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つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

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1月31日 日曜日  前編


1月31日 日曜日


・・・・・・・・・・・・・・・来てしまった・・・・・・・・・
この一週間、来るな来るなと念じていた日曜日・・・・・・
・・・・・・・・・・・日曜日・・・・・・・・・・・
うううう、何で今年のアイツの誕生日は日曜日なんだろう。
思いっきり一日中一緒だし。
あたしは暗雲渦巻く胸中をどうにか気力で奮い立たせて、勢いよく起き上った。
「そうだよ!今日、一日頑張ればいいんじゃん!それに今7時だから、もう7時間も経ってるし!やったー!あと17時間―!って、長いよっ!」

パジャマのまま、ガシガシと歯磨きをしながらどうしても『一体何を要求されるのか』が気になって気になって仕方なくて。
だって道明寺だよ?
ワガママ、気まま、為すがまま、キュウリがパパのオレ様男。
あの男の思考パターンは全く予想がつかない。
今日一日、拒否権のないあたしに、何をするか。
丸一日ベッドから出してもらえないとか、もしかするといい方なのかもしれない。
下手すりゃ婚姻届にサインさせられたりとかしたりして。
思わず怖い考えになってしまったあたしはザバザバ顔を洗いながら、彼氏の誕生日だって言うのにこんな戦々恐々としているのは、多分世の中であたしだけだろうな、と溜め息をついていた。

ピンポーン

「え」

ピンポンピンポンピンポンピンポン
「ちょっと」
「開けろ牧野」

ガンッ!

「7時だっつーの・・・・」
「牧野!」
「わかったって!」
仕方なくパジャマのままでカギを開けると、そこには予想通り。
「よお、世界一エラい俺が来てやったぞ」
長身の男が居て。
朝っぱらから嬉しそうに笑って、いきなり抱きついてきた。
「やめっ・・・・・!」
思わず出そうになった言葉に慌てて手で口を塞ぐと、道明寺が愉快そうに覗き込む
「何だって?」
くつくつと笑いながら、そっとあたしの手を引き剥がし唇を落としてくる。

ちゅ  ちゅ  
        ちゅ 

軽いけれど、とびきり優しいキスに目眩がするような気がした。
暖かい腕に抱きしめられて、ふわふわと、宙に浮かんでるような・・・浮かんでるような・・・・?
浮かんでるしっ!
道明寺はあたしを抱き上げると部屋の奥へと進む。
そしてアパートの鍵を手にすると、くるりと向きを変え、そのままドアを出た。
「道明寺、ちょっと道明寺?」
ガチャッ
カンカンカンカンカン・・・・
「ちょっと!あたしパジャマ!」
「暴れんな牧野」
「暴れるっ!ももも戻ってよ。服っ!靴っ!お財布に携帯も・・・」
「いらねぇ」
「あたしは要るっ!ねぇ、お願い」
「時間がもったいねぇ。それに」
道明寺は車の中にあたしを下ろすと、そのまま鼻先が触れそうな距離まで近づいてきて、甘やかな視線を絡めてきた。
「このままでも、めちゃくちゃ可愛いし」
そう言って、ふ・・・と前に出て、ちゅ とキスをした。



「寒いだろ?」
間近で浴びてしまったエロ光線にやられて押し黙ったあたしを、道明寺が引き寄せる。
自分のコートを広げてあたしを中に入れて、ふわりと包む腕の持ち主は、寒さの原因は自分がパジャマのままのあたしを攫って来たからだとかは気づいていない、多分。
「寒いよ。裸足だし」
一月終わりの空気は冷たく、車内の暖房をつけていても足元から冷気が上がってくるようで、暖を求めて体温の高い彼にくっつくと腕に力がこもった。
「今日はオフっつっても、日中は何だかんだ客が来るから外せねぇ」
「お!」
丸一日ベッドコースなしっ!
思わず笑顔で見上げたあたしを
「嬉しいのかよ」
一瞬で不機嫌になった美貌が見下ろす。
「え、いやいやいやいや。ははははは」
「・・・・ったく」
言いながら絡んで来た長い指が、きゅっと力を込め、あたしの指先を弄び始める。
「多分、夕方までかかる」
「うん」
「・・・・・・・・・・・・ホントは客の相手なんてしたくねーけどな」
「あはは、悪いよせっかく来てくれるのに」
「仕事で来るだけだろ。本気で祝う気のあるヤツなんか、いやしねぇ」
「大丈夫。あたしがすっごく祝ってるから」
「・・・・・・・・・・・・・だな」
「ああそうだ、忘れてた。おはよ、道明寺」
「ん?ああ」
「それから」
きゅ、とお返しに指を握るとこっちを向く、不思議そうな視線。

