FC2ブログ

つかつく砂吐き推進委員です。ヨロシクお願いいたします。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

マリッジブルーイエローピンク~オンナの場合~




「知らないもうあんたなんてっ!」
バンッ・・・と閉じたドアにもたれかかって、ハァハァと息をつく。
今の今までギャンギャンと怒鳴り合ってたノドは少しヒリついて。
「バカバカバカ男・・・」
呟きは掠れて響いた。

・・・わかってる、本気じゃないって。
アイツも本気じゃないし、あたしも本気で言ったわけじゃない。
売り言葉に買い言葉で、思ってもいない事、ぶつけ合った。
でも!
ぎゅっとコブシを握って歩き出す。
あたしのワルグチだけならまだしも、優紀の結婚式にケチつけるようなことまで言いやがって!
だからオトコなんて!
女の子はね、それこそオムツも取れないうちから『夢の結婚式』
なんて考えて、憧れを膨らませてるもんなんだからね!
そんな女ゴコロ、心の琴線がワイヤー製のアイツになんかわかるもんか。
しばらく許さないんだから!
下向いて怒りのままに歩き出すと、

ガシャンッ!

っあ~~~~!!!!
交差する廊下で、出てきたお掃除ワゴンとぶつかった。
こ、小指踏まれた、足の小指っ!
「まぁっ!牧野様、申し訳ございませんっ!」
慌てて回り込んでくる馴染みのメイドさんに、大丈夫です、と顔を上げると
「まあ・・・牧野様・・・泣いて・・・・」
「あ・・・いえ」
これは今、足の小指を轢かれたからで・・・
言いづらくて下を向くと、メイドさんはじっとあたしの方を見つめ・・・
「おいで下さいっ!」
「えっ!!」
いきなり背中に手を廻して促し、歩き出した。
「あ、あのっ!あの、どこへ」
「先輩のところです」
「へ?」
そのまま歩いて歩いて、息を切らせながらついた扉。
「先輩っ!」
メイドさんはノックの後部屋に跳び込むと、センパイに向かって訴える。
「先輩、坊ちゃんの部屋から牧野様と言い争う声が
聞こえたと思ったら、牧野様が泣いて出ていらして!」
「え」
違うしーッ!!
ケンカしたのは本当だけど、涙が出たのはワゴンに小指、踏まれたからで、あのッ!
それにあたしはアイツとケンカしたくらいで泣くような、センシティブな女ではございません!
説明しようとしたのに、メイドさんはひどく興奮していて
「わたくしっ!もう許せませんっ!坊ちゃんはいつもいつも牧野様に無理難題ばかりおっしゃって!」
足を踏み鳴らすと
「今度という今度は、反省していただきますわ!」
宣言して飛び出して行ってしまった。

「あんたがケンカして泣いたってかい?」
くっくっく・・・と笑うセンパイに
「んな訳ないじゃないですか。ケンカしたのは本当ですけど、
泣いたのはワゴンとぶつかって、足の小指踏まれたからで・・・」
言うと、笑い声が大きくなった。
「あんたたちも、飽きないねぇ。何年経ってもケンカばっかりじゃないか」
呆れたように言うセンパイに
「だって、アイツが」
全部言いつけてやった。

「はぁ~~~・・・くだらない・・・まったく、あんたたち2人とも
バカだねぇ。そんな事言ってないで、いいからさっさと結婚しちまいな」
「・・・・・・・・・・しませんよ」
ズズッ・・・っとお茶を啜ったあたしのおでこをビチッとはたく。
「心配してんだよ、これでも。あんたたちの事、ずっと見てきたんだから。早く安心させとくれよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
センパイの、その本気の目に。
本当の事を・・・言わなくちゃダメだと悟った。
ずっと、胸の中にしまっておくんだろうなと思ってた・・・・本音。

NYでの役割を終えて帰国した道明寺は・・・。
想像以上にいい男になっていて。

正直戸惑った。

高校生だったアイツは、バカで単純で乱暴で短気で、ホント、ガキみたいな奴だったのに。
それが帰国して、TVなんかにしょっちゅう出てくるようになって、
時々は仕事してるとこなんか見る事もあったりして。
対外的に見せる、冷静な態度とか、落ち着いた表情とか、自信に満ちた視線とか。
そんなの見てたら本当にビビった。
外見は昔から極上の男だし。
あたしと居る時の、変わらないガキっぽい所とか見てなかったら、正直ヒイちゃうくらいに。

