くりんさま
こんばんは
お待たせいたしました(笑)。
あんなことやこんなことも頑張りたいんですが…e-449
いや~、KYつくしちゃんがいる限り『めくるめく』とかは無理そうなので、やっぱり『ヌルイですが』になるんだとおもいます(笑)。
そうだe-77つくしちゃんが余計な事を言わないように猿ぐつわでも…って何のプレイだ(笑)。
ようやく甘い感じになってきて、ホッとしています。
もうちょっとで終わりますので、おつき合いいただけたら嬉しいです。
ありがとうございましたv-344
2010/05/19(水) 23:11 | URL | とば #-[ 編集]
usausaさま
こんばんは
いえいえいえいえ!
こちらこそ、いつもコメント頂いて本当にありがたく思っておりますe-68
すっげぇ楽しみ(ぎゃははははは!!!)にしてくださり、ありがとうございます。
あの、寸止め祭り開催中なので、そんなに楽しみにして頂かなくても大丈夫かと思います。
広い心の準備をお願いたしますe-420

  ざぶん
2010/05/19(水) 23:17 | URL | とば #-[ 編集]
みかんさま
座布団えいっ!←投げつけている
あれは10枚たまると、何が貰えるんでしたっけねぇ(遠い目)。
小胸萌え同盟への参加ありがとうございますe-266キャッe-266
大っきい手(キャーッv-345)萌えと共に、ホント萌えツボ似てますねって言うか、坊ちゃんが萌えツボの塊なんですよねv-353
手の大きい男の人っていいですよね!
キレイに大きい手もド好みなんですけど、漁師さんとか農家さんのグローブみたいな手もいいですよ~e-420あ、周りにいらっしゃいませんか(笑)。
坊ちゃんは、手の皮薄そうだと思いませんか。ほらお坊っちゃまだからサイコー熱いもの持つのがコーヒーカップとか、そういう感じで。
つくしになんか熱っついモノ渡されて、熱い熱い大騒ぎして
『だからお坊ちゃまはね~』
とか言われてムカーッてなって、報復する坊ちゃん…萌えるわぁe-420←スイマセン、なんか展開し始めたので失礼いたします(笑)。


2010/05/19(水) 23:38 | URL | とば #-[ 編集]
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2010/05/20(木) 00:11 | | #[ 編集]
LUCAさま
こんにちは
CMの謎が解けて、良かったですねぇv-315v-308v-82←え、そんなに・・・
ホント、効きますね仁丹(笑)。
じーちゃんちの常備薬でした。
仁丹、うづきゅうめいがん、ゆきのもと。
坊ちゃんきっと、後からタマさんにねだるはずです。
牧野が素直になる薬をよこせと(笑)。
もらえるかなぁ。もらえるだろうなぁ(笑)。
私もかなりのちゅー好きなんですけど、あれ…次回ちゅーしてたかなぁ…
不安を煽る感じで、ここで失礼いたします。
ありがとうございましたv-344
2010/05/20(木) 12:14 | URL | とば #-[ 編集]
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