「お誕生日、おめでとう」

照れくさくて、半笑いで言ったら
「・・・・・・・・・・・・・・・・サンキュ」
人の悪い顔でニヤリと笑った。
そして首を傾けて、あたしの顔のすぐ前まで近づいてきてジーッとしている。
こ、これは。
ア、アレを要求しているんでしょうか、やっぱり。
そのまま気づかないふりをしていても、キレイな顔はそこから動かず。
観念したあたしは気合いを入れて、すぐ近くにあった唇に、ぶつけるみたいに自分のそれをくっつけた。

目を開けると
「いいな、誕生日」
ご満悦のワガママ男が幸せそうに笑っていた。
「きょ・・今日だけなんだから。それにあんまりワガママ言ったらあたしの誕生日の時に仕返ししてやるんだからね!」
「へー」
「ホントなんだから!」
「お前、その前にさぁ」
出た、イジワル顔。
「あんまカワイクねぇ事、言わない方がいーんじゃねぇの?今日は始まったばっかだぜ?」
「痛っ!」
今日の王様は、ピンとあたしのおでこを弾くと、そこにちゅ、とキスをした。




道明寺んちの廊下は長い。
長くて、人がいっぱいいる。
「牧野様、おはようございます」
「お・・・・はようございます」

「おはようございます、牧野さま。いらっしゃいませ」
「おはようございます。その、これは靴がなくて」
「まあ、ふふふふふ」

大きすぎるコートにぐるぐる巻かれて、身動きの取れなくなったあたしは道明寺の腕の中だ。
歩くっ、て言ってるのに
「靴ねーじゃん」
の一言で返事を済ませたこの男は、重さなんて感じてないみたいに涼しい顔で廊下を進む。
「ねぇ、下ろしてよ」
すれ違うメイドさんたちが、皆にこにこと笑う。
「やだね」
「は、恥ずかしいよ」
「オレ今日、誕生日」
切り札を出されて何も言えなくなって、身を縮める。
はあ・・と溜め息をついた途端、道明寺はどこかのドアを行儀悪く足でノックして、開かれたドアから中に入った。


「おはようございます。牧野様、お待ちしておりました」
「え」
ズラリと。
一列に並んだ、とってもとっても見覚えがある人たち。
ザ・道明寺家ビューティー部。
「あのあのあの」
にこにこと笑うその人たちは、ソファーに降ろされたあたしを一斉に取り囲む。
ボキボキっと指を鳴らしそうな勢いで、ヘアメイクがどうだとか、服がどうだとか話し始めて、状況がわからないあたしは道明寺に助けを求めるように見上げるんだけど。
ヤツはふ・・と目元を緩ませ
「後でな」
と言うと、そのまま部屋を出て行ってしまった。