・・・・・・・・多分、あたしと結婚したら、叩かれる。
あたしなんか、って思ってる訳じゃない。
自分を卑下したりしない。
毎日、一生懸命仕事して、自分を食べさせて、ちゃんと生きてる。

でも、そんな庶民のプライドなんて、アイツの世界の人から見たらゴミみたいなもんなんだ。

何年経ったって、問題はあんまり変わってなくて。
アイツは上流階級のヒトで、あたしは庶民。
いつまで経っても不釣り合いな2人。
あの世界から与えられる評価は、多分厳しくて。
道明寺は・・・・あたしを守ろうとして、一体どれだけ傷つくんだろう。

・・・・・・・ズズッ・・・
センパイが、お茶を啜って。
俯いたあたしに
「バカだね、あんた」
と、声がかけられる。
「皆があんたと坊ちゃんの結婚を望んでるのに。そんな、
顔も見えない世間の目にビクついてんじゃないよ、まったく」
黙ってしまったあたしに、センパイは続けておかしそうに言った。

「この前のプロポーズも断ったんだろ?」
「なんでっ!!」
なんで知ってるんですかーッ!!
あの時はメープルのバーに連れて行かれて。
夜景で、バラの花束で、シャンパンで、指輪で・・・
とにかくこの家じゃなかった!
ここの人、誰もいなかった!
びっくりして見ると、センパイは人が悪そうにニヤリと笑った。
「何だって知ってるさ。使用人の情報網をなめるんじゃないよ。
この前、坊ちゃんに物置に引っ張り込まれて2時間出てこなかったことも・・・」
「ギャーッ!!!」
顔から火を噴いて憤死しそうになっていた時、急に扉が開いた。
「牧野様!おいで下さい!坊ちゃんが、こちらへ向かっております!」
「え!え!あの、ちょ・・・」
抗議する間もなく、連れ出されて廊下を走らされた。

「待って、下さい。あの、別に・・・」
「早くこちらへ!」
なんでこんな強引なのー!
ご主人さまの性格、感染ってませんかー!
走って走ってゼェゼェしながら着いた所は
「・・・・・・・・どこですか、ここ・・・」
「モニタールームです。ここなら坊ちゃんの動きが見えますから。
牧野様、坊ちゃんがきちんと反省するまで、ここから出ないで下さいね!」
と言われて、思いっきり一人で取り残された。
「へぇ・・・こんな部屋、あったんだ・・・」
ずらりと並んだモニターには、邸のあちこちが映っていて・・・
「あ」
・・・・・・・・道明寺、発見。
玄関ホール・・・かな?SPの一人に詰め寄って・・・話して・・・・・
・・・・・・・・殴ろうとしてる!
「ちょっと、バカ!やめなさいよ何してんのよ!」
思わず立ち上がり、掴みかかったモニターの中では道明寺がSPを突き放すように開放して・・・
・・・・ホッと息をついた。



***

・・・・・何してんだろ。
モニターの中の道明寺は、動くことをやめないであちこちの部屋を出入りしている。
時々、イラついたようにその辺を蹴っ飛ばしたりして。

・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・ああ
・・・・捜してるんだ
あたしを。

ずっと見てた。
途切れながらも、モニターに映り続ける道明寺。
捜すことをやめない道明寺。
・・・・・・バカだね。
あんたの部屋に荷物あるんだから、待ってりゃいつかは戻るじゃん。
あんなのいつものケンカじゃん。
それなのに。
使用人たちに遠巻きにされて、睨まれて。
それでも捜し続けて。