訳がわからないまま…。
あっちに連れて行かれこっちに連れて行かれ、エステティシャンたちに全身磨きあげられて、美容師さんに髪いじってもらって、くるくるに巻いてもらって、綺麗にメイクしてもらって、ネイリストさんに爪磨いてもらってキラキラパーツいっぱいつけてデコラティブにしてもらって、最後にスタイリストの人が現れた時にはもう薄暗くなっていた。
「はぁ~・・・・・」
「お疲れになりました?」
「いえ、疲れたっていうか、あんまりキラキラしててなんか、違う世界に入り込んだみたいで」
「これに着替えたらお終いですよ」
彼女の腕にかけられた、見覚えのある服。
「それって、あたしの誕生日に道明寺がくれた・・・」
着ていくとこないじゃん、似合わないしさ、と思って、一回出した箱にまた仕舞い込んで置いてった、オフホワイトのシフォン。
それは、こうやってキレイに整えてもらってから袖を通すと全然おかしくなくて、自分で言うのもなんだけど、鏡の中のあたしは上等の女の人に見えた。
「とてもお似合いですよ」
ワンピースに合わせた靴も。
ここでやっとスリッパから靴になったあたしは、思わず笑い、スタイリストさんは不思議な顔をしながらもあたしの頭上目がけてパルファムを噴きつけた。
ひんやりと墜ちてくる甘い香りに、一瞬目を閉じ、そして開けた時。
鏡の中に道明寺を見つけた。
なんだか高揚して興奮していたあたしは、ポケットに両手を突っ込んで壁に寄り掛かる彼に走り寄り、両手を広げて見せた。
「見て。お嬢様のコスプレ」
あははと笑って見上げたら、ヤツはひどく甘い顔して笑って、ポケットから出した手をあたしの背中に廻してきた。
条件反射で引きそうになった身体を(しかし、彼氏に触られると逃げてしまう条件反射ってどうなんだろう)気合いで留めると、大きな手が柔らかくあたしの背中を押す。
ゆっくりと下りて来た形のいい唇が、耳元で
「極上」
と、囁いた。
「やっ・・!くっ、くすぐったいっ!」
顔から火が出そうに熱くなって、思わずジタジタ暴れるとほんの少しだけ腕の力が緩められる。
そこからようやく顔を出すと、満足げな道明寺と目があった。
「あのさ、あんたホントは、こーゆーのが好きなの?」
「どーゆー?」
「お嬢様系っていうか。いろいろ改造してもらって普段のあたしとほぼ別人じゃん」
「そっか?あんま変わんなくね?」
「全然違うし。眼科行く?」
「るせ」
「じゃ何でそんな嬉しそうなの」
「バカお前、嬉しいに決まってんじゃん」
サラ・・・と大きな手が髪を漉く。
「好きな女が、自分のやった服着て靴履いて、そんで笑って走ってこっち寄って来りゃ嬉しいだろ」
「あ・・・あんたは・・・」
気恥かしくてどうしようもなくて、ついいつもの癖で可愛くない言葉が飛び出す。
「なんか、オヤジみたい」
「なんだとぉ?」
ピキ・・・と、笑顔が固まる。
そして本日初の、コメカミに例の物。
「おい」
道明寺は顔を上げると、スタイリストさんを呼んで言った。
「こいつに、リボン結んどけ」
「ぎゃああぁぁっ!いやああぁぁぁぁっ!」
そして笑いながら、部屋を出て行った。



「えーと、リボン、リボン・・・」
壁際の棚に向かって歩き出したスタイリストさんに、あたしはギョッとして振り返る。
「じょっ!冗談ですって!冗談!いつものアイツの笑えない冗談!」
そんなあたしを無視して引き出しの中を調べると、彼女は赤いリボンを取り出してにっこり笑った。
「ありました。チョーカー」
「やだやだやだやだやだ」
その時あたしの頭に浮かんでいたのは、ベッドの上ではしたないポーズを取らされて『プレゼントはあ・た・し』とか言わされてる自分の姿で。
その妄想に背筋をゾゾゾと何かが上がって来て、必死で首を振った。
「あら、困りましたね」
スタイリストさんは首を傾げて少し考えた後、急に何か思いついたような顔になった。
「牧野さま?」
「えっ?は、はい」
「『オレ、今日誕生日』」
「・・・・・いっ!」
「『お前に拒否権はねぇ』」
「どっ・・・どうして・・・」
「『牧野が抵抗するようだったら言っとけ』と坊ちゃんが」
クスクス笑いながら、こっちに近づいてくる悪の手先。
「さて。では失礼いたしますね・・・・・少し上を向いて下さい」
するりと、首に廻された赤いベルベットの感触に、首輪を連想してしまったのは間違いではないと思う・・・・・。

「坊ちゃんが、あんなにお誕生日に楽しそうなのを見たのは初めてです」
首元に、リボンのチョーカーを結んでくれながら、笑顔で言う。
「昨年まではパーティーでしたからね。朝から晩まで、不機嫌な顔をされて。笑顔なんて見られなかったんですけど・・・・・・先日、いきなり坊ちゃんが見えて、『おい、知ってるか。誕生日のヤツって、その日、何でも言う事聞いてもらえんだぜ』って興奮されて。もう、可笑しくて可笑しくて」
ピン・・・と、結び目が引っ張られる。
視線を下げると優しい瞳と合った。
「牧野さまに言うのも変かもしれませんけど・・・・・・坊ちゃんが、幸せな誕生日を過ごせますように」
にっこり笑って出ていく彼女と入れ替わりに、道明寺が入って来た。
首のリボンに目を止めて、小さく噴きだすと
「メシ行こうぜ」
と、手を差し出す。
複雑な気持ちながらもその手を取ると、ぎゅっと握って。
ひょいと屈んで、唇があたしのそれをちゅ、と鳴らした。
「ほんとはこのまま、ベッドに引きずり込みたいとこだけど」
そして覗き込んだ瞳から出てきたエロ光線に・・・・・・


・・・・・死ぬかと思った・・・・・・・


            後編へ


0574.gif



コメント
ぼっちゃ~ん!!
おめでとう~v-315
とばさま、待ってました。一週間ずーっとずーっと待ってたのこの日を!!自分の誕生日よりずっとずっと楽しみでしたよ~。12時になった瞬間、一人でぼっちゃんに乾杯v-275
この後、首輪付けられたつくしちゃんはどうなっちゃうんだ~v-10
2010/01/31(日) 11:00 | URL | りんご #-[ 編集]
Happy birthday 司坊ちゃん!!
こんにちは!!

気合入りまくりの坊ちゃんに
怯えまくりのつくしが対照的で
すっごく可笑しかったわ
つくしにも多少の原因はあるのよね

でも、ホントに嬉しそうでしたね、司

さて、後編もなにしてくれちゃってるのか
ものすごっく楽しみです!!
ダッシュ・GOe-282なのだv-363

    では、また・・・e-463
2010/01/31(日) 14:18 | URL | magenta #-[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2010/01/31(日) 22:25 | | #[ 編集]
おめでとぉ~
司坊ちゃん、お誕生日おめでとうv-238
(たまにはハートも赤くなくちゃ♪)

いやぁ~彼氏の誕生日にこんだけおびえる彼女も珍しいだろう・・・ウンウン。
さすがつくしちゃん。

でもって、朝イチからテンション高くノリノリなぼっちゃんが可愛い❤
うれしいよねぇ?
自分の選んだもの着て「お嬢様のコスプレ」した、大好きなつくしちゃんが嬉しそうに走りよってきたら、世の中の幸せがすべて手に入ったくらいうれしいよねえ~

で・・・リボンなんだ。
やっぱ、リボンなんだ。
裸じゃないけど・・・リボンなんだ・・・・
2010/01/31(日) 23:08 | URL | ちふゆ #-[ 編集]
りんごさま
おはようございます~v-281
一夜明けた2月1日。
いい誕生日でした。
あちこちサイトさん巡って、萌え萌えでしたv-347
私も自分の誕生日より楽しみでした!12時に乾杯、いいなぁ羨ましい。
坊ちゃんもあちこちで幸せだったり切なかったり。
やはりステキだ…坊ちゃん…v-347
2010/02/01(月) 09:17 | URL | とば #-[ 編集]
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