・・・・・・・まったく
なんでいっつも、こうなんだろう。
尊大で、傲慢で、まるで王様みたいな男が。
こんなわかりやすくあたしだけ求めてくるから・・・・・・・

ほだされちゃうんじゃないのよ

その男がだんだん俯き加減になってきて。
トボトボみたいな感じになったら。
・・・もうダメ、我慢できない。

顔、見たい。
触れたい、抱きしめたい。
目を見てキスしてあんたが好きだって言いたいよ。

     ガタンッ

あたしは椅子をひっくり返して、その部屋を飛び出した。





「泣いてんの、坊ちゃん」
弾かれたように顔を上げてこっちを見る。
普段からは想像もできない瞳で。
ひどく安心したように笑う彼は、ああ・・・なんて・・・。

「なあ・・・・・牧野。頼むから俺と結婚しやがれ」

ぶっと、思わず吹き出した。
捨て犬みたいに廊下に落ちててさ、泣きそうになってたくせにこの偉そうな態度ったら。
そこも好き。
全部好き。
だけどあたしは牧野つくし。
素直に言ってやる女じゃないんだから。

「お願いしてんのか命令してんのか、どっちよ」
駆け降りたいのを我慢して、ゆっくり階段を下りはじめる。

「あんたなんて、結婚相手としてはすっごく条件悪いんだから。
結婚なんかしたら、スーパーで買い物、とかもう出来ないし、SPの人たちにずっと見張られるだろうし、なんかしたらすぐ週刊誌とか出ちゃうし、仕事だってやめなきゃいけないし、家事もやらせてもらえないだろうし、上流階級のおじさんとかお譲さんたちが意地悪してくるだろうし、友達とだって気軽に会えなくなるし、シュートメは怖いしさ。ホントにあんたたちの世界なんて大キライ」

あたしだけを見つめる真っ直ぐな目。
あたししか知らない、熱情の色。
引き寄せられるように、彼の前に座る。
やっぱやなのかよ、と、小さく呟くのに決まってんじゃん、と返して。
多分あたし今、死ぬほど甘い顔してる。

「でもさ、仕方ない。そんな事どうでもよくなるくらい、あたしアンタに惚れてるし。
だから、いいよ。ケッコンしてあげる」

思いを込めて、キスをした。
長い睫毛の下のキレイな瞳は、時間が止まったかのように見開かれ。
目ぇ、つぶれよ、って、いつものお返しに言ってやろうかと思ったけど、笑っちゃってやめた。
その後、なんかのスイッチが入った道明寺に窒息寸前まで追い込まれたわけだけど。
まあそれはいいとして。
問題は。

使用人の皆さんにめっちゃ見られた・・・・・
多分・・・・全部見られた・・・・・
全然気にしない道明寺は論外、あたしの羞恥心は正常に働いてるんだから。
ううううう。
ヒトの気配なんてなかったのに・・・
あの大集合は一体何っ!
恐るべし!
使用人ネットワーク!

おかしくなって、大笑いした。
ムードがないって怒る道明寺をバンバン叩いて。
ヤツの額には例のアレがてんこ盛りだったけど。



それでも。


「なあ」
「ねぇ」


「なんかめちゃめちゃ愛してるんだけど」
「あたしはそーでもないかなぁ」
「るせ」


目を合わせて


「お前さえいたら」
「あんただけいれば」



『何にもいらない』


キスしながら囁き合ったら


もう全開で笑うしかない


ヤバいな、この展開。
こんなにふわふわして、ドキドキして回りなんて見えなくなっちゃったら。
このまま行っちゃったら



      多分死ぬまで幸せ




                                   Fin



0574.gif




コメント
そっか・・・
モニタールームかあ~
そりゃ、坊ちゃんの動きも全部把握できちゃうよね。

だんだん、うつむいちゃうトコなんて見たら・・・
うんうん。

にしても?
誰にも見られて無い所までばれてる・・・って、
SPさんはいたんでしょ?
つくしちゃん?
いいかげんに、慣れないと・・・
って、SPさんに守秘義務はない?
っていうか、坊ちゃんのプロポーズを受ける受けないは
道明寺家で働く全員の最大の気になることで、
成功させるためなら、何でもアリなのかもねぇ~

つくしちゃんの味方のようで、実は司にとっても最高のサポーターでもあるんじゃない?
っと、おねーさんは司の肩をたたきながら、言ってあげたい。・・・が、肩をたたいたあたりで、殴られそうだから、ヤメておきます。

とばさん、この話サイコー!
なんか、二人の歴史を感じちゃう。
少しずつ、歩み寄って前進してきて 周りともいい関係つくれてこれて。

NICE!

2009/10/25(日) 15:28 | URL | ちふゆ #-[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009/10/25(日) 15:46 | | #[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009/10/25(日) 17:08 | | #[ 編集]
ええわぁ~
今日も楽しく読ませていただきました。

使用人よ、モニタールームは反則(爆)
司が不利すぎっす…(T_T)
でも、様子をうかがってたつくしが、そこから飛び出して行くのが、超かわいい!

とばさんのお話は、読んですっきりするので、大好き☆
私の癒やしになってるので、これからも楽しみにしてます♪
2009/10/25(日) 18:07 | URL | やのえ #-[ 編集]
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009/10/25(日) 22:32 | | #[ 編集]
ちふゆさま
肩を叩かれて殴り返してくる司・・・最高です!ゲラゲラ
ゴツンかな、それともボグゥかなって。
              ↑
           死にます。
実は、マリッジ・・・の二人は「休日」設定のつかつくだったりします。
休日8にしようかと思ったら、なんか2つになっちゃったので独立。
そう見てもらうと、休日でもつくし、結構使用人軍団にかわいがられております。
2009/10/25(日) 22:44 | URL | とば #-[ 編集]
明けカラスさま
嬉しいお言葉~e-449
ありがとうございます。
坊ちゃんの監視、ちょっと楽しそうですよね。
『坊ちゃん、部屋を出ました』
『了解です。牧野様をモニタールームに』
ああ、きっと楽しい。SPもメイドもコックも庭師も総出e-420
2009/10/25(日) 22:49 | URL | とば #-[ 編集]
いろはさま
ギャッ!雨っ!
お疲れ様でございましたv-279
そちらは10月なんですね~。
こっちは5月~6月なのでちょっと新鮮です。
梅雨v-279v-279v-279の関係なんでしょうか?
お疲れのところ、コメントまで頂いてしまってありがとうございますe-68
2009/10/25(日) 22:56 | URL | とば #-[ 編集]
やのえさま
ありがとうございます~v-344
まさか坊ちゃんも見られてたとは思うまい。
っていうか自分ちにそんな部屋があることも気づいてないっぽいです。
褒めていただいてホントありがとうございます。
今回一番書きたかったセリフは
『シュートメはこわいしさ』なんです実はv-353
どうでもいい情報でしたe-351
2009/10/25(日) 23:07 | URL | とば #-[ 編集]
紫紺さま
そうみたいなんですよ~。
リクエストもどうもありがとうございます。
是非!・・・と言いたいところなんですが、それ系をUPするとお叱りのコメントもいっぱい来るので
最近自粛してましたv-40
もうちょっと経ったらまたモチベーション上がってくるかなぁと・・・自分では。
すいませんビビりでe-263
2009/10/25(日) 23:22 | URL | とば #-[ 編集]
確かに!!
シュートメは怖い。。。 普通なら、楓さんが姑になるなら逃げちゃう。。  いつも強気なつくしちゃんの、可愛い一面が見れて嬉しかったです!!一つの映画を見てるようでした。。設定も台詞も雰囲気も、最高です~とばさん、やっぱり司つくしは最強ですね!
2009/10/26(月) 07:38 | URL | カスミ #-[ 編集]
カスミさま
ありがとうございます。
つかつくですよね~v-353
大好き~v-346←何を今更
2009/10/26(月) 14:46 | URL | とば #-[ 編集]
犬も食わない・・・
こんばんは!e-454

つくしも結局司だいすきなんじゃん

素直じゃない2人の犬も食わない・・・ですね

いつまでもそんな風に、幸せにやってくんでしょうね。

使用人の皆様に見守られて・・・。


     では、また・・・。e-463
2009/10/26(月) 17:08 | URL | magenta #-[ 編集]
そっか~
そう来ましたか・・・
モニタールーム・・・
司の行動は全てつくしのためのもの・・・
愛されてるね~つくし

結局は相思相愛の二人・・・
素直じゃないけど・・・一度素直になるとどこまでも甘々で最高です
2010/07/30(金) 14:48 | URL | rann #sowQq82.[ 編集]
